創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   思いやりでいい空気   うさちゃん

 一流ホテルのロビーに、たいていこうした男女の一群がたむろしているのは、そうでないとどうしていいのかわからない客がいると考え、ホテル側からあらかじめそれ専門の「仕出し屋」に頼んで用意しておく場合が多いからである。つまり、彼等があまりにも傍若無人な振る舞いに及ぶと、ボーイが近づいて行って「周囲のお客様が迷惑致しますから。」と、それとなく注意をするのをみかけるであろう。あれは、そうすることによって。「周囲の客」の方が、「ははあ、ホテルのロビーであんなことをしてはいけないんだな」と学ぶことを、期待しているのである。
 確かに、自分らしさは大切だ。この間、私は新しいペンケースを買って学校に持っていった。自分では気に入っていたのだが、周りからの評判はあまり良くなかった。「前のほうが良かったんじゃないの?」とか、「なんか似合わないよ。」と言われてしまって、正直ショックではあったが「十人十色」ということわざもあるように、ひとそれぞれ感じ方は違うわけで、私はこれが気に入ったのだからそれでいいのだ。と開き直ってみた。美術の作品で、「理想の自分の部屋。」という作品を作っている最中であるが、家具がすべて浮いている部屋。とか、植物で囲まれた部屋、天空をイメージした部屋。など、それぞれである。皆がそろって同じ作品を作っていることなんてないし、そんなことがあったら今、現在にある様々な芸術作品なんて存在しないであろう。
 しかし、その場に応じた振る舞いも必要だ。例えばこの間の学校の授業で、コーチングというものをやった。コーチングとは、相手のもっている素質を最大限に引き出すこと。つまり、コーチのような役割のことをいうそうである。授業では本当にその基本のようなことしかやっていないのだが、そのやり方は、私たち二年生が広場に集まり、その中で、まだ一度も話したことのない人とペアを組み、それぞれ席につく。先生が「最近楽しかったこと。」とか、「最近恥ずかしかったこと。」などの簡単なお題をだしてくれるので、それについて二人で少しの間語り合う。その時にどれだけ相手の話を自分が盛り上げられるかを自分に試してみるのである。そこで、いきなり自分らしさを発揮して一人で暴走してしまうと、相手もどう反応して良いのか分からなくなってしまうので、相手のペースになじむことが大切である。その後での先生の話によると、「皆とてもいい顔をしていて、とても楽しそうだった。」と言っていたので、このプログラムは成功だったといえるであろう。
 確かに、自分らしさも、その場に応じた振る舞いも、どちらもそれなりに大切だ。しかし、共通して言えることは、そこに周囲の人の思いやりがあるかどうかということである。『家とは、外から見るためのものではなく中で住むためのものである』という名言もあるように、中に住んでいる人にとって一番心地よい状態が大切なのである。

   講評   tama

 人間は、一人一人が違っていて当たり前ですから、個性を尊重することはよいことです。持ち物や服装なら、周りの人と似たようなものでも構わないかもしれませんが、何もかもお揃いにする必要は全くないのですから、自分の好きなものを、自信を持って身につけていればいいのです。まして芸術の世界は、その人の「頭の中」を表すなのですから、誰かと同じであることのほうがおかしいですよね。美術の授業の例と、うさちゃんの考えは、とても説得力がありました。
 しかし人間が社会でうまく生活をしていくためには、「その場に応じた振る舞い」をしなければならなりません。習慣や規則に合わせること、周囲のペースに合わせることも学んでいくべきですね。

自分にとっても相手にとっても心地よい状態にするにはどうすればよいかを考える。それが「思いやり」です。これがわかれば、自分らしさを大切にしながらその場に応じて振る舞うことは、実はそれほど難しくないのでしょうね。


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