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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   心地よい環境   たけたけ

産業革命以来、機械は人々の生活を豊かにする打出の小槌の役目を果たすものだと思われて来た。しかし、最近になって、それだけがすべてではないということが、反省されるようになり、生物学的な発想が見直されている。考えてみると我々の生活の大部分は、生物的嗜好でよいわるいを判断していることの方が多い。例えば、二一世紀の夢の都市として作られたブラジリアは、あらゆる技術を駆使して作られたはずだった。しかし、実際出来上がってみると、肝心の人間がなかなか住みつかなかった。その理由は、街の全てがよそよそしく、あるがままの人間臭さの淀み、街角がなかったのが原因というのである。これまで、時代の先端を行く文明だと思われてきた機械的な空間より、木や木綿のような素朴な材料で囲まれた泥臭さの中に、何か人間の本質といったものが潜んでいるのである。僕は、整った外見よりもなじみやすいことの方が大事だと思う。
 まず第一の理由として、整いすぎた環境よりも、たとえ統制は取れていなくても慣れ親しんだ状態の方が落ち着くからだ。つい先日、大掃除をしたが、本の位置や机の中のものをすべてキチンと整頓して、見かけ上とても美しい部屋になったとしても、居心地が悪くてほんの数時間もしないうちにまたもとの汚い部屋に戻っていた。しかし僕には、この方が掃除した時よりもなぜかきれいに感じた。動物たちにも同じことが言えるのであろう。僕が飼っている鳥は、いくらきれいに下の紙をしいてあげても、必ずくしゃくしゃに丸めてしまう。これは、その環境が鳥にとって最も過ごしやすい環境なのであろう。
 また第二の理由としては整いすぎた環境はかえって落ち着かないからだ。文房具や本などが元の場所にきれいに片づけられていたら、かえって何がどこにあるのか分からなくなって混乱してしまうであろう。日本の年間海外旅行者数は1500万人を突破。海外からの日本旅行者は300万台。(PHP 1998年)というデータがあるように、整った環境で過ごしていると息苦しくなり、海外に行くことで環境に変化を求めるのだ。
 確かに、外見がきれいなのは良いことだろう。どれだけ心地よくたって見る人を不快にさせるような空間には住みたくない。しかし、「大事なのは、健康らしい外見ではなく、健康そのものである。」という名言があるように、外見よりも、心地よさの方が大事なのである。

   講評   kira

 たけたけくん、こんにちは。成人の日の休み宿題でした。着実に学習ができていますね。
 今回は規格化されていたり統率されていたりするものよりも、人間らしく(生きている感じの)馴染のあるものがよいと言うテーマでした。
 このごろの街づくりや建築物を見ていると、美しいのですがまるで数学の計算式のように寸分の間違いもないような、言わば息の詰るようなものが多いようです。食べ物でも栄養計算をして飛行機の機内食のように機能的に詰め込まれたものだけ出されていたら、きっとのどを通りにくくなることでしょう。
 動物の巣と同じにしたらちょっと問題でしょうけれど、私たちの棲みかも掃除した何日か後の方が心地いいですね。
 第二の理由の方は、人間は変化を求めるからだとしたほうがすっきりしそう。自分の部屋も時として模様替えしたくなります。海外旅行は生活の模様変えですよね。リフレッシュできます。旅の恥はかき捨てはやってはいけませんが、いつもの自分とちがう自分になれますね。
 生きている人間にとってよりよい環境が一番です。


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