国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日1990 今日1851 合計47540
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   教育という料理   カエル

「では、今日は紫式部について学習しましょう。」この人物を知ることが自らの人生に何の影響をもたらすのか私には想像ができない。確かに、小学校や中学校の勉強というのは生活に必要になることがある。しかし、言ったって小学校4年生まで行けば日常生活に支障をきたすことはないのだ。では、なぜ私達は遊ぶことを忘れ、寝食を削ってまで勉強のために努力をしなければならないのだろうか。そもそも勉強とは何なのだろうか。広辞苑には「学問や技術を学ぶこと」とある。子供達が遊んで、木に登ることも「木登り」という技術を学んでいるためそれも勉強といえるはずなのだが、最近ではそうは考えない。机に向かって将来いつ使うかも分からないような文字列、公式をただ機械的に記憶していくこと、これこそが勉強だと思われている。そんな栄養価の少ない学問では、人間は満たされないのである。日常生活に活用でき、学ぶことが楽しいと思える学問に出会うことが人間を育むのである。だから私は、無味乾燥の学問をすることが勉強だと考える社会は問題だと思う。

その原因として一つに、何を勉強しているのか、何のために勉強しているのかが分からないためである。自らの求めるもの・楽しいと思えるものが分からず、ただ聞こえる声にしたがって闇雲に歩き回り見つけたものは手にとって、辿り着く先には闇しか無く、手に入れたものは目に見えない。これが現代の学問の闇である。目的も分からず大人の言うとおり勉強し、大企業に入ったとしても泥沼の出世レース。同僚達とは足の引っ張り合いで、一つミスをすれば首が飛ぶ時代、そんな時代を駆け抜けて残ったものは、有り余る金と三行半だけ。まさに、時代のマリオネットである。そんな人生になんの価値があるのだろうか。そのためにしてきた勉強に何の意味があるだろうか。本物の学問には必ず意味があり、それを理解せずにいるといくら頭が良いエリートであっても、真に賢い人にはかなわない。自らの志した学問を貫く、それこそが真の勉強なのである。

そして原因として二つ目に、今までの日本は経済成長にしか目がいかず、それ以外の分野を軽視していたためである。人間というのは何かに集中すると周りが見えなくなるものである。それだけ集中できることを見つけられるということは幸せなことでもあるが、その一方で取り返しのつかないような事件を起こしたりもしている。相手への一方的な愛情がストーカーを生んだり、憎しみが殺人へと変わることだってある。四大公害病だって日本が高度経済成長にしか目がいかずそれによって出た産業廃棄物を人のことも考えずに川へ流したため起こってしまったのだ。「栄光と憂い」という言葉は、栄光があれば必ず憂いがあるという意味だけれども、それは一昔前の考え方で、これからの社会ではそんなエゴイズムな考え方ではいけないのである。本当の栄光とはそういった諸問題をも凌駕し丸く治めてしまうような力なのだから。

確かに、日常生活で学べる学問には限りがある。買い物の計算は慣れてしまえば当たり前のように出来るようになるだろうが、それ以上数学の深遠なる世界を味わうことは出来ない。しかし、「鉄道はただの交通手段なんかではなく、車窓から見る博物館のようなものだ」のように、確かに速く目的地に行くことは大切かもしれないが、それよりも寄り道をして、道草をくって目的地に到着することの方が楽しいものなのである。何の味もしないような学問に自らの興味や関心といったスパイスを加える。それによって、その料理は薫りが良くなり、味に深みが出る。そしてそれを人生という長い年月をかけじっくりと味わう。それこそが、人を育み教える「教育」というものなのだ。それを自分に言い聞かせるかのように、私は「源氏物語」を味わい始めた。

   講評   mae

 さすが! いい清書になりましたね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)