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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   装いと振る舞い   ハーマイオニー

 一流ホテルの、いかにも「一流でござい」というロビーにいる「どうしようもない田舎者」と、「これこそが都会人」と思えるものは、双方ともホテル側の「雇われ」なのだ。こうした男女の一群がたむろしているのは、そうでないとどうしていいかわからない客がいると考え、ホテル側があらかじめそれ専門の「仕出し屋」に頼んで用意しておくからである。当然、経費もかかるが、ロビーを利用する客にランクの最上位にある「待ちあわせ場所」としてふさわしい体験をしてもらうことはホテル側としても望ましいことであるし、これには教育効果もある。つまり、その間でキョロキョロしながらうろつきそれぞれから何ごとかを学ぼうとしているのが、本来の客ということになる。
 確かに、一流ホテルのロビーとは「ランクの最上位にある待ち合わせ場所」であろう。誰でも、足を踏み入れることが出来る場所でありながら、近寄りがたい場所でもある。そのようなフォーマルな場所でそれなりの服装をし、ふさわしい態度をとれることは大切であると言える。ホテルのロビーでなくても、中学生の私なりに改まった場での装い、振る舞い、というものはあると思う。例えば私は、クラシックバレエの舞台を、観ることがよくある。自分の気分を盛り上げるためにも、ある程度ドレスアップする必要がある。とは言っても日本では、イブニングドレスを着てバレエ鑑賞などということはない。「過ぎたるは及ばざるがごとし」。やりすぎてしまってはやはりその場にふさわしいとは言えない。その微妙なドレスコードを的確に判断できてこそ、「洗練された都会人」と言えるのかもしれない。 
 しかし、常に緊張していてそのようなことばかり考えていてもつまらない。どんな場であれ、自分の個性を出すこともまた大切である。同じパフォーマンス系エンターテイメトでもアイドルコンサートとなると、観客の服装もグッとカジュアルになる。普段着というわけではなく、それぞれにオシャレを楽しんでいるのだが、「一流」や「高級」という世界ではない。流行あり、個性ありで、また別の意味の華やかさがある。私も、ジャニーズカウントダウンコンサートに行ったときは、あくまでもカジュアルながら、派手な色遣いのものを着こんで、密かに目立とうとした(笑)。
 『シンデレラ』は、魔法使いのおばあさんが用意してくれた世にも美しいドレスで、舞踏会に向かった。もちろんシンデレラ自身が、美しく、素晴らしい娘だったに違いないが、もしふさわしい装いが出来なかったとしたら、舞踏会に参加することも出来なかっただろう。だが、王子は一度シンデレラの中身の美しさに触れ、愛してからは、もうみすぼらしい服にとらわれることなく、愛した女性を見つけ出した。(昔話)「持ち物を気にするのは、実力に自信がない証拠である」という名言がある。大事なことは、その装いや振る舞いに自信と責任を持ち、相手や周囲の人間との関係性の中で、思いやりや心配りのある言動になっているかどうかではないか。(総合化) 

   講評   nara

 別役実氏の著作は、文庫や新書でも手に入るから、ぜひ読んでみてね。こんなことは常識的にナイダロウと思っていても、その常識を斜めから見てまじめ(なふりをして)論じているという感じかな。「そうもとれるか!」とおもしろがれると、この人のファンになると思うよ。
【構成】第一意見:これを読んで、あるクラッシックコンサートでドレスアップした人が結構いた一方で、かなりカジュアルな服装の人もいた……そんな微妙な空気のホールクロークを思い出したよ。どちらがふさわしかったのかは、難しいところ。しかし、そのコンサートが特別なものであり、特別な場に出かけるということを楽しむには、まずは形から特別ないでたちにするところから始まるのかもね。かといって、ソリストのようなドレスだと作文にあるように「過ぎたるは……」だ。「洗練された都会人」の捉え方は、筆者の意見をよく理解しているね。第二意見:第一意見はフォーマルな中に個性を出すと考えると、第二意見は個性を発揮しつつもジャニーズカウントダウンを一緒に楽しむ同志的な共感もありそうだなぁ。二つの意見は相対するようで、場を読むという意味では根っこはつながっているのかもね。
【表現・主題】シンデレラの話はきれいに入れられた。心温まる話としてうまく引用できているね。これが成功しているので、締めの「自信と責任・思い遣りと心配り」が説得力を持った。考えてみれば、一流ホテルだけでなく、さまざまな場が教育的指導を施してくれているということかな(笑)。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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