創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   中身と外見   ゼウス

 ヨーロッパにおけるリンゴの栽培は「創世記」までさかのぼり、四千年を超える歴史をもっています。なえ木を導入して明治から始まった日本のそれは、ようやく百年を越えたばかりだ。日本では、いろいろな果物を紙袋で覆って育てる。果実の葉緑素の形成を抑え、袋をはずした後の果実を鮮やかに着色させるためである。その代わり、糖度は下がり、味は確実に落ちる。一体この日本特有の現象はだれが悪いのだろうか。美しくなければ買わない消費者が悪い、外観重視で値段をたたく流通機構に問題がある、まずくなるのを承知でやっている生産者が悪い…意見はさまざまだが、はっきりしているのは、この奇妙な日本人の美意識には、いささかの軌道修正の必要があることだ(要約)。
 ぼくはいつもこう思う。包装紙って、いらないんじゃないかな。物を包んだりするのに紙などを使うのって、ただの無だ使いじゃないかな。ぼくがいつもこういうふうに思うのは、物を紙で包んで、それをまた開けて物を取り出すのがめんどうだからだ。どうせまた開くのだったら、最初から包なければいいと思うからだ。クリスマスや誕生日にもらうプレゼントがそうだ。サプライズのように中が見えないから、包みを開ける時のわくわくすることやドキドキすることがおもしろいという人も大勢いるかもしれないが、それは、人から目をつぶってプレゼントをもらい、目を開けて喜んだりすれば同じようなものじゃないかとぼくは思う。つまり、包んである時に中が見えなくてわくわくするのと同じように、目をつぶっていれば、何を持っているのかわからないので、これもまたドキドキすると思うからだ。例えば、ぼくが通っているミニバスケットボールの少年団では、クリスマスにプレゼント交かんがあって、そこではプレゼントを包まなければならない。ぼくはいつも包むのに時間がかかり、時々めんどうくさいなと思う。もう一方で、自分が住んでいる自治会の子ども会では、クリスマス会でビンゴをして、ビンゴになった人から順にみんなが持って来たプレゼントを選べるという、プレゼント交かんである。その時は、包装紙でプレゼントを包まなくてもよかったから、ぼくはうれしかった。二つのプレゼント交かんをしてみて、ぼくはこう思った。プレゼント交かんはプレゼントを包まなくても、絶対にできなくなることはないということだ。
 母に、お中元などで中身より外見がすごく目立ってしまって、ちょっとはずかしいと思ったことはないかと質問してみた。すると、
「大人は中身が同じでも、きれいに包装してくれるお店の方がいいのよ」
と言っていた(聞いた話)。ぼくは、包装などどうでもいいと思っていたが、母は包装はきれいな方がいいと言ったので、子どもと大人はやっぱり物の考え方が違うのかなぁとふと思った。
 人間にとって、中身と外見とは、子どもは中身がきれいなら別に外見などはどんな風でもいいと思い、大人は中身が同じでも外見がいい方を選ぶということだ(一般化の主題)。

   講評   taimu

 ゼウス君こんにちは。ふたつのプレゼント交換の体験をもとに、包装紙の存在価値を考えたのはおもしろいね。包装することによって中身が見えないからわくわくするという意見に理解を示す一方、目をつぶってもらえば同じことだと考えているゼウス君の発想は新鮮だなぁ。

<構成>筆者の主張したいことをおさえた上手な要約です。307字という字数も、ちょうど良いね。一文目は常体にしておこう。

<題材>お母さんから「中身と外見」についてお話をきかせてもらえたのですね。状況によっては外見にも気をくばりたいこともあるものです。たとえば受験や就職の面接で、いくらその人の人間性(中身)がよくても、見た目の印象(外見)がよくなければ、おそらく良い結果にはなりませんね。「きれいに包装してくれるお店の方がいいのよ」とおっしゃるお母さんの意見がもう少し書けそうだね(^^)。

<表現>中身がみえないプレゼントというものは、「サプライズのように」わくわくしてくるものですね。「まるで〜のよう」というキーワードを使うと、たとえがつかいやすくなります。

<主題>ゼウス君自身の体験と、お母さんの考えをもとに長文全体の感想をのべることができました。子どもイコール中身重視、大人イコール外見重視という考え方はやや強引かな(^^)。お母さんのお話から外見も判断材料の一つとなることがわかるよね。来学期に練習していく項目ですが「たしかに外見も大事だが……(でも、ぼくはやはり中身が重視されるべきであると思う)」という方向で、まとめることもできそうだ。

●無だ使い→無だ遣い

難しい長文が続いていますが、今月の課題もじっくり考えてとりくむことができましたね。

        

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