国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   戦争回避   おむふ

 彼の旅人、松尾芭蕉の奥の細道にこういった詩がある。 夏草や兵どもが夢の跡
松尾芭蕉は柳のごとく日本の名勝から名も知れぬ山奥まで訪れた。白銀の柳のように思い思いに風にそよぎ、うららかな薫り漂わせ。だがそのような平安の路を行く中でも戦・戦争のこととなると芭蕉は哀愁をにじませた詩をつづった。たとえ今夏草の茂る息吹の地であってもどこか物悲しさを感じられてならない。池に浮かぶ蓮のようだ。おぼつかず、沈むか浮くか。どのような太平の世であっても戦争の名残は消え行くことはない。人が人という生物がある以前から生物は熾烈なる戦いをしていた。だが、今日の戦争は自然界の生物の戦いの域をはるかにしのぐものである。第二次世界大戦の死者は5000万人、民間人の犠牲者は3400万人である。また、数が確認できていない被害者、迫害の対象者は100万人をこえるとのこと。 人の世とはもとよりのどかでほんのりとした草原のごときものであったはずだ。土筆(つくし)のごとくつましくあったはずだ。寄り添うこの山菜はひたむきに他者とぶつかることなく育っていた。山水のなかにてわずかに木を切る樵。大魚をねらうことなく己の生のため海路を行った漁人。蛍火のように一つ一つはさほど目立つことない奥ゆかしい人の本来の生き様があるはずだ。華やいではならぬといっているのではない。あるべき姿でいよということだ。しかし戦争の中でそれはない。この戦争をとめることこそ我らの成すべきことなのではなかろうか。では我らがこれよりすべきことはなにか、それを考えていこう。いや、いかなくてはならない。
 その方法の一つとして後世、末裔までに戦争の残忍さ悲惨さを語り継いでいくというものだ。深き反省により二度としてはならぬという教訓を得ることはよくあるものだ。今なお、日本での戦争映画がなくならないのもそこから来ているのかもしれない。映画だけでなく事実にもとづいた小説、ドラマ、アニメ、絵本まで。戦争にまつわるものは数多くある。慰霊碑にしても何故か知らぬが、私の家の隣の公園にあるほどだ。慰霊塔公園とされている。反省が生むものは多大なものだ。 私の中学校のクラスは多少荒れている。仮病を使う者三名、授業中先生に物を投げる輩二名、机を一日一度は投げ飛ばす者四名といった按配(いやはやこれは冗談ではない・・・)。当然喧嘩など日常茶飯事。血潮には絶え間なく緊迫したものがある。いわば小さき戦場。先生ですら生徒にたちうちできないのだ。だがいくら三白眼を目に据えた彼らにせよ礼節や最低限のふまえはあるものだ。先生があるとき私たちの正面を向いて急に黙りこくった。生徒はそのとき神楽となっていた。由緒ある非行の神楽である。先生は依然として黙っていた。5億年ほどたっただろうか。先生はようやく口を開いた。「君らは反省というものをしっているかね」 それから先生は武人となった。巧みでしなやかな武芸をもってする研ぎ澄まされた彼らのように、信じがたいほどの説得力をもって先生は語りかけてきた。さすがの彼らも反省がみにしみたようだ。一週間ほどおそろしく静まった。反省はやはり改善方法としては良いものだ。
 だが戦争の発生原因を研究し戦争をとめる対策をするのも大いなる戦争解決につながるはずだ。慰霊碑の前で祈りをささげるのも良いが、その間にさらなる死者を出さないために工夫していくほうが多くのものを生むはずである。実質的な効果をもたらす点からしても実際に行動を起こすのが良かろう。世界の国々にしても、一部では他国と絶対的に戦争しないという条例を締結といったことも行われ、オバマ大統領はこのところで「核なき世界」にむけた国際社会への働きかけをしている。ロシアとの協力による双方の弾道ミサイルの撤去、長崎広島に対する原爆投下の責任の言及などをしている。これらは大いなる効果を生み平和への道となるだろう。
 よくよく考えてみると戦争を後世まで語り継ぐというのは戦争回避の対策と直接的につながるのではなかろうか。当然戦争回避の目に見える行動は対策である。だが、反省というのも人々が戦争回避を願うようになるということからして対策の一環なのではなかろうか。なんにせよ今回のように戦争回避の方法を模索し実行していくのが我々の何よりの使命であろう。

   講評   koni


 清書と読解問題ができました。

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