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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文学的表現とその調理法   arugebak

 日本語というのはこの狭い温帯の島国だからこそできた言語だ。
 日本は木の実など植物が他の国に比べ多く、そこにいた人々も植物を食べたりしてぬくぬくと生活していた。それに対し西の方の国の人々は寒い所も多く植物もあまり無い。つまり残るは魚、そして肉だ。そう、過酷な狩りの世界である。獲物を見つけたら素早く伝え命令も一発で伝わるようにする。つまり必要とされるのは結論。結論を最初に言う言語だ。この点に関してはもはや英語の命令形などその極み。『Run!』『Stop!』一言でやるべき事がわかる。
 逆に日本はぬくぬくしていたしヒマだったから…ということは無いだろうがぐるぐると話を続け結論を言うのか言わないのか、はたまた相手にスッと委ねたりしてしまったりという西の人々からしたら『What?!』な言語である。だから日本語は難しいと言われるのかもしれない。まさに極東のガラパゴス。しかし豊かな文化はヒマから生まれる事も多いものだ。事実日本語の表現の多様さは数ある言語の中でも群を抜き、もはや文学製造特化言語と言っても過言ではない。
 多様な文化、芸術の土台になり得るという面では理屈ではなく直感に訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方は良いと思う。
 その理由は第一に相手に言いたいことを読み取ろうとする想像力が育ち、それに伴い思いやりの心が育つからだ。
 学校の国語の授業の目的の一つもこんな所にあるのかもしれない。
 実際にも日本語の解釈の多様さは人にアドバイスする時にも扱いやすい。アドバイスとは相手の欠点を言い当てる事にもつながるので、直接的ではないことが望ましい場面も存在する。そういう時にアドバイスとして一番相手に伝えたい部分を結論として相手に委ねる。相手に自ずと答えが見えてくるようにすることができればややくどくなる事もあるが問題なくアドバイスできる。もちろん強烈にズバッと問題点を指摘することも必要だ。この使い分けも言葉の力の一つとして重要だろう。
 しかし、最近この言葉の力が低下し自分の感情が表現できずにキレる若者が多いらしい。子供の本離れも相まってか言葉の力、想像力を伴う思いやりの心が失われていっているとのこと。とはいえ小学校の図書室での本の貸し出しが増えていて、言葉の力の向上が期待されているとか。(伝聞調なのは自分も若者だから…。)
 第二の理由としては簡潔な言葉、あいまいな表現から受け手側の想像力をも利用した不確定なゆらぎを持った解釈を引き出し、またそれに伴い感受性を高められるからだ。思うにこれが日本語の最大の特徴ではないだろうか。甘ったるい考えかもしれないが、主観的な心情や独自の解釈を含んだ文章で万人の心を動かすことは出来ないだろう。だが、前述したゆらぎの表現なら受け手の都合のいいように(最もその人が心揺さぶられる解釈)できる。もちろん、それは受け手一人一人で違う解釈になるだろうし、ネガティブな印象を持たれればそれぞれに都合の悪いように解釈されてしまう恐れもある。作者の考えつく範疇を超え、意図を外れたとんでもない解釈をされるかもしれない。しかし、それが日本語の利点であり欠点でもあるのだ。実際に企業はキャッチコピーなど短く印象的な文章を使い、それを見聞きした人にいいようなイメージを与え、有効に使っている。(外国の特許技術だの長年の研究だのズラズラとメリットを並べるCMの方が買う気になってしまう人もここにいることを記しておこう。)
 宣伝の効果はすさまじく、有名企業の広告宣伝費(二〇〇七年)では、トヨタが一○八三四五百万円、松下電器が九二四八五百万円など、とにかく金をつぎこんでいる。CMなど多くの人が見る広告において出来るだけそれを見ている人全ての心を動かす力というのは非常に重要だろう。
 とはいえ理詰めの分かりやすい表現は必要だし、ゆらぎなど存在しない厳密に定義された言葉を使わなければトラブルになることもある。しかし「真の愚か者は学ぶことを怠けたものではなく学ぼうとしているようで何も理解しない者だ」という名言もあるように、人がその言葉から何であれ感じ取れなければ意味がない。だから人に何かを感じ取らせるものを作る力、そして身の周りのあらゆるものから何かを感じ取る力を身につけるためにも日本語的なコミュニケーションは重要である。

   講評   yuta

 新しい学年のスタートです。はりきっていきましょう(^0^)
       
☆今回の点数の件ですが、森リンを開発した先生に聞いてみました。その回答は、以下のとおり。
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 それは、アンバランスの減点によるものです。
 多少のアンバランスは減点しないようになっていますが、今回の文章は、採点対象の後半1200字が、語彙の種類が豊富なのに対して、それをまとめるような思考語彙が相対的に少なかったために減点になりました。
 人間の感覚で言うと、「文章力があり、書くことが達者でよく書けているが、ちょっと『冗舌な感じがするかなあ』」ということです。
 文章力のある人の作文は、ときどきこういうアンバランス減点になることがあります。
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とのことでした。参考にしてください。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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