国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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この扇の使いみちは? のんちゃん
もう30年も昔の話です。友人のsちゃんが、親の反対を押し切って中国人のA君と結婚しました。二人はアメリカの大学で知り合ったそうです。香港で行われた結婚式に、私は友人として出席しました。中国の国技は麻雀です。私は披露宴で、出席者の皆が麻雀を始めるので驚いてしまいました。所変われば品変わるといいますが、さすが中国の国技だけあるなあと思いました。
もっと、驚いた話を後からSちゃんに聞きました。新婚旅行で、中国大陸をあちこち行ったそうなのですが、中国の航空会社、中国民航を使った時のこと。Sちゃんは、
「とても美人のスチュワーデスさんが、それはそれは、あでやかな扇をくれたの。何てサービスの良い航空会社なのだろうと思ったよ。ところが、窓が閉まって飛行機が離陸しても、真夏というのにエアコンが全然効かないの。その扇であおげっていう意味だったのよ。」
と、目をパチクリして笑いながら言いました。
何でも、その飛行機は高齢者が多かったそうで、目的地に到着する時には、皆、まるで熱地獄にあえぐブロイラーのようにへたばっていたそうです。
Sちゃんは、香港貿易発展局(香港版ジェトロのようなところだそうです)に、日本人としては初めてのキャリアで入り、バリバリのキャリア・ウーマンになりました。良く、新聞にも紹介されていました。今は、東京の支局で代表を務めており、建築家であるご主人のA君が、時々東京に来るという遠距離結婚をしています。この3月も、日本政府がデザイン産業とコンテンツ産業で日本のソフト力を香港経由でアジア発信する事業に関わっており、休日もとれない状況にあるそうです。今や経済大国化しつつある中国ですが、30年前はまだまだ開発途上国で、エアコンの代わりに扇を使っていたことを考えると、今は昔の感がありますね。今は、きっと大国の威信にかけてもエアコンは完備しているでしょうし、あでやかな扇は本当にお土産としてくれているのかもしれませんね。しかし、私も話の種にそんな飛行機に一度、乗ってみたかったと思います。
講評 tama
のんちゃんの作文を読んでいると、時代も国境も一気に超えてしまい、驚いたり、頷いたり、感心することしきりです。中国の結婚式で麻雀が行われるとは、初めて知りました。お祝いムードの中で、ジャラジャラと響き渡る牌の音…。まさに「所変われば品変わる」ですね。いったいどんなふうに感じるものなのか、一度体験してみたいものです。
エアコンが効かない飛行機の話にも驚きました。雲の上を飛んでいるわけですから、相当な暑さであったことでしょう。窓を開けるわけにもいきませんから、手動扇風機(!?)で各自対応しなければならないのですね(笑)。もし体験していれば、これもいい話の種になること間違いなしです。
日本人にとって中国は、「近くて遠い国」の一つだと思いますが、中国だけでなく、各国の諸事情について、私たちが知らないことはまだまだたくさんありそうですね。
【はじめに絵をかく】 イメージにぴったりの大きな赤い扇ですね。
【たとえ】 ユーモアのセンスが光ります。
※ 進級テストは合格です。おめでとうございます!
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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