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　　　今、日本人に必要なもの　　　フェアリー

　日本のある会社が香港で現地の人間を採用しようと求人広告を出したという。何より語学ができるという認識が、日本人とずいぶんかけ離れているのではないか。恥ずかしいという理由もあるだろうが、もし「話せます」と答えた場合、その責任を自分が取らされたうえ理解できなかったらどうしようという不安が、一瞬、脳裏をかすめるからである。これが日本流の「謙譲の美徳」なのである。語学が堪能でなければ給料のいい仕事にはありつけないし、語学をにみならず、自己prの上手にできない人間は、出世も望めないという社会の仕組みが出来上がっているのだろう。どうも人は一人の人間のイメージをひとつに固定したがるものらしい。私は、日本人はもっと、自己アピールは必要だと思う。（要約）
　その理由は、自分をアピールすることによって、相手も自分を理解してくれるからだ。私の学校で体育祭があり、クラスの中でリレ選を決めることになった。そのときいくら足が速い人がいても自分からは決して手を挙げなかった。「aが速いよ！！」とかいって、推薦の場合が多く、誰一人自分から進んでてを挙げなかった。手を挙げれば、自分が責任をおうことになるし、自信満々だと思われるからだろう。私も、陸上部だからと言われて推薦された。自分から手を挙げなかった理由はそう思われるのがいやだからだ。また、生徒会役員を決めるとき、友達が進んで「私がやる」と手を挙げた。私は、そのときこの子は自分から進んでやる子なんだと
思った。この私の体験から、自分から進んでやることによって、相手にも自分のことをしっかりとわかってもらえることが分かった。
　もう一つの理由は、何事にも遠慮をしていたら、自分自身が成長しないからだ。データの「仕事の目的」によると、３０代に人は収入が７５％、生きがいが１６％だった。このデータから、自分をもっとアピールすれば仕事も生きがいを感じることができるだろう。私は、バレエでも自分をアピールして、堂々と踊ることができない。このデータも私と一緒で自分をもっとアピールしていけば、もっとバレエを好きになれるし、バレエの楽しさも感じることができると思う。そして、自分もこんなことは私にはできると自分をアピールしていきたい。自分をたくさんの場面で自己アピールすれば、自分も成長することがわかった。
　確かに、時には自己アピールしない場面も必要になってくるだろう。しかし、「短所をなくすいちばん良い方法は、今ある長所を伸ばすことである」という名言もあるように自分の良いところは様々な場面で自己アピールしていくべきである。（反対意見）

　　　講評　　　jun

　「日本人にはもっと自己アピールが必要だ」という意見で二つの理由を考えることができました。
　一つ目の理由には、身近な実例を挙げることができましたね。責任を負うことになってしまうからという理由に加え、周囲の人たちから自信があると思われるのが嫌だからという理由で、なかなか自分からは手を挙げられないという人は、少なくないと思います。特に日本人は、このようなタイプの人が多いですよね。でも、思い切って前に出なければ、周囲の人たちに本当の自分を理解してもらうことはできないでしょう。
　第三段落では、データ実例と自分の体験とを照らし合わせながら、自己アピールの大切さを考えることができました。自己アピールをせずに引っ込んでばかりいては、自分を成長させることはできませんね。
　結びの反対意見に対する理解を示した部分は、もう少し説明を加えたいところです。名言はぴったりのものを引用することができました。

▲「私は、日本人はもっと、自己アピールは必要だと思う。」は、「私は、日本人にはもっと自己アピールが必要だと思う。」などとすればすっきりします。