創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人のもと   いへゆ

芸術というものは、ある時理論を学べば、あとは芸術家の個性に従って創作すればよいというものではない。芸術家は、理論を習うよりまえに、幼い時、もっと根本的な体験をしており、そのあとで、ある芸術作品に触発されて、芸術家の魂を目覚まされ、そこで、理論を学びながら、最初の試みにとりかかるというものだ。そうして、彼の成長とか円熟とかいうものは、根本的な体験につながってゆく。
私は、今、子供が日本の文化の根源的な体験する機会が少なくなってきていることが問題だと思う。
なぜ、昔にくらべて少なくなってきているのだろうか。
その原因として第一に、欧米の文化を取り入れすぎたからだ。欧米の文化が入ってきて、日本の古い文化にこだわるのは古臭くなっているという考え方を持つ人が多くなってきてしまったからだ。それに、欧米の文化の行事のほうが子供を楽しませるものが多い。年末年始の行事でも、子供が一番楽しみにしているのは、お正月よりクリスマスだ。大晦日の十五夜の鐘を黙ってきくより、イブの夜にサンタさんがプレゼントを持ってくるのをワクワクしながら待つほうが楽しい。このように、欧米の文化のほうが子供向きのものが多く、日本の文化よりも楽しみやすいのだ。
その原因として第二に、昔と今では家族のかたちが変わってしまったからだ。今は核家族が多い。おじいちゃん、おばあちゃんとは別々の家で住んでいるという家庭がほとんどだ。だから、昔のように、お年寄りが子供に日本の文化のあり方を伝える機会が減ってきた。それに、家族で団欒するという時間が減ってきている。一人ひとりが忙しすぎて、家族で会話する時間が少ない。そもそも、日本人は忙しすぎる。学校や仕事でも、やることが多くて休む時間が少ない。ニュージーランドの人はもっと自由な生活を送っている。みんな、仕事や学校は6時までには終わるから、夕食はみんな一緒に食べられるし、土曜日と日曜日は休みだから、1日は友達と遊びにでかけても、もう1日は家で過ごすことができる。日本の家庭は家族で過ごす時間が少なすぎるのだ。今、少子化が問題になっている。今の時代の人は、あまり結婚にこだわらなくなっている。結婚して家族を作るよりも、まずは社会にでて一人前になることが優先になってきているように思う。このように、家族よりも個人を主張する社会になってきているので、昔からの文化というものが親から子に伝わりにくくなっているのだ。
たしかに、新しいものを利用することで古い文化が活気づくこともある。着物も柄を今の時代のスタイルにしたり、帯を簡単に結べるようにしたりすることで、幅広い世代の人たちが着られるようになった。しかし、「文化は、多くの人に伝わることよりも、その個性を守っていくことのほうが大切だ。」。私は、日本の根源的な文化を感じる機会が、時代の変化によって、減っていっていることは問題だと思う。

   講評   huzi


 講評、お待たせしました。
誰にでも根源的な体験があります。先生の場合、幼稚園から小学生ぐらいのときの体験がそれに当たるかな? 外で遊びまわっていただけですが…(たまには、本も読みました)。しかし、日本人としての根源的な体験かと言われると自信がありません。
  【問題点】、的確に絞り込むことができました。
  【原因】もそれぞれ、大きな視点(欧米文化)、身近な視点(家族の形)という違った見方で示すことができています。
 クリスマスが日本でこれほど盛り上がるのは、やはり、西洋の文化様式に対する憧れでしょうね。「憧れ」とは認めず、「もう、日本の伝統になっている」と感じる人もいそうですが、そもそもキリスト教の儀式なのですから。
 家族の形が変わることで根源的な体験をする機会が減っている。これはたしかです。スケジュールを詰め込み、より豊かになることを目指す日本の生活と、生活そのものの中に豊かさを見出すことが当たり前のニュージーランド。日本で体験するたくさんの刺激が、必ずしも「日本文化の根源的体験」につながっていない。単に消費活動になってしまっている点は問題です。
 【自作名言】は、うまくまとめました。文化の本質を守ることは難しいですが、守らなければならないですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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