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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然を尊重する   メグ

 私は、自然に対して謙虚な気持ちを忘れずに生きていきたい。
 そのための方法としては第一に、自然界のルールを認識し、守ることだ。
 「昔は学校に、今の二倍くらいの自然があったんだよ」
黒板に立っていた先生は、寂しそうに窓の外を眺めた。
 窓の外——先生が眺めているその先には、小さな山がある。この山にはたくさんの花や木、池、そしてその中で生きる様々な生き物達がいるのだ。春になると桜が咲き、夏になると青々とした木々の中で蚊やハチが飛び回る。秋には山一面が赤や黄色に染まり、冬になると茶色の地面に霜柱ができていたりする。この山は、こんな風に学校の中に季節の色を吹き込んでくれているのだ。
 しかし、残念なことに、山から視線を少しずらすと、自然とはまるで正反対のものがある。それは、二年前に建てられたばかりの、冷暖房付きの体育館だ。私は、この体育館と山が隣同士で並んでいるその風景を見ていると妙に悲しくなる時がある。それは、この体育館は、もともとあった山の半分を破壊して創られたものだからである。
 私はこの風景を見て、一つだけ思ったことがある。それは、『食う・食われるの関係』というのは、人間がいることによって邪魔されているのかもしれない、ということだ。『食う・食われるの関係』というのは、自然の中では当たり前のように成り立っている関係であり、むしろそれが成り立たなくなれば、自然界のバランスが崩れてしまう、重要なものなのだ。だが、人間は、この大事な関係を、自分たちの都合で壊してしまうことがある。実際に、学校の山も、体育館を建てるために半分ほど削られ、この関係を乱してしまったのだ。
 学校の山には、今までは二つ池があった。池に住むカエルもたくさんいて、カエルの卵を食べるヘビ、更にヘビを追っかけ回すネコまでいた。しかし、今ではカエルの数が減ってしまい、それによってヘビが消え、ネコもいなくなってしまった。その理由は簡単だ。山の半分を削るときに、池の一つも取り壊してしまったからである。
 自然の中のものの一つを消すと、それに関わる生命が消え、更にそれに関わるものにまで影響を与えてしまう。それはきっと、終わりのないドミノみたいに残酷なことだと思う。だが、人間はそんなドミノをスタートさせてしまったのだ。
 『食う・食われるの関係』を邪魔し、自然を傷つけてしまった人間。人間が自然に対して行った罪を、自然が裁く日は、まだ来ないと思う。だからその日まで、私達はこれ以上ドミノが倒れないように、自然のルールを忠実に守っていかなければならない。
 二つ目の方法としては、教育の一つとして自然に触れ合う機会を設けることだ。
 どこを向いても緑、緑、緑。涼しい風がサワーッと吹き、小鳥が鳴いていたりする。
「うわー。やっぱり朝は気持ちいいなあ」
私は思いきり空気を吸った。
 私の学校では、毎年中学一年生は必ず山荘に行く。中学二年生からは校外活動として自由に行くことができるのだ。因みにこの山荘は学校が所有しているもので、軽井沢にあるのである。
 私は山荘には二回行ったことがあり、山荘生活が好きなのだが、山荘の魅力を一言で言え、と言われても、うまく答えられない気がする。山荘は空気がきれいで、水もおいしく、何より自然にあふれている。だが、これは私の山荘が好きな理由、というわけではないと思う。空気が水がきれいだから好き、というよりは、きれいな空気や水に触れていると、自分が浄化されているような気分になるから好き、といった方が正しい気もする。自然にあふれているから好き、なのではなく、自然の中にいると、何となく優しい気持ちになれるから好き、なのかもしれない。
 自然が人間に与えてくれるものはとても大きいと思う。私はそれを、山荘生活の中で感じた。多分、実際に自然と触れ合ってみないと、わからなかったことだと思う。現代は、自然に触れ合う機会が少なく、自然に関心のない人も少なくないと思う。だからこそ、学校では机の上の勉強をさせるだけでなく、自然との触れ合いを大切にしていってほしい。
 確かに、人間が自然を管理することで、自然は守られている、という面もある。しかし、『寒さにふるえた者ほど、太陽の暖かさを感じる』という言葉もあるように、私は自然を尊重することで、自然のありがたみを感じていきたい。

   講評   itoyu

 よくできています。得点も過去最高ですね!
                          
                         

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