国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   盗難   のんちゃん

  

 もう20年以上も前の話です。私は英国に留学していました。勉強の合い間をぬって、ある時、日本人の友人、何人かとロンドンの歓楽街、ソーホーに遊びに行きました。英国はあまり料理にお薦めがなく、美味しいのは中華料理とインド料理だと言われています。それで、私達も中華料理店に入りました。私は、椅子の背もたれにバッグをかけ、友人達と久し振りのご馳走を食べながら、歓談を楽しみました。勘定を払おうと、背もたれにかけてあるバッグに手を伸ばしました。あれ?バッグがありません。ヤラレタ!盗まれてしまったのです。パスポートも財布も入っていたので、慌てました。エライことになったものだと思いました。友人の一人は、
「のんちゃん、ここは東京じゃないんだから、もっと気をつけなくてはいけないよ。お金は貸してあげるけれど、僕たちが一緒じゃなかったら、どうなってたと思うの?」
と、私を見つめながら叱り付けるように言いました。私は、まるで亀の子のように首をすくめました。後日、パスポートを再発行してもらうなどの手続きに追われました。
 また、それから数年たって、ジュネーブに滞在していた時の話です。友人のS君は、車をジュネーブの街角に停めておきました。用事をすませて、再び、車に乗ろうとしたら、何か変です。車体がいつもより低く感じるのです。おかしいと思って、外に出てみると、何と、タイヤが4つとも盗まれていました。車体だけ、坂道にポンと載っていました。S君は叫びました。ヤラレタ!スイスの泥棒はやることが違いますね。でも、ジュネーブは外国人が30%も占めているといいますから、スイス人ではないのかもしれません。多国籍の人がいるということは、それだけ信頼を結ぶ社会を作り上げるのには時間がかかるということかもしれません。
 ヨーロッパの風景は本当に絵葉書のように綺麗です。でも、油断してはいけません。気をつけていない方が悪いとされてしまいます。私は、東京に戻ってきて、安心でいられる社会はありがたいと思います。犯罪が増えてきたとニュースは伝えますが、その確率はまだまだ低いものです。こんなに機能的で便利な大都会なのに、これだけ安心、安全な大都会はないと思います。私は、日本はもっと「安心・安全」をキーワードにして世界に発信していけると思います。

   講評   tama

 治安のよい日本に住んでいると、持ち物や身の安全が保障されているものと思いこんでしまいますが、海外に行くとそうはいかないものですね。
 のんちゃん、大切なバッグが盗難に遭ってしまったとは、災難でしたね。Sくんに関しては、コントのような出来事(失礼!)でしたが、こういうことが現実で起こりうるのだと驚きました。あまりに大胆不敵な行動なので、見ていた人がいたとしても、それが泥棒の仕業だとは思わなかったかもしれませんね。私も過去に、イタリアに観光に行ったとき、子供の集団に囲まれたことがあったのを思い出しました。友好的に話しかけてくるので、物盗りだとは気付かず、危うく財布を奪われそうになりましたよ!
 のんちゃんが言うとおり、やはり日本ほど「安心・安全」な国はないのかもしれません。この作文を読んでいると、日本の明るい未来に希望が沸いてくるようです。とても心地よい結びでした。

【はじめに絵を描く】 これは愉快! いい絵が入りましたね。

【たとえ】「まるで亀の子のよう」・・・小さくなっているのんちゃんの様子が目に浮かびます。

                    

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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