国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然   ゼウス

 私の家は自動車がやっと通れるぐらいの路地に面している。都内ではめずらしくほそうされていず、道ばたには草が生えていた。だが数年たって路地全体に異変が起きた。下水道工事が始まって地面がほりかえされ、車の震動で下水管がこわれぬようにしっかりとほそうされてしまったのだ。ネコジャラシにスギナ、スミレもタチイヌノフグリもそれ以来路地から姿を消してしまった。町中の雑草に対する人間の態度は時と場所によってさまざまである。ハイキングに行けば「緑がいっぱいで気持ちいいわねぇ」と喜ぶ人も、自分の庭に出てきた雑草は血眼で引き抜いてしまう。「雑草のようにたくましい」「雑草のように生命力が強い」という表現がほめ言葉としてよく使われる。でも、「雑草みたいにかわいいね」とは絶対に使われない(要約)。
 ぼくは、富士山に三年生の時から六年生まで、四年連続登っている(前の話)。富士山にはいろんな登山道があるけれど、全ての登山道にいっぱい緑があった。その緑はまるで宇宙のように無限にあるかに思えた(たとえ)。初めて登った富士山にはいろんな高山植物や緑があって、ぼくはそれに感動して、その年の自由研究は「これで決まりだ」と思った。けれど富士山の花などの緑はむしって持って帰ったりしてはいけないので、父のデジタルカメラで写真をたくさんとった。自分の中で一番印象に残っている花はオンタデという花だ。
ぼくはふと近くにあった草を指でさして、
「これは雑草?何ていう名前?」
と母に聞いてみた。
「シダという植物だよ」
と教えてくれた。
後になって、家の庭にもシダが生えているのをたまたま見つけた。それを母が取ってしまおうとしていたから、ぼくは大きな声で母に向かって、
「むしっちゃだめ!」
と言った。すると、
「これは雑草だからいいのよ」
と母は笑いながら言った。思わず、ぼくは、
「貴重な緑ですので、むしったりしないでくださいと富士山に看板があったじゃん!」と言ったが、母は
「あれは富士山だからよ」と言って、むしろうとした。ぼくは
「何で富士山だけ特別あつかいなの?庭で雑草を抜いていいなら、富士山でも抜いていいじゃん」と言い返した。
すると、母はシダをむしるのをやめてくれた。その後何年の時だったか忘れてしまったが、植物は光合成をするということを習って、ぼくは雑草もいいことをしているじゃないかと思った。
 小学校でも草むしりをすることがある。雑草は全部雑草なのに、みんなはきれいな花がさいている草はむしらずにそのままにして残しておいている。ぼくは少し腹が立った。花がさいているやつの中にも雑草だってあるのに、花があるのだけ残しておくなら、全部残しておけばいいのにと思った。そう思ってからは、あまり雑草を抜かずに友達と遊んでいた。
 人間にとって自然とは、人間の命を保たせてくれているものだ(一般化の主題)。なぜなら植物が光合成そするから酸素がなくならないんだし、人間が食べている食べ物は元をたどっていくと植物にいきつくからである。

   講評   taimu

 こんにちは。ここ最近、毎回1000字以上の字数をキープできているね。とくに感想文は字数がのびにくいのですが、ゼウスくんは出来事・説明・感想をもりこみながら実例をふくらませて書く力がある。すばらしいことですね。

<構成>長文の内容をよく消化できているね。全体の字数に対してバランスもよい要約です。

<表現>登山道には緑がどこまでも広がっていたのですね。そんな光景を「まるで宇宙のように無限にあるかのように思えた」のですね。空間を感じさせるいいたとえだね。

<題材>富士山に登っていると、高山植物なのか雑草なのか区別が難しいくらい、とにかくたくさんの植物を目にしますね。富士山に生えていたシダがゼウスくんのお庭にもはえていて、それを抜こうとしたお母さんとのやりとりがおもしろい(笑)。同じ雑草でも時と場所によって人間の態度は様々である、という長文の内容にぴったりとあてはまる良い実例です。しかし、ゼウス君の目が光っていると草抜きができないだなんて……お母さん、困ってるだろうなぁ(笑)。

<主題>人間と自然の関係について考えた大きなまとめができました。植物の役割を分析しており、意見に説得力がある。では私たちは今後どうすべきかな。「やはり野におけ蓮華草」あたりのことわざを使って<未来への話>を書いてみると、さらに深みのあるゼウス君の意見になる。

●なくならないんだし→なくならないのだし

            


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