対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
ありがとう六年生 ひろみ
黒板にはネームプレートがぎっしりとはられていた。黒板に名前がある人は、みな六年生を送る会の実行委員のりっこうほ者である。実行委員は大きく三つにわかれている。一つ目は、「グループ」。これはその会でやる遊びを考える役だ。二つ目は、「へき面」。体育館のかべにはる絵を考えたり、そのうちの一部をつくる役である。
四年生の時に、私のクラスでは体育館にはる絵の中でも一、二位を争うくらいよく目立つ「大仏」の絵を作っていた。茶色の画用紙を小さく切ってそれをぺたぺたと、大仏の形になるよう心がけながらはっていた。体育館のまどからもれるあたたかい日光を受けながらかがやいていた。まるで本物の大仏のようだった。へきめんはこのように六年生を送る会ですごく重要な役なのだ。
三つ目は、私がりっこうほした「全体令」だ。これが一番目立つので人気だった。会を進めていくの役なので重責である。
先生はさっきからずっとうでを組んで考えこんでいる。この中から「グループ」を三人、「へき面」四人、「全体令」四人、合計十一人を選ぶのである。いつもにぎやかな教室がどうしたことか今日は静まりかえっていた。これにりっこうほした人はみんな「六年生を送る会で少しでも力になれれば」という強い意志があって、黒板にネームプレートをはりにきたのだと思う。長いちんもくが続いている中、やっと先生が口を切った。
「よし、すいせんにしよう」
投票用紙が配布された。今自分がもっている一票でもしかすると、当選する人が決まるかもしれないと思うと、なんだか重たい物を背負っているみたいだった。そして、ますます実行委員になりたいという気持ちもこみあげてきた。
「コツッ、コツッ」というえんぴつと紙がぶつかりあう音はなかなかきこえてこなかった。みんな誰にしようかとまよっているのだろうか。不安が頭をもたげてくる。
「結果を発表します」少し間があいた。
「グループはAさんと、BさんとCさんです」「へき面はDさんとEさんとFさんとGさんです。」ドクドク、ドクドク、心臓が高鳴る。
「全体令は、HさんとIさんとJさんとひろみさんです」 張りつめていた糸がきれたようだった。今までのきん張が一しゅんにして喜びに変わった。
それから三日後の二十分休みに私達、実行委員は集まって話し合いをした。三人寄ればもんじゅの知えというようにいろんな案が出た。
六年生を送る会の実行委員になったからには6年生に「ありがとう」の気持ちをこめて精一ぱいがんばろうと思う。黒板にぎっしりとならんだネームプレートの重さをしっかり受けとめながら。
講評 hira
重責である全体令になぜ選ばれるのかが、作文を通じても実感できます。しっかりしていて前向きなひろみちゃん、またいろいろながんばりを豊かな表現、静かなユーモア(笑)で読むのを楽しみにしています!
12月の大賞おめでとう!!
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |