国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   世間と個人   たけたけ

社会は個人から成り立つものとされている。そして、世間と個人の関係について注目すべきところは、個人は自分が世間を作るのだという意識を全く持っていない点になる。日本人の多くは世間の中で暮らしている。しかし、「世間」という言葉が定義しにくいのは、世間は常に個人との人間関係の中で生まれているものだからからであり、人によって世間が広かったり狭かったりするからである。欧米人は日本人を権威主義的だと見ることが多いが、それは日本人が常に世間の目を気にしながら生きていて、彼らからすると個性的ではないように見えるためである。世間は日常生活の次元においては快適な暮らしをするためには必須なものに見えるが、その世間が持つ排他性や差別的閉鎖性は公共の場に出た時にはっきり現われる。僕は、世間というものにとらわれることは良くないと思う。
 まず第一の理由として、個人の意見を持ちにくくなるからである。仲の良いグループ同士で喋っていると、周りの意見に合わせて、自分の意見を言えなくなってしまう時がある。例えば、好きなサッカー選手の話をしていて、皆が好きだと言った選手は、例え自分がその選手を好きでなくても、周りの意見を尊重する、というより、自分の本当の意見を隠して周りに話を合わせてしまうことがある。皆が好きだと言っている選手のことを嫌いと言ったらそのグループから追い出されてしまうと思って、自分の意見をいうことが出来なくなってしまう。こういったことは国会等の議論でもいえるのではないだろうか。国会には与党と野党があるが、この党をグループだとすると、話し合っていて、自分は野党の言っていることの方が正しいと思っていても、その人が与党であったならば、与党の意見に合わせてしまうことがあるであろう。このように、周りの意見に束縛されて自分の意見を言えないということはとても悲しいことだと思う。そこから生まれる打開策もあるだろうし、その意見の方が正しい場合もあるだろう。
 また、第二の理由として、皆と同じような価値観を持つようになってしまうからである。クラスの中で、好きな食べ物やサッカー選手などを聞いてみると、そのほとんどが同じものであることが多い。それは、周りに影響され、自分の意見を無くしてしまう事が原因だと思う。行きたい旅行先 一位 オーストラリア57.2%。二位 ハワイ48.4%。三位 カナダ47.6%。四位。スイス45.6%。(日本交通公社 1997年)というデータがあるが、どの国も至ってあたりさわりがなく、定番の国といってもいいだろう。別に、南極に行きたい。とか南アフリカに行きたい。とか、ジャングルに行きたい。といったことでも良いのだ。確かに、そういった人もいるのであろう。しかし、大体の人は、周りが行きたい国に合わせようとした結果こうなってしまったのだと思う。
 確かに、仲間同士で助け合うことも良いことだ。しかし、「自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きた通りに考えるようになってしまう。」という名言があるように、世間にとらわれずに視野を広げ、自分の価値観をしっかりと持つことが大事なのだ。

   講評   kira

 たけたけくん、こんにちは。西洋では、社会は自立した個人との契約によって成り立つと考えられています。民主主義の基本ですね。ところが日本は、社会のまえに「世間」というものがあり、そのなかで持ちつ持たれつの助け合いの関係をもつと言われます。その「世間」に排他性がみられる以上、とらわれすぎるのはよくないという意見でしたね。

 「世間」などと無関係のようにみえる学生も、学校などの様々のグループの内側では、みんなに意見を合わせて個人を押えるという体験を持っています。国会の政党についても同じではないかと考えたのはいい視点ですね。
 同じ集団で似たような価値観になるのは、歩調が合って好ましいようにも見えますが、個性がないのは成長もないように思えます。
 協調性をもちつつも、自分らしい考え方を主張できる人になりたいですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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