国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   短い言葉で   さくら

 日本人が、淡白であるかわりに持続力に欠けているといわれるのも、生活感覚に左右されているところが少なくないのではあるまいか。うるさいことは嫌いだという。ごてごてしているのは面白くない、と感じる。そういう淡白好みの通人たちが考えだした詩型が和歌であり俳句であって、短いことでは世界に例が少ない。ことに大昔から確立している和歌の形式は、日本人の感性、言語、施行を決定するほどの力を持ってきたように思われる。俳句はわずか十七文字で思ったことを表現している。その句を表現しようとしているものを理屈で説明しようとすればおそらく何十枚もの文章を必要とする。それでも決して言い表せぬものを、この中に凝縮させている。論理を超える論理があるからだ。私はわかの酔うな理屈ではなく直感で訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方はよいと思う。
 その理由は第一に相手の言いたいことを読み取ろうとすることで思いやりの心が育つからだ。私が小学校二年生くらいの時にやっていたドラマに主人公が脳の病気でだんだんうまく話せなくなってしまう、という内容の番組があった。だんだん単語しか話すことができなくなった彼女。その家族、友人は主人公が伝えたいことを分かろうとする。また冷たかった弟は次第に姉はなにを思っていて、なにをして欲しいのか考えるようになった。これはドラマだけの話ではないと思う。他にも何かの別れの場所でいなくなってしまう人が号泣しながらたった一言だけ言った言葉からその人がなにを思い出しているのかと考え、優しい言葉をかけたりすることもある。
 その理由は第二に、短い言葉から想像を広げることで感受性が豊かになるからだ。例えばシュウマイの宣伝で「横浜の味」の短い言葉からいろいろなものの発祥地の横浜の雰囲気を想像したり、今の観覧車やランドマークタワーを思い浮かべたり中華街をおもいついたりしてそのシュウマイは横浜を代表する美味しいシュウマイだ、と買い手に思わせる。これをホタテの貝柱が入っていて、肉は○○というところで育った●●という肉を使っているおいしいシュウマイです。といってもあまり頭に残らないし、買いたいという意欲がなくなる。宣伝方法はその会社をより多くの人に知ってもらうことに欠かせないことだ。データによると宣伝費が一番高いところはトヨタ自動車、次に花王、日産自動車となっている。どれも有名な企業である。
 確かに物事を理屈で考えることも大切だ。短い言葉では伝わりにくかったり、想像しづらいこともある。しかし「辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。」という名言もあるように、短い言葉を効果的に使うことが大切だ。

   講評   jun

 日本人は、すべてを言い尽くさずに、短い言葉で分かり合おうとするところがありますね。理論よりも感性に訴えるコミュニケーションの方が得意と言えるでしょう。このようなコミュニケーションの取り方には欠点もありますが、良い点もたくさんありそうですね。
 第一の理由に挙げてられているドラマの話は、わかりやすい実例です。言葉で伝えきれない思いを読み取ろうとすることで思いやりの心が育つとは本当にそのとおりですね。
 第二の理由には、シュウマイの宣伝の例を挙げることができましたが、これもよく思いつきましたね。さすがです。
 最終段落は、やや短くなってしまいましたが、形どおりにまとめることができました。
                            

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