国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日1129 今日326 合計7347
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   夢を持つとき   いへゆ

当人の「何者」をもっともよく明らかにするのは、何よりも当人にとって切実な自己理解の要求に基づいて語られた物語であり、そして、そのような物語こそが、他者に対しても、当人についてのより充実した「理解」を与えるのである。もっとも、このような「理解」を通して得られた「何者」も、他の「何者」でもないという意味で真に独自のものであるとは限らない。ひとが自らについて語る物語にとって重要なことは、「独自性」というよりも、むしろ「真実性」だ。
私は、今、若い人たちが夢を持つとき、まっすぐにその夢に向かえなくなっていることが問題だと思う。
なぜ、夢を叶えることが難しくなってきているのだろう。
その原因として第一に、今の社会には情報が多すぎるからだ。やりたいことを調べるときに、必要以上の情報が耳にはいってきてしまう。情報が入るということは、自分が今からすることが分かっていいことなのだけれど、情報が入りすぎると必要以上に慎重になりすぎてしまう場合がある。慎重になりすぎては、大きな目標を達成できない。私もニュージーランドに留学するとき、情報を集めた。今から行く町がどういうところなのかとか、どんな学校に行くのかなど、集められる情報は全部あつめた。しかし、そういう情報を持っていることが、新しい土地で生活するときに邪魔になることがある。たとえば、ホストファミリーとの生活でも、できるだけ行儀よくしなければいけないと思っていろいろマナーを覚えたけれど、逆に、マナーがよすぎて堅苦しくなってしまった。行く前から構えすぎては、うまくいくものもうまくいかなくなってしまうのだ。
その原因として第二に、職業によって社会的な地位というもの決まってしまうからだ。今の社会での地位は給料が高い職業から順に順番がつけられている。そして、その職業によって社会の中の人の価値まで決め付けられている気がする。出来るだけいい大学にいって、できるだけいい職業について、生活に不自由のないお金を稼ぐ、それが幸せだと考える人が増えてきている。だから、若い人たちが将来の目標をみつけるときに、大人は出来るだけ社会的地位の高い職業をすすめる。もし、社会的地位の低い職業を選んでしまったら、不幸になってしまうとでも言うように、地位の高い職業をすすめる。そういう社会が今から夢を持とうとしている人たちの邪魔をしているように思う。前に読んだ長文で「小さいときの根源的な体験は成長したあとにも関係してくる。」というのがあった。このように、その環境によって考え方というものは決まってしまい、なかなか抜け出せるものじゃないのだ。
たしかに、安全な道をいくのもいいことかもしれない。無難に夢をえらんで、無難に就職すれば、周りからの非難もないし、ある程度の社会的地位も得られて、生活に不自由することがないかもしれない。しかし、「自分の価値は、周りの人が決めるのではなく、自分自身で決めるものだ。」。私はやはり、これだけ豊かになって、やりたいことが出来る時代なのに、若い人たちが将来、自分のやりたいことを自分の意思だけで選べなくなっているのは問題だと思う。

   講評   huzi

 子どもが夢を語るとき、「そうだね! すばらしい。頑張れ」と即座に答えられる大人がどれぐらいいるでしょうか。「それは、どこから聞いたの?」「役に立つの? 本当にできるの?」と疑問の目を向けたり、反対に「それなら〇〇さんを見習ってみれば。学校はここ」と、誰かの物語をアドバイスしたりします。大切なのは、その子ども(=人)にとっての真実性、つまり、「自分がこう思うから、自分だけの夢なのだ」ということなのです。
  情報の多さ、社会的な地位へのこだわりが、夢を夢でなくしている。このことを、身近な体験を元に考えたね。
 「なぜ、夢を叶えることが難しく」ここは、書きだしの意見としてはずれていることに注意。夢のあり方そのものを問う表現に。
 第二の【原因】の結びの文は、「じゃない」が口語。意見文らしい表現にしてみてね。
 【反対意見理解】は、「周りからの非難もない」が、文脈に合っていないね。周りからの非難を受けてしまうのは、無難な社会人となる前の段階のことなので、この表現は削って。
 結びはとてもいいです。最初に書いた【問題点】を同じテーマのまま、広がりのある形でまとめることができました。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)