創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人の自己主張   いへゆ

明治以降社会という欧米でつくられた言葉を使うようになった。欧米の社会という言葉は、本来個人がつくる社会を意味しており、個人が前提であった。しかし日本の個人は、人間関係の世界である限りでかなり曖昧な世間との関係の中で自己を形成している。日本の個人は、欧米人からみると、曖昧な存在としてみえる。ここに絶対的な神との関係の中で自己を形成することからはじまった欧米の個人との違いがある。
日本人は個人を主張せず、周りに流されてばかりいることが問題だと思う。
なぜ、あまり自己主張をしないのだろうか。
その原因として第一に、日本人はもともと農耕民族だったからだ。よく日本は農耕民族、欧米は狩猟民族といわれる。農耕民族はひとつの場所に留まって作物をつくり、狩猟民族は移動しながら狩りをする。だから、農耕民族は狩猟民族よりも村の中の交わりを大切にするので協調性がある。私はニュージーランドの学校にきて、クラスのまとまりの無さに驚いた。こっちでは、一日中同じクラスにいることはない。教科がかわるごとに教室を移動しなければならないし、一人ひとり取っている教科が違うので同じ人が毎時間集まることは無い。日本みたいにクラス内での絆はうまれない。だから逆に、一日一時間だけの付き合いだから周りを気にせず、自己主張ができるのかもしれない。しかし、日本では、一日中同じクラスなので周りとの関係にもっと慎重にならなければいけない。自己主張は浮く原因になってしまう。できるだけ、周囲に溶け込むようにするには、周りに流されるのが一番なのだ。このように、日本は団体行動する機会が多いから、周りとの協調性がありすぎるのかもしれない。
その原因として第二に、日本は昔、あまり外国との関わりがなかったからだ。日本は島国なので、周りに他の国がない。それに江戸時代には鎖国をしていた。だから、外国との関わりがあまりなく、外からの情報や習慣が入ってきにくかったのだと思う。そのため、外国の文化に影響されずに日本独自の周りとの協調性を大切にする文化ができあがってしまったのだ。キウイもニュージーランドという平和な島国にいるために、飛ぶという習慣がなくなり、羽がなくなった。もし、ヘビのように地面をかけまわっている天敵が外国から入ってきていたら、キウイも空を飛んでいたかもしれない。(ニュージーランドにヘビはいません。)しかし、地上に天敵がいなかったため、飛ばない鳥という珍しい動物がうまれたのだ。このように、外との交わりがないために独自の文化ができあがってしまったのだ。
たしかに、日本はその協調性のおかげで安定した社会を築いてきた。みんなが周りとの関係を大切するから、近所同士のトラブルは少ないし、学校のクラスのチームワークもすごくある。しかし、「文化は独自のものを深く追求していくよりも、新しいものを取り入れたほうが発展する。」。やはり、これからの国際社会ではもっと自己主張して日本人の存在を示していくべきだと思う。

   講評   huzi

日本人は「個人」が確立していないため、社会の中で「個」を主張することに抵抗を感じてしまう。その結果、周囲に流されてしまいがちになる。
  【問題】の設定、わかりやすく明確ですね。これでいいです。
  【原因】の一、「農耕民族であるから」という視点もOKです。一斉に共同作業をすることで、生活を維持してきた歴史が、日本人の精神風土に影響しているいえそうですね。
 NZは農業国として知られていますが、牧畜(狩猟)は「個」で行うものである…と説明した点も興味深いです。現代の話は、よく観察できているね。
 また、島国であることがさらに、日本人の特質に磨きをかけたのですね。NZも島国ですが、本来、移民の国で外国との交流があったので、「個」が確立している欧米の気風が培われたというわけか。
  【自然科学実例】は、ユーモアがあって楽しいですね。そうか、NZにはヘビがいないのか。これは初めて知りました。
 結びは、破綻のない流れ。【自作名言】も、納得できる内容です。表現を工夫すればさらにインパクトを与えられそうですね。

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