総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。 ＡＩ時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。 ▶ 創造発表クラスのご案内

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　　　緊張とは　　　ゼウス

「ガコン、ガコン。ドクンドクン、ドクンドクン。」
あぁ、あともう少しで…。ぼくの心臓がまるで早がねのように鳴っている。
　ぼくは今ディズニーシーに来ている。前回来たのは四年前だ。その前にもここに足を運んだが、それも四年前だ。ぼくの家族はどうもオリンピックやサッカーのワールドカップ、うるう年のように四年ごとにディズニーリゾートへ来るようだ。ぼく達は、最初に父が走ってレイジングスピリッツのファストパスを取りに行った。父の話では、あと二時間後まではファストパスは取れないということだった。ぼくは心の中で「けちくさいな」と思った。ファストパスは、指定された時間帯に乗り物に乗りに行けば、並んでいる列の途中までみんなより早く進むことができる便利な券である。レイジングスピリッツに乗る指定の時間まで、少し時間があったので、飲み物を買ってから乗りに行った。レイジングスピリッツは途中で二回転するジェットコースターだ。ぼくはわくわくしながら順番を待って並んでいた。すると二回転しているあたりから「キャー」「ウォー」と叫んでいる声や興奮している声がいっぱい聞こえて来た。叫び声を何度も何度も聞いているうちに、ぼくの心に二つの思いがよぎった。一つは恐怖で、二回転する時に遠心力が弱くて、荷物などが真っ逆さまに落ちないだろうかということだった。二つ目は緊張だった。そして、とうとう自分の乗る番になった。
「ガコンガコン。カチャ。」
「はい。次の人、どうぞ。」
ぼくは呼ばれて、体がまるでロボットのようにカチンコチンになったのがわかった。定員まですべて乗りこみ、出発。コースターはゆっくりと動き始めた。並んでいる時に見ていて、最初の方は上り坂だと分かっていたので、まだ安心していた。坂をどんどん上がっていって、
「ゴー。ビュー。ビュー。」
耳の横で風がビュービューうなり始めた。
「うわっ。」
突然、前に霧のようなものが流れた。そこをぬけたら、前方はレールが回っているところだ。ぼくは自分の荷物が落ちてしまう！と思って、荷物を足でぎゅっとはさんだ。
「グルングルン」
ぼくの目には、逆さまになっているいろんな物が見えて、気持ちが悪くなった。でも、コースターを降りるころには、暑い日だったので風が気持ちよかったと思った。もう一回乗りたい！とも思った。
「ダンダン、スパッ。」
ふぅ危なかった。ぼくは以前にも緊張したことがある。学校でバスケットボールクラブに入っていて、そこでみんなの前でフリースローの手本を見せたのだ。ぼくは、ミニバスケットボール少年団に通っているから、もしはずしたら、同じチームの監督、コーチ、仲間にはじをかかせてしまうと思った。だからその一本はすごく緊張した。もう一回その場面を再現すると、
「ダンダンダダン。ドクンドクン、ドクンドクン。ビュッ、スパッ。」
ぼくの心はドリブルをついている時にどんどん高まっていき、シュートを打った時に最高潮になった。入った時にはすごくうれしいとともにほっとした。なぜなら、みんなにはじをかかせたくなかったし、プライドもあったからだ。
　人間にとって、緊張するということは、良い面もあり悪い面もある。なぜなら、例えばフリースローの時に、いつも以上に集中力が高くなるのは良い面であり、逆に力が入りすぎて外してしまうのは悪い面が出たからだ。
「ガコンガコン。ビュー。グルングルン。」
ぼくは二回目のレイジングスピリッツに乗っていた。今度は全然怖くなかったし、荷物が落ちる心配もしなかった。逆に一回目よりもすごく楽しめた。

　　　講評　　　taimu

　ゼウス君、こんにちは。緊張の良い面と悪い面を具体的に述べることで、筋道のとおった主題になりましたね。

次回は、進級試験の課題の説明です。「がんばったこと」「料理をつくったこと」のうち、実例としてつかえそうなエピソードを考えてみてくださいね。