創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人の「美意識」   はるかぜ

 欧米のリンゴは大衆の中で育ち、多彩な用途に分かれ、小玉でも外見が悪くても味がよければよしとしている。それに対し日本の場合はぜいたく品として出発し生食用一本で外観重視の「高級化」の道を歩いてきた。外観への極度のこだわりは日本の果樹生産の一般的風潮になっている。ただ本末転倒なのは、味よりも「見てくれ」の方が「高品質化」の上位に立っていることだ。リンゴ園の地面を銀のビニールで覆い反射光でリンゴの尻を着色させたりリンゴを一つ一つ手で180度回しまんべんなく着色させるのは欧米には無いものだ。この奇妙な日本人の美意識には軌道修正の必要がある。
 私も日本の外見重視を肌で感じたときがある。それは、大手デパートで母と買い物をしたときである。母はその店で一つの商品しか購入しなかったが、店側は何重にも包装していた。元々紙で包まれていたものを、もう一度包装し、それから小さい紙袋、大きい紙袋と入れていく。過剰に外見にこだわるのは日本人の悪い特質と言ってよい。最近になってレジ袋が有料化され、マイバックを買い物にも持っていく人が増えたが、これは資源のムダ使いにもならず良いと思う。
 以前、母から聞いた話だが、カナダでは大手デパートで買い物をしても全く包装をせず、ふつうのポリ袋に入れるそうだ。だから友達に何かプレゼントする時は、自分で包装紙やリボンなどを買ってきてラッピングしなければならなかった。それはとても質素だが、そこに秘めている「環境重視」と言う美しさがある。日本も昔は質素な「美」を大切にしてきた。足利義満は、金閣寺を建てた。二、三層は金ぱくがはられ、昔から派手と評されてきた。対して、足利義政の建てた銀閣寺。質素だが、私は日本独自の「美」を表現しているように思う。床の間、掛け軸、違い棚など、現在日本に残っているのは、義政の文化だ。大量の金ぱくを使わなくても木を巧みに使い、少しのものを上手く利用する「美意識」が重視されていく事・取り戻す事が今の日本には重要なのではないだろうか。
 私は今の日本は本文中にもあるように、見た目にとらわれすぎて最も優先しなければならないものを忘れているような気がする。「花より団子」と言うことわざ通り、見た目よりも「質」が大事であるという意識を日本人はもっと高めていかなければならないと思う。しかし農家の人たちの中には見た目ではなく、味重視で品種改良に取り組んできた人たちもいるであろう。作る側の意識だけでなく、我々消費者の意識改革が一番必要なのだと私は思う。見た目だけではなく、虫がついた無農薬野菜や一般人が購入しないような無名の新鮮な魚が並ぶ我が家の食卓は、まず「合格」だろう。

   講評   harako


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