国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   心の栄養   闇の女帝

昔話というのは、実にうまく作られている。老若男女が飽きないような様々なストーリーの中で、今後に生かすべき教訓や、土台となる人間的精神が織り込まれているからである。更に、昔話は非常に頭に残るのである。私も久しく昔話を読んでいないが、冒頭の文章を聞けば、その昔話の8割を思い出すことができる。この長文を読んで、昔話をちょっと思い返してみたら、昔話の数の多いこと、多いこと。代表的な桃太郎から、浦島太郎、かぐや姫、こぶとりじいさん、金太郎、さるかに合戦、一寸法師、一休さん、かちかち山、うさぎとかめ、わらしべ長者、雪女、分福茶釜、鶴の恩返し、したきりすずめ、花さかじいさん、三枚のお札、耳なし芳一と、一分も満たないうちにこれだけの昔話を思い出した。よくもまあ、これだけ覚えていたものだ。自分でも感心、感心である。ではなぜ、昔話が愛されているかという疑問を解決すべく昔話の特徴を考えてみた。
 昔話の特徴①。「むか〜し、むかし」で始まること。これが大事なのである。単純なのだが、この言葉を聞くと、聴く体勢ができるのである。おっ、昔話が始まるな。よし、姿勢を正そうと自然になるのである。
 昔話の特徴②。これは、全部の話には言えないが、おおよその話では正直ものの爺さんと欲張り爺さんがいて、いつも損をするのは欲張り爺さんであることだ。悪者とヒーローを登場させることで、皆の憧れであるヒーローに近づこうと、ヒーローの行動をまねる人が増えるのである。まるでアンパンマンのようだ。バイキンマンとアンパンマン、悪者とヒーローが一緒に出てくることで、ヒーローの活躍がより強調されるのである。そして、登場させるのはいつも正直者の爺さんからである。これは、初めに出てくることで、インパクトが強くなるのだと思う。
 昔話の特徴③。昔話は大きく二つに分類できることだ。一、優しい心を育む話。二、力強く生きる力を養う話。たとえば、桃太郎は、人間でなくても、協力を申し出た動物を公平に雇ったところと、降参した鬼がさしだした宝を皆で分けたところから一の方。さるかに合戦は、かにのおかっさんの敵をとるために、子蟹、蜂や栗、馬糞、蛤、臼が協力して猿を殺すところから二の方。というように、大まかに分けられるところだ。
 昔話の冒頭、登場人物、種類。これらが、我々の心を捉えて離さないのだろう。いつ読んでも、昔話は私たちの心をほのぼのと照らしてくれる。私も、前まではストレスや悩みを感じたら昔話を読んでいた。しかも、ストレスのときには、一の方、悩みのときには二の方と、自分で無意識にわけて読んでいた。そして、昔話を読んだ後は、心がすうっと癒された。昔話というのは、本当によくできている。
 父が好きな昔話は一寸法師。なぜなら、一寸法師のように苦労して都にいって成功を収めたからだ。らしい。これは二の方に分類されるが、父もちゃんと成功していると思う。
 人間にとって昔話とは心の栄養だ。

   講評   inoko

 闇の女帝さん、こんにちは。
小さいころ何度も聞かされていた昔話。同じ話を何度聞いてもなぜか飽きたという記憶がない。これは、昔話の謎の一つかもしれない。
女帝さんは、昔話の特徴を三点挙げている。これは、なかなかおもしろい。まず、一つ目。確かに、「むか〜し、むかし」を聞くと、お話に耳を傾ける態勢ができるものだ。おまじないのような効果だろうか。
そして、二つ目。アンパンマンしかり。そして水戸黄門しかり。やはり人間は勧善懲悪が好きなのだろうか。
最後の三つめ。確かに昔話は二つに分類される。
本当に昔話はよくできている。女帝さんの分析を読み、あらためてそう感じる。人間にとって心の栄養である昔話。昔話は幼児だけのためにあるのではなく、人間が生きていく上で栄養補給が必要になったときに穏やかな効き目をあらわしてくれるものではないだろうか。

 


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