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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言い訳   きへあ

   
 「二十世紀は機械文明の時代であったが、二一世紀は生物文明の時代になる」    私達は過去百年の間、数量的に証明できるものにこそ真理があり、それのみが正しいと考えてきた。しかし最近、工学的な発想や技術の行き過ぎが反省され、生物学的な発想が見直されてきている。ここで、インテリアの分野を例にして考えてみる。確かに住まいの環境が美しいことは望ましいことであるが、芸術第一主義では庶民にはとても住めない。庶民は人間であるよりも先に生物で、生物は本来もっと泥臭いものであるのだ。そのような泥臭さの中に、人間の本質のようなものがひそんでいるのである。だから私は、計算され整った環境よりも、私達人間自身がなじみやすい環境の方が大切であると思う。
 なぜなら、整った綺麗なものよりも、整備されていなくても、自分がなれ親しんだものの方が落ち着くからである。私は掃除が好きではないが、散らかった部屋を見て泣く泣く掃除をすると、初めはとても綺麗ですがすがしく感じる。しかしそのような環境で勉強をしてみたりすると、段々と落ち着かなくなってくる、といった経験はないだろうか。どうしても集中できなくなって、気がつくとまたさっきまでと同じ、散らかった部屋に戻っているのである。しかしその散らかった環境の方が、妙に落ち着いたりするのである。
 もう一つの理由として、整った変化のない環境では窮屈だから、というのがある。例として、日本人の一年間の海外旅行者数についてのデータを見てみよう。一九九八年で、一五〇〇万人を突破している。なぜであろうか。これはあくまで推測であるが、旅行者達は、「毎日変化のない同じ環境や自分を変えたい」と思うから旅行に行くのではないか。いつもと違う自分を見つける為に海外に旅行に行くのではないだろうか。その為、行きたい旅行先は、オーストラリアやハワイなど、日本、又は自分の生活のリズムや環境に大きな違いがある場所に、無意識に行きたいと思うのであろう。このように考えてみると、人間は「不変的なもの」を窮屈に思うのであろう。
 私達が生きていく上で、身の回りを整えるとか、綺麗に整頓しておくことはとても大切なことであると思う。だから、見た目が綺麗なのは、良いことである。しかし、「家とは外から見るためのものではなく、中で住むためのものである」という名言があるように、本当に大切なのは、どんなに綺麗で整った空間よりも、私達「人間」という「生き物」自身が心地よい、落ち着く、と思える空間や環境なのである。どんなに綺麗に整理整頓された部屋で勉強したからといって、天才になれる訳ではないはずである。自分が一番落ち着いていられる部屋で勉強することが、学力を伸ばす鍵になるのではないだろうか。だから私の部屋は、いつも散らかっているのである。この空間が、一番落ち着くからである。

   講評   kira

 きへあさん、こんにちは。今回は規格化されていたり統率されていたりするものよりも、人間らしく(生きている感じの)馴染のあるものがよいと言うテーマでした。このごろの街づくりや建築物を見ていると、美しいのですがまるで数学の計算式のように寸分の間違いもないような、言わば息の詰るようなものが多いようです。食べ物でも栄養計算をして飛行機の機内食のように機能的に詰め込まれたものだけ出されていたら、きっとのどを通りにくくなることでしょう。
 動物の巣と同じに考えたらちょっと問題でしょうけれど、私たちの棲みかも掃除した何日か後の方が心地いいですね。
 第二の理由の方は、人間は不変を嫌うからですね。単調な毎日なんてつまらないから、海外旅行で気分転換をします。(先生は温泉旅館でじゅうぶんリフレッシュできます。主婦を休めるからね。) 最後の段落はすばらしい論法で自分の部屋を弁護できましたね。(笑)やはり、生きている人間にとってよりよい環境が一番です。


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