国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   感情を出すこと   いへゆ

言語以外の表現方法は、「しぐさ」だ。これは社会生活の大きな役割をしている。言語には現わせないことを承認する方式みたいなものだ。泣くことは言葉の表現に取替えられるものでも無い。言葉では精確に心の内を映し出せぬ故に、泣くという方式を採用するのだ。現代は昔よりも老若男女を通じて総体に泣声の少なくなってきた。泣くことが人間交通の必要な一つの働きであることを認めずに、ただひたすらにこれを嫌い憎み、または賎しみ嘲る傾向ばかり強くなっているのだ。
私は今の日本は言葉にたよりすぎて、感情表現が少なくなっているのは問題だと思う。
なぜ、感情を表に出さなくなったのだろう。
その原因として第一に、日本人の性格のせいだと思う。日本人は出来るだけ周りに溶け込もうとする習慣がある。自分一人だけ目立たないように、自分の感情を出す前に周りを見てから行動することが多い。私はニュージーランドの人たちが自分の感情をすぐはっきり相手に伝えていることに驚いた。怒るときはすごい勢いで怒ってくるし、うれしいときは周りも巻き込んで一緒に喜ぶ。日本人の考え方からしたら、そういう人は周りに引かれてしまうけど、ニュージーランドではみんながそんな感じだ。また、日本人は必要以上に感情を表に出さなくても、相手が気づいてくれる。すごく空気を読むのが上手だ。だから他の国の人ほど感情を出しかたが小さいのだと思う。
その原因として第二に、人と直接関わる機会が少なくなってきているからだと思う。今は、ほとんどの人が携帯電話やパソコンでメールをすることが出来る。メールだと自分たちの都合のいい時間に返事をすることができる。それに話を勝手に中断したり、終わらせたりすることが出来る。すごく便利だ。でも、それに慣れてしまうと、本当は相手と顔を合わせてしなくちゃいけないこともメールで済ませてしまうことがある。たとえばケンカなんかがそうだ。一番、感情を表に出す場面なのに、メールだと怒っている感情を出したくても相手がいないから、画面に向けるしかない。でも、ひとりでケータイに怒っているのは周りから見たら変だし、ひとりでしゃべっているのも恥ずかしいから、感情を押し殺してしまう。そうやって、どんどん感情を表にだす機会を減らしていしまってるのだと思う。人間の目も新しいものだどんどん増えていくにしたがって衰えていった。大昔は狩をして生活していたから視力はすごくよかったはずだ。マライ族は300メートルも先が見えるという話も聞いたことがある。しかし、時代がどんどん変化していくとともに、便利になり狩をする必要もなくなり、そのぶん視力が落ちていったのだ。このように、使われなくなるものはどんどん衰えていってしまう。
たしかに、感情を表にださずに、理論的にものごとを進めるのも時には必要だ。裁判所などは、人の善悪を判断するところだから、「犯人が余りにもかわいそうだから。」という同情で罪のおもさを決めるわけにはいかない。しかし、「ストレスが溜まるのは、自分の感情を外にださずに、おしころしているせいだ。」。やはり、私は人とのコミュニケーションをとる時に、自分の感情をだすことが少なくなっているのは問題だと思う。

   講評   huzi

 力作です。1300字、充実した内容に仕上げることができました。外に出せない感情は心の内側に層となって重なり、その人自身の重荷となってしまうと聞いたことがあります。泣いたり怒ったりは負の感情表現のように思われがちですが、もっと泣き怒りしたほうがいいのかもしれませんね。
 ★外国に出ると、感情表現の違いを肌で感じるでしょう。「みんながそんな感じ」だから、率直な表現も違和感なく行えるのでしょうね。同じことを日本で行うとなると…やはり抵抗感があるはずですね。
 ★新しい機器が、感情表現の危機を招く。この指摘も鋭いです。テクノストレスという言葉があります。パソコンなど、技術の進歩に人間の能力がついていく難しさを指すのですが、生の感情表現の機会が少なくなると、人間の大切な能力「感性」も奪っていくことになるかもしれませんね。
 △マライ族→マサイ族、かな。【自然科学実例】は、知識が少ない場合は、さらりと流す程度が無難。
 ★【自作名言】、もうひとひねりしてみよう。「ストレスは、外側からくるのではない。内側から生まれるものだ」など、いかがかな?

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