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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「重さ」の問題   のんちゃん

 

 先日、小学校3年生の甥っ子のアキちゃんの算数の勉強をみてあげました。トン、キログラム、グラム、ミリグラムなどの重さの問題です。単位の換算が出来ていないようです。例えば、5200kg+6.2t-10.5kg= kgとか2.2kg+800g-2040g-260g= kgなどの問題です。20題を10分で解かせるというかなり大変なテストがあって、65点と点数が悪くて泣いていました。私は、このような問題を20題、10分で解かせるのは、並大抵ではないなと思いました。アキちゃんは、
「次の火曜日にまた同じようなテストがあるんだ。また、出来なかったら、先生に叱られるよ。お母さんの雷も落ちるよ。」
と、かなり焦った面持ちで言います。私は、複雑な計算問題を単純な形に直してあげました。1t=1000kg 1kg=1000gなど、もう1回基本をおさらいして、間違った問題を繰り返し練習させました。それからストップ・ウオッチで時間をはかってやらせました。何とか要領を得て、自信もついてきたようでした。
次の週、アキちゃんは得意そうに答案用紙を持って、私の所にやってきました。
「のんちゃん、今度はホラ、満点をとれたよ!」
アキちゃんは、嬉しそうです。良くやったね、アキちゃん!
私は、小学校の頃、一昨年他界した父に勉強を教えてもらいました。父に解けない学校の宿題はありませんでした。父は、まるで歩く百科辞典のような人でした。小学校の頃に、代数まで教えてくれました。小学校で方程式が解けた喜びは、今でも忘れていません。父は、私にとっては最良の家庭教師でした。
今度は、私が甥っ子に勉強を教える番です。次の世代に大切なことは教えていかなくてはいけませんね。でも、単位の換算など、間違いやすい箇所は、どうして世代を超えて同じなのだろうと思ってしまいます。私自身も、小学校の頃、少し苦労したのを覚えています。
「アキちゃん、単位の換算は大事だよ。上の学校に行っても、理科の実験などで使うんだからね。」
と言うと、
「フーン、そうなの?」
と、不思議な顔をします。そうだよ、アキちゃん。基礎をしっかり勉強しようね。

   講評   tama

 小学校の算数のテストも、厳しくなったものですね。複雑な単位換算の計算問題を、時間内に正確に解かなければならないというのは、3年生のアキちゃんにとってはかなりのプレッシャーだったに違いありません。
 かわいい甥っ子の困った顔を見ると、じっとしてはいられなくなりますね。のんちゃんのお父様がそうであったように、のんちゃんも、アキちゃんに対して、優しく親身になって接しておられたことが想像できます。子どもにわかるように説明するのは根気が要ることですが、さすがのんちゃん! すっかり自信をつけたアキちゃんは、満点を取った上に、最高の笑顔までプレゼントしてくれたのですね。ここでのんちゃん自身の気持ちの表現を抑え、アキちゃんの描写に重点を置いたところがよかったと思います。状況を目の前に思い浮かべながら、感情移入して読むことができました。
 お父様との思い出話が重なり、少し切なくも懐かしい場面でしたね。お父様もきっと、目を細めながらお二人の様子を見ていらっしゃることでしょう。


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