低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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たしかブレーズ・パスカル そへい
私たち人間は「狂気」なしではおられない。おそらく「狂気」とは、自覚を持たない人間、あるいは自覚を忘れた人間の精神上状態のことかもしれない。あえてロンブローゾを待つまでもなく、ノーマルな人間とアブノーマルな人間との差別は難しい。我々には、皆、少々気違いめいた所があり、うっかりしていると本物になるのだと、自分に言い聞かせていないと、えらい「狂気」にとりつかれる。また、そういうことを知らずにいると、いつの間にか「狂気」の愛人になっているものだ。天才と狂人との差は紙一重だと、ロンブローゾは申しているわけですが、天才とは、「狂気」が持続しない狂人かもしれなく、狂人とは「狂気」が持続している天才かもしれぬ。しかし、人間というものは「狂気」なしにはいられぬものでもあるらしいのです。
なぜ私たちには狂気が必要かと言うと、第一の理由に、我々が何か行動を起こす場合には、体の中にある様々な傾向でうようよ動いているものが、あたかも磁気にかかった鉄粉のように一定の方向に向く。そして、その方向へ進むのに一番適した傾向を持ったものが、むくむくと頭をもたげて、まとまった大きな力のものになるのです。そのまま進みますと、だんだんと人間は興奮してゆき、ついには、精神も肉体もあるゆがみ方を示すようになる。その時「狂気が現れてくる。幸いにも、普通の人間のエネルギー限度はあり、様々な制約もあるので、「狂気」もそう永続ではない。「狂気」がないと私たちは何かを成し遂げられない。
第二の理由は、私たち人間は「狂気」のない毎日に退屈してしまうからである。普通に考えたらよくわからないが、データを持ちいれるとわかりやすい。1996年のコニカのデータによると、10代女性のストレス解消法の一位はカラオケ、二位は食べる、三位は長電話。10代男性のストレス解消法は一位カラオケ、二位テレビゲーム、三位ビデオ鑑賞という結果が出ている。男女ともに解消法はカラオケである。カラオケも一種の狂気といえる。カラオケの場合うたっているとテンションが高くなっていく。こうなると退屈せずに人間は楽しんでいられる。20代の場合だと飲酒が相当な数になるのは調べなくてもわかるだろう。飲酒によって人格が変わり人間は明るくなる。このような快感により、人間はストレスが薄れていき、普通の状態に戻る事が出来る。だが、人格が変わる事によって、周りの人や物に傷つけてしまうかもしれぬ。
確かに私たち人間は、いつも「狂気」があっては困る。いつも「狂気」があると、冷静ではいられなくなり、社会的に迷惑をかける事が多くなる。だが、「狂気」がないと人間はつまらなくなり、生きがいなどがなくなってしまう。そのため人間には「狂気」というものが少しでも必要になってくる。「人生に意味はない。あるのは欲望だ。欲望があるから、バラはバラらしく花を咲かせている。」という名言もあるように、人間は「狂気」を持つことで、自分の欲望を満たしている。
講評 kira
そへいくん、こんにちは。今の世の中はマニュアルどおり、お手本どおりに無難にやっていく力がもてはやされます。それではロボットと同じで個性がありません。何かを発見する突破口も見えません。そして人は窮屈だといってストレスを溜め込みます。
だから常ならぬ精神状態を持ちたいものですね。ここは観念的に書くと難しいので、自分の体験を考えてみるといいね。たとえば、試験前に追い詰められていつも以上の力が出せたとか、そういったことです。
ストレスの解消法をみていると、いつもとちがう自分になりたがる姿が見えます。それによって、自分をもとにもどしている感じです。
何かを成し得た人には、人知れぬ困難があったりします。それを乗りこえるときに出されたパワーこそが「狂気」なのかもしれません。自分を超える「狂気」を出したいですね。
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