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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   客観的目線(清書)   PINK

 ある書物が良い書物であるかどうかは、そこに読み手が作った世界があるかどうかで判断できる。私は少年の頃、喋ることで自己を他者に伝えることが出来ない感じに悩まされた。自分の周囲を見渡しても、同類はいないように思われたのに、書物の中にはたくさん同類が見つけられ、本を読むことに病みつきになった。あるとき、自分もまた周囲の人に、自分が周囲に対して感じているのと同じように思われていることに気がついた。私が畏れているのは、自分を自分の外で見るときの自分の凡庸さに映った人であることだけに基づいている。我々は、外から自分を見るようにするべきだ。
 そのための方法として第一に、自分中心に考え、自分目線で物事を捉えるのではなく相手側に視点を置いてみることだ。自分の主観的な考え方に基づいてばかりだと、どうしても自分にとって都合良く捉えてしまいがちになる。相手の立場に立って行動・発言できる想像力を持つようにすれば、自分を客観視することも難しくはなくなるだろう。例えば、模試を受けて満足いく結果が得られなかった時、友人の結果を聞いて『自分が苦手なところがたまたま多く出題されて、他の人がたまたま点数を取れただけだ』と思う(思ってしまいたくなる)のが人間というものだ。しかし、自己を客観視し、正確に判断していかなければ本当の意味での『成果』は生まれないだろう。自分だけが様々な悩みを抱えて生きていて、他の人は悩みも不安も何一つ無く、幸せに満ち溢れた生活を送っているのではなきか、と疑った経験は誰にでもあると思う。自己中心的に世界を見渡すのではなく、自分以外の人間の境遇を理解することが、外からみた自分を実感することに繋がるのだ。
 第二の方法としては、自分だけの狭い世界から飛び出して、積極的に異文化と交流してみることだ。自らの殻に閉じこもってしまえば、その分他者との交流も減り、ますます『自分の世界』を深く追い求めてしまう。歴史的にみれば、勝海舟は子供の頃から幅広い階層の人々と接してきたため、幕府という狭い視野にとらわれることはなかった。自分が住む場所とは異なる文化に触れ、視野を広く持つことを身に付けたのだろう。また、日本の文学界で私小説という分野が非常に発達しているのは、近代以降の文学者の多くが文学という自分の専門分野しかできない人たちによって占められていたからだと言われているそうだ。このように、自分の選んだ世界を掘り下げるだけでなく、別の世界にも目を向けていくことが必要なのである。
 確かに、ある分野を深く追求することも大切だ。しかし、それによって自己満足に陥るようではいけない。自分は自分の中から眺めているだけのものではなく、常に外部から、他人から見られている他人なのだ。(自作名言)第三者的に見た自分を想像し、理解することを心がけていかなければならない。私は、自己満足で終わらないような生き方が出来るように、常に客観的目線をもち続けて、外から見た自分をイメージしながら生きていきたい。

   講評   kira

 PINKさん、こんにちは。3月1日は進級テストに挑戦です。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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