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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   風景の変化   いへゆ

人が建築物を見たときに、その対象をまず全体として見て感じるということが大切だ。ただたんに部分としての家や建物だけとか、雲、山、川だけでは風景とはならない。自然物や人為的建造物などが、一つの内的・生命的構造関連をもつ生きた全体となるところに風景が現象する。風景の心を無視した資本主義的営利関心の建造物がつくり出された時、傷つけられた風景を見て人が痛みや悲しみを感得するのは、人が風景を生きものと感じているからである。
私は、今の日本の風景に統一性がないことが問題だと思う。
なぜ統一性のない風景になってしまったのだろうか。
その原因として第一に、周りを考えずに目立つものを作りすぎたからだと思う。人を呼び込もうと、いろんな店がいろんな工夫をしている。その工夫に、店のデコレーションをがんばっている店が多い。クリスマスやバレンタインデーなど、いろんな行事にあわせて、電飾を使ってどんどん派手になっていく店が多いし、すぐ新しく階層している店も多い。そういう店は人が多い場所をねらって作られている。たとえば駅前だ。たいがい、どこの駅前に行ってもあるお店は決まっている。携帯電話のショップやコンビニ、パチンコや本屋。地方でも都心でも大小の違いはあるかもしれないが、駅前の風景はどこも同じだ。駅前だけが派手で、駅前を離れると一気に寂しい町並みになるのは何か違っている気がする。
その原因として第二に、外国の文化をそのまま取り入れすぎたからだと思う。昔の家は和風の、平屋で、屋根は瓦で、床は畳という家がほとんどだった。しかし、今は洋風の家のほうが多い。外国の文化が日本に入ってきてから、日本人は洋風の家のほうが新しくてかっこいいと思う人が多くなった。だから、みんな家を建てるときは和風より洋風の家を建てる。建てる家の周りにもともとの和風の家が建っていることを気にかけることもなく建ててしまう。そして、和風の家の隣に、洋風の家が並んでしまうことがある。そういう家が並んだ道は、すごく奇妙な風景を作っている。違う文化によって作られた家を並べているのだから、統一性がないのはあたりまえだ。洋風の家を日本に取り入れた時に、そのまま取り入れるのではなく、もっと日本にあうようにもっと工夫するべきだったと思う。外国から来た生物も、日本にもともと生きていた生物よりも強くなる場合がある。ブラックバスがそのひとつだ。もともと釣り用に琵琶湖にはなされた。しかし、今、ブラックバスは琵琶湖にもともと住んでいた魚よりも強くなってしまった。このように、外国から取り入れたものは、日本のものを潰してしまうこともあるのだ。
たしかに、外国の文化を取り入れることによって、日本も国際的な国になった。海外からの人が来やすい環境になったし、逆に日本人が海外に行ったときに、その文化に溶け込みやすくなった。しかし、「建物は、そこで生活している人のためだけではなく、それまでの歴史を現しているものでもある。」。わたしは、日本の風景に統一性がなくなってしまったのは問題だと思う。

   講評   huzi

情報化の進展は、生活の便利さと引き替えに風景から情緒を奪っていきます。変わってしまった風景に、自分自身も傷つけられたように思う。風景と人の心は切り離せないものなのですね。
  それにしても、どこに行っても同じで、ごちゃごちゃとした風景のどこに、心を寄せればいいのでしょう。【問題】として掲げた、「そこの町」ならではの統一性が失われつつあるのは本当に残念です。
  目立たせなければならない。そういう造作の建物が一つできると、風景ががらりと変わってしまいます。いっそ、全部の建物が目立つことを条件に造られれば、それはそれで個性的、思い出に残る町並みになるのですが、たいていは中途半端に終わってしまうところが残念なのですね。最初の【原因】で書きたいポイントはここだと思うけど、違うかな?
 第2の【原因】は、ていねいに書きこむことができました。ブラックバスの【自然科学実例】は、わかりやすい例です。一部で周囲との調和を欠きはじめると、どんどん広がっていくというイメージが伝わってきます。
 【自作名言】、難しいところをよく頑張って考えたね。今回は、前半と後半が並列的になったかな。後半の文言は、前半をひっくり返す勢いを持たせてみるといいですよ。

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