低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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思いやり かはふ
一流ホテルの、いかにも「一流でござい」というロビーに、たいていこうした男女の一群がたむろしているのは、そうでないとどうしていいか分からない客がいると考えホテル側があらかじめそれ専門の「仕出し屋」に頼んで用意しておく場合が多いからである。ホテルのロビーでは「ボーイに向こうからやってこさせる」のでなければいけない。それが一流ホテルのロビーを利用する、一流客のやり方なのだ。ホテルのロビーにいる「どうしようもない田舎者」と、「これこそが都会人」と思えるものは、双方ともホテル側の「雇われ」なのだ。その間をキョロキョロしながらうろつきそれぞれから何事かを学ぼうとしているのが、本来の客ということになる。
確かに、自分らしさは大切だ。僕は余程のことがない限り、基本的にジャージで出かけることが多い。スポーツをやっているせいか、どうもジャージになじみがある。ある学校の卒業アルバムは個人の写真の部分を、自分らしい服装で撮ってよいということがあるのだ。やはり自分らしさというのは大切だと思う。
しかし、その場に応じた振る舞いも大切だ。先ほど基本的にジャージと言ったが、さすがに、卒業式にジャージはあり得ないだろう。昔話でもし、「シンデレラ」が、もし汚い恰好のままお城に行っても、まず舞踏会には入れてもらえなかっただろう。
確かに、自分らしさも、その場に応じた振る舞いも、どちらもそれなりに大切だ。しかし、共通して言えることは、そこの周囲の人に対する思いやりがあるかどうかということになる。「家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである」という言葉がある。中に住んでいる人にとって一番居心地のよい状態が大事なのである。
講評 kirara
ホテルの客を演じている人々のように、本当の自分でないものを演じ続けていると、疲れてきそうですね・・・。
<<こうせい>><<だいざい>>二つの意見と実例がとてもわかりやすく書けています。運動部男子はやはりジャージですか(笑)。西武ライオンズのスーパールーキー菊池君も、買い物に行くのにジャージしかなくて実家から送ってもらったと言っていました。(これも実例になりますね。)シンデレラの話も効果的に使えました。
<<ひょうげん>>人間も家も、外見と中身がしっくりと合っていることが大切ですね。
<<しゅだい>>自分の振る舞いが、周りの人にどのような影響を与えているかを考える必要がある、ということですね。「周囲の人に対する思いやり」という言葉が、突然出てきたような印象を与えてしまうので、説明を加えるといいですよ。
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