小１から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。 志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で４０年の実績。 ▶ 個別指導のオンライン作文

昨日1990 今日1848 合計47537□

　　　道　　　うみる

私がこどものころはいていた皮靴は、たいていどれもこれも爪さきがけばだっていた。石けりをしながら歩くせいだ。これときめた小石を、小さくけり続けながら学校へゆき帰る。車の心配などせず、けとばした石のゆくてのままに、よろけながら歩くのである。いま。こんなことをしたら、それはもういっぺんに車にひかれてしまうが、昔はそんなことをしながらにぎやかにこどもは道を歩いた。ただおもしろいのは、全体にキララが入っていることで、光を受けて小さく一せいにまたたく。太陽にあてると楽しいですと言われて、私は日の光にも、また月の光にも照らしてみた。チカチカとかわいらしくきらめくのをみると、いわゆる童話の世界のおもむきがある。その人は、道で拾いましたと言った。舗装された道も場合によっては大切である。ほこりをあびせかけられる街道筋の家などは気の毒で見られない。一刻も早く舗装しなければ、道すじの家は窓も開けられない。だが、道が一番道らしのは、人間のくらしを発見することのできるふみしめられた道である。この事だけは忘れてはならないのだ。　私は、よく友達と自転車を４・５分走らせれば行ける公園に行っていた。行きと帰りでは違う道を通るのだが、私にとって思い出に残っているのは「帰りの道」だ。私の家は門限１７時３０分。ギリギリまで遊んでいたいから、公園を出るのはだいたい１７時２７分か、２８分ぐらいに余裕を持たずに公園を飛び出していた。その時便利だった道が「帰りの道」だった。帰りの道は、下り坂で自転車のギアを「６」にすれば加速がものすごく加わるのですぐに家につくのだ。私と友達はこの道の事を「うちらの生命線」と呼んでいた。生命線を使って帰る時は、まるでリレーのように前に出たり後ろに下がったりしながら自転車をこいで一刻でも早く家に着こうとした。　６年前、ちょうど１年生の時の事。当時は水たまりが大好きで、大雨が降った次の日が晴れでも長靴をはいて登校し、通学路を歩く。通学路の途中の道に、大きな穴があいている。その穴に雨水がたまり、入りたくなってしまうので友達と一緒に雨水の中へと前進すると・・・・・・「バッシャーン！！！」雨水がまるで、噴水の様に飛び散り洋服がビショビショになって情けない気持ちになるが、全てが水と一緒に吹っ飛んでいった気持ちになれる。　人間にとって道とは、生きていくうえでなくてはならない必要な物そして、楽しむためにも必要な物だと私は思っている。

　　　講評　　　souyo

　学校から帰るとすぐに友達とあそびに行っていたのですね。自転車で４，５分のところにある公園。どんなあそびをしたのでしょうか。
　門限に間に合うように自転車でひた走る帰り道について。「うちらの生命線」というおもしろい名前をつけました。「生命線を使って帰る時は、まるでリレーのように前に出たり後ろに下がったりしながら……」帰ったのですね。たとえもおもしろいですね。
　前の話、聞いた話は、通学路の途中にあった大きな穴についてでした。これはいったいなんの穴だったのでしょうか。雨水がたまっていると、小学生はどうしても入ってみたくなるようですね。雨水がはねて洋服がびしょぬれになったという思い出をかきました。「すべてが水と一緒に吹っ飛んでいった気持ちになれる」ということでした。大人からすれば、理解できないことと思われるかもしれませんね。でも、こうした体験も大切な遊びになっているのですね。
　「人間にとって道とは、生きていくうえでなくてはならない必要なものそして、楽しむためにも必要な物だと私は思っている」という一般化の主題。二つのエピソードを上手にとりこみました。