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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   公園の在り方   PINK

 庭は現代社会では集団全体の広場であり、活動的な共同生活が営まれていた。やがて歴史がすすみ、階級制度の登場と共に権力者占有の庭が出現し、既に一般庶民には閉ざされたものとなった。そして禅宗などの影響もあり、庭園は政治や協議の広場ではなく、幽邃な環境に囲まれて沈思瞑想するという俗を離れた精神的な別世界をつくりあげた。アメリカあたりの典型的な市民住宅が道路に面した庭を持っているのとは対照的に、自分の領分を守る封建制を象徴的にここに確立されてきたのだ。かつて見られた庭園の美的な高さ、きびしさ、純粋さを失い、卑小な芸に堕していった。本当の庭のあり方は、建築物であり、彫刻であり、音響の遊びであり、可能的な芸術空間で無ければならない。公園は、共同の広場として使うべきだ。
 そのための方法として第一に、大人も子供も関係なく公共の行事に積極的に参加することだ。地元で開催されるお祭りや伝統行事も、若者の参加者が年々減りやむを得ず中止となってしまった自治体もあるのではないだろうか。公共性のある、開けた場所を住民が利用して、みんなが参加できる場を作ることが必要なのである。地域ぐるみで行うイベントに参加することが当たり前だという意識に変えていかなければ、いつまで経っても公園はただ住宅街の隅にひっそりと佇むだけの空間と化してしまう。公園は決して道路の延長などではない。そこにあるからには最大限に活用する、という考えを持って地域の行事にも参加することが、生活の延長としての公園を生かす方法なのだ。
 第二の方法としては、公園を制限の無い場所にしていくことだ。例えば、公園でよく見かけるのは注意事項の書かれた看板であろう。犬を連れて入らないで下さい、球技禁止、花火禁止、鳩の餌やり禁止、焚き火禁止、深夜まで騒ぐな、ゴルフの練習はするな、自転車禁止、ローラーボード禁止、等々挙げればきりが無いほどの沢山の禁止事項がある。もちろん一般的に考えて危険であったり、常識が無いような行動を慎むのは当たり前だが、ここまで『禁止』を掲げられると何をして遊べばいいのか、といった気持ちになる。子供や老人たちの足はますます公園から遠ざかって行くだろう。制限が無くても、一般常識のある人なら何は問題なく、何はすべきでないのかが分かるだろう。そういったルールをまだ知らない子供らには、保護者や地域の大人たちが責任持って教えれば良いだけの話ではないだろうか。あらゆる人たちがそれぞれに楽しく利用できる、本来の公園の姿を取り戻すことが、これからの公園と私たちの生活に関わる目標でもあるだろう。
 確かに、静かに見るための芸術的に価値のある庭にも良さがある。鑑賞者として庭を眺めることも大切だ。だがしかし、庭園や公園は閉ざされたものではなく、みんなで使える開放的な空間となることが求められているのだ。庭は、見物するための展示物ではなく生活の一部に溶け込む、共同の場所なのである(自作名言)。

   講評   kira

 PINKさん、こんにちは。庭がどのように発生し変化していったかについては、民族性や歴史による違いがでてきて当然ですし、あくまでも個人の庭は家の一部として個人向けに閉鎖していてもしかたないと思います。しかし、広場や公園については公共の物である以上、みんなに利用される使いやすいものになるべきですね。そこで行動する人々もあらわれてほしいと思います。

 まず、仕事とプライベート以外の活動をもっとさかんにしてみることでしょう。ボランティアへの意識は近年高まってきたようです。そこに地域の地域のための活動が加わってくるといいですね。そうなれば集う場所、活動の場として必要な広場が注目されるでしょう。賑うこと間違いなしです。

 そしてせっかくの公園から各種の制限を取り払うことです。使う人のモラルの成長が待たれることなのでしょうけれど、公園が自分達にとって必要な場だと自覚できたなら、制限しなくともルールが成り立つはずですね。

 生活の一部に溶け込む公園となって、そこで日向ぼっこしたいものです。(もう少し生産的なこともしたいけれど。笑)


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