対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   初詣   森チュウ

「えー初詣—。やだよー。家でグータラした方がいい。だいたい、行ってもキャッチボールもしてくれない。」
ぼくにとって初詣とは、あまり良い物ではない。父や母は運動相手にちっともならない。
「ぜんざいあげるからー。」
そんな挑発にのるもんか。そんなぼくの気持ちを察したように、父は、
「もうこんなんにのらない年になっちゃったなぁ。」
「分かったよ。かけっこしてくれるなら行く。」
結局ぼくが折れてしまった。
 行ったのは、長岡天満宮という京都の天神さんである。予想通り。一月二日であるのにもかかわらず、お参りに来た人の大行列だ。境内どころか、石段の下の駐車場まで行列は続いている。それなのに、父は列の一番後ろに平然と並ぶ。冗談じゃない。なんでこんな長い列に並ばなきゃならないんだ。そう言いたかったが、五年生なのにさすがにそんな事を言うのははずかしい。しぶしぶ列にならんだが、列が進むのは、まるでかたつむりか亀のようにのろい。おーい前の人、おがむ時間長すぎだー、とさけんでやりたかった。ぼくは、ひまつぶしに石段をけとばしたり、雑草を引きちぎったりした。やっと境内の鳥居が見えてきた。そして本堂が見えた時、ぼくは「あれっ。」と思った。鳥居から本堂が、意外と近かったからである。数年前までは、もっと遠かったのに。
 「えー初詣—。お参り行っても良いこと無いじゃん。」
という一言は、去年も言った。一寸の虫にも五分の魂と言うのに、父と母は、そのぼくの考えを無視して、強引に初詣に連れて行ったのだった。
 やっとのことでおさい銭を入れて拝むと、おみくじを引いた。末吉。まあまあ普通だ、と思って内容を読んでみると・・・・・・。
最悪だ、凶と言っていいほどだ。願望、叶わず。学業、考えが定まっておらず、当分苦労するであろう。病気、長引く。などという感じだ。たいてい、こんなのは当たらないのだが、やっぱりくやしくなって、結びつける時、力が入って紙が破れてしまった。そして、絵馬を書いてぜんざいを食べに行った。今年はなんとなく例年に比べておいしかった。
 「ぼちぼち行こか。」と言う父の声で店を出て、ゆっくり家に向かって歩き始めた。年の始めに一つ分かった。こうしてぼくは作文を書いている。かぜも引いていない。おみくじなんか当たらないんだ。ただの気分転かんのための紙きれなんだ。
 あれほどいやだった初詣も、また来年。ふとふり返ると、本堂は、もうぼくの背中の中に入るような大きさになっていた。

   講評   sango

 作文も暗唱もがんばりました。
        

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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