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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   生きる楽しさを知るために   あほーどり

 近年の小学校高学年の子供たちは、女子を中心に教師への無視が行われることがある。中学、高校になると、無気力と無感動が教室を支配する。
 ほかにも、異変は日常的に起こっている。ひとつは無関心の問題で、消しゴムを忘れても隣の個から借りない、貸さないといったものや、誰が学校に来ているか知らないというものがある。また、すれ違いの問題も存在している。
 子供の無関心は、出会いも対話も生まなくなってしまう。また、モノとの出会いも貧困で、使い方がわからないという問題となっている。
 それは活字離れという形で言葉においても言える。中高生の七割がつきに一冊も本を読まず、手紙もほとんど書かない。彼らは、電話やゴシップで構成された世界に生き、リテラシーから遊離してしまっている。
 私は、もっと物とのかかわりを持って生きたい。そのための方法としては第一に、手作りの価値を見直すことである。
 私は大学に入り、高校のころよりも夕食を外食で済ませることがかなり多くなった。あるとき、三日連続で飲み会が続いたことがあった。初日はよかったが、三日目になると同じようなメニューしかなく、味も濃すぎると感じてきた。次の日に久々に母親の作った食事を食べると、いつもは少し味が薄いかな、と思っていた食事もとてもおいしく感じた。
 外食や弁当は確かに便利で手軽ではあるが、手作りの食事には栄養バランスを考えた味付けなど、思い通りに調節できるというメリットがある。私も、いつか食事を作れるようになりたいと思う。
 代の方法としては、学校教育で実験や調査などの授業に力を入れることだ。
 テレビ番組にも出演している米村でんじろう氏は、かつては高校で科学を教えていて、面白い科学実験を行い、生徒にも人気がある先生であった。しかし、赴任したある新学校で実験を行おうとすると、生徒から「それは受験に関係あるのですか。」と質問されてしまい、実験の授業をすることが難しくなってしまった。
 現代では大学へ行くために受験勉強に力を入れることは大切であるが、実験もまたおろそかにすべきではないだろう。自分で手を動かして行ったことは印象に残りやすく、なにより科学の楽しさを実感できるだろう。また、一人でできない作業を協力して行うことで人間関係が広まるきっかけにもなる。
 確かに技術と文化の発展の恩恵を享受することは悪くない。しかし、子供たちに教えるべきことは、いかに楽に生きるかということでなく、人生の中で生きる喜びを実感できる方法である。
 これは大人にも言えるのではないか。連日仕事に追われて外食やかってきた弁当ばかり食べるという生活を送っている人は少なくない。食事は自分で作るのが理想だが、それができなければ近所の人に頼むことで人間関係も作ることができる。近所づきあいをあまりしなくなってしまった現代だからこそ、積極的に関係を作る努力が必要だろう。自分で作ることと人との付き合いこそが生きている実感を与えてくれるのである。

   講評   mako

 手作りの実例として料理をあげているのはいいね。すぐに食べられるお惣菜やお弁当、あるいは外食と比較して、料理を手作りすることで生まれる道具や人との関わりを考えてみよう。
 今はいろいろ便利なものができてきて、使われなくなってしまったモノがたくさんあります。だからといって昔の道具を見直すことは現実的ではありません。新しい生活様式の中で使われているモノの中にも人とのつながりや生きる喜びを味わえるものがきっとあると思います。
 現代は健康のために、あえてからだを動かす手間を惜しまない傾向も見られます。わたしは、以前、便利で手軽という魅力に負けて、おろししょうがのチューブを使っていたことがありましたが、やっぱり違いがあり過ぎて、今はあきらめておろしがねでその都度おろすことにしています。たくさんおろしたものを冷凍するという方法も試してみましたが、これも今一つでした。しょうがや大根をおろす作業は、そばにいる家族にお願いすることもあります。こうした些細な関わりも大切なことかもしれないね。そういえば、中学生の息子が缶切りをうまく使えないことを知ってショックでした……。
 でんじろう先生のエピソード、たいへんよかったです。
 結びの段落は「だから私は、もっと物とのかかわりを持って生きたい。」と主題に返ってまとめるとわかりやすい。
 ★隣の個⇒隣の子
 ★代の方法としては⇒第二の方法としては
 ★新学校⇒進学校


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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