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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   竜笛   おむふ

 竹は筍の時分からわずか一ヶ月ほどでみやびで風格のあるものとなる。竹林のある山道などをゆけばだれしもその優雅ななにかを感ずることだろう。この竹はあまりにも多くの用途がある。日本では風雨、山水、おおくの万物に神が宿るとされていた。豊作をもたらす農業神、豊漁を与えし漁労神。もしその神がこの世にあり、多くをもたらしたとて竹の恩恵にはかなうまい。そう思わせるほど竹は古来よりの生活の中で役立ってきた。竹やり、塀、館、建築、竹簡、火吹き竹、竹刀、茶道具、家具・・・天にある星の数だけあるのではなかろうかというほどに竹により織り成された品々。それらはそれこそ星のように玉露、真珠の心のまばゆさがある。その中でも竜笛というものがある。日本の竹製の横笛であり龍の声に似せてこの笛をつくったという伝説まである。雅楽に度々使われるものでありその本来の良きまさに龍のごとき音を奏でるのはかなり困難であるそうだ。息を吹く繊細な角度、強さにより音色は様々に変化していく。そのほかにも竜笛には正しき持ち方、作法などがあるとのこと。だが真にきらびやかな音を奏でるのにはそういった格式、礼節が最善なのだろうか。自分自身の自分なりでの方法であったほうがむしろ良き音をかなでることができるのではなかろうか。ものの一月(一月)の齢の竹による笛である。だがその奥ゆかしき龍より受け継がれたともいえる笛。これを奏でる方法は多くある。竜笛だけてはない。ものごとの多くの場で礼節をもってしてあるべきか。それとも自分なりの、いわば自分の流派をもってして成すべきか。それを考えていきたい。
 自分なりの流儀により大成するというのは良きものである。礼儀や、なにかしらをするときの方法にせよ先人、他人が呈したものである。自分ではない者が編み出したものだ。だれしも個人個人によって特徴が違いなおかつ全く同じ人間などいない。ものを修練し鍛錬する上でも自分に適するものがなによりと思われてならない。その上、礼節や作法といったものは一種の束縛である。個性を尊重すればこそわが身さらなる高みへと。例としてスポーツ選手は己の血肉に本来宿っているそれぞれの癖、能力がある。それを無理に縛らず自分なりのもであってこそのスポーツだろう。卓球の福原愛選手にしてもあの有名な叫び?により士気も高まっている。その他にも個人のやり方によりなされることは多くある。まさに自分らしさは世という海路を行くための糧となるものだ
 だが、その場に応じた振る舞い、あるべき形というものがあるだろう。いわばそれこそ世を行く奥儀である。 葬儀の場でやけに目立つ華やいだ服をまとい、あからさまに大きなあくびをする。人々が哀しさの中に浸り憂いている場においてこんなことをしてしまったらどうであろうか。無理が通れば道理引っ込むといったものとなってしまうわけにもいかないだろう。人はその場であるべき形であらねばならないのだ。
 龍は水につかるとたちまち勢いを持ちその目は烈火のごとく、その身は大海のごとく輝くそうだ。竜笛という龍を真に輝かせるには自分らしさ格式たる作法。どちらも必要だろう。なんにせよその時そのときで今自分を出すべきかそうでないべきか考えてくべきである。

   講評   koni


【複数の意見・構成図】 対比する意見を2つ挙げることができました。

【昔話の実例・長文実例】 「礼節や作法は一種の束縛だ。」という文を入れたところがとてもいい。個性という言葉は、抽象的すぎて端的に説明するのが難しいんだけれど、スポーツ選手の例を挙げてわかりやすく説明できたましたね。
 もう1つの実例もよく説明できています。特に冠婚葬祭では、常識がないと恥をかくことがあるね。心がこもっていればよいのだろうけど、非常識と言われることを一つ一つ意味まで考えてみると、やはり非常識と言われるのは仕方ないようなことがほとんどだし、昔からの伝統も受け継いでいくという点からもその場に応じた振る舞いは大事なんだろうね。

【名言の引用】 第一段落で竜笛にまるわる話を書いたところがすばらしい。作文全体を深く内容の濃いものにしています。

【総合化の主題】 自分の意見を主張することができましたね。その場で何を求められているのかということと自分はどうしたいのかということのバランスがうまく保てるとよいのでしょうね。

★1.3週で再送信してくれたのね。12.3週の作文は、上書き保存されてしまっているようです。もし、家のパソコンにデーターが残っていれば、12.3週も再度送信して、12.3週の課題の作文に上書き保存してくださいね。(もし、残っていなければ、そのままでも問題はありません。)

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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