低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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整いすぎた環境 ゆうたん
産業革命以来、機会は人びとの生活を豊かにする打出の小槌の役目を果たすものと思われて来た。「二〇世紀は機械文明の時代であったが、二一世紀は生物文明の時代になる」というような言葉も使われてきた。住まいの環境が美しい事は、たしかに望ましいことにちがいないが、芸術第一主義では庶民にはとても住めない。冷たい無機質な材料で囲まれた舞台装置のようなインテリアよりも、木や木綿のように素朴な材料で囲まれた泥臭さの中に、なにか人間の本質といったものがひそんでいることに気がついたのである。それは理屈ではなくて、生物的嗅覚とでもいったほうがあたっているかも知れない。私は整った環境よりも、なじみやすい環境の方がよいと思う。
そう思う理由は、整いすぎた環境よりもなじみやすい方が落ち着くからだ。私は去年、年末に大掃除をした。私はまず自分の部屋を片付けることから始めた。机の上やクローゼットの中は物が多くて散らかっていたため、私は要らないものは処分して必要なものは場所を決めてきれいに整頓していった。全部すっかり片付け終わって、床や窓の掃除も終えた。そしてきれいな部屋で正月を迎えられた。しかし、宿題をやろうとしたらノートが見当たらなかった。いつも置いていた机の上にはない。よく考えてみたら、大掃除の時に本棚にきれいにしまったことを思い出した。本棚のノートをよく探してみたら、私が探していたノートが出てきた。整いすぎた環境は落ち着かないし、物の場所がわからなくなってしまうから、なじみやすい方が私は良いと思う。
確かに、見た目が美しいことはいいことだ。しかし「大事なのは健康らしい外見ではなく、健康そのままである」という名言があるように、見た目が美しいものが心地よいものではないと思う。だから私は整った環境よりもなじみやすい環境の方がよいと思う。
講評 onopi
三段落構成の意見文になりましたが、全体的によくまとまっています。第一段落でなじみやすい環境の方がよいと意見を書いた後、次の段落でそう思う理由を書いてくれました。整然と整理されているよりも、多少雑然としている方が気楽でいいという人はけっこういます。年末大掃除をしたようです。その体験を通して考えたことが書けています。掃除の前と後とではきれいさでいえば後の方がいいと思います。しかし使い勝手や心地よさから言うと、以前の方に軍配が上がります。最後の段落で反対意見への理解として、美しさも大切とあげた後、自分なりの考えを書くことができていました。
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