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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   狂気   hikari

 人間には時として、「狂気」が必要となる時がある。当たって砕けろ、程でなくとも人が生活をしていく上で必要なものであり、全ての人が持っている才能でもあるのだ。狂気とは否定するものではなく、むしろそれについて省みることの方が大切なのである。私は、人間にとって狂気とは、大切なものだと考える。
 私がその様に思う理由として、人には狂気のような集中力があるからこそ、物事を成し遂げられる事があるからである。私は中学受験を経験したが、六年生の一月ごろが、最もすごかったと思う。私の通っていた塾には(小手の所だった為もあって)自習室があり、月曜日から日曜日までいつでも利用可能という、嬉しいシステムだった。勿論利用可能なのは塾生に限られてはいたが。中学受験のために来ている訳だから、当然のことながら皆勉強に取り組む。けれど、受験直前の時期は、今までとは比べ物にならないほどに凄かった。まず、自習室内に入った時のオーラからして違ったのだ。一瞬即発。まさにそのような感じだった。私の受験する年が、丁度サンデーショック(キリスト教系の学校で通常ならば2/1から試験を行う学校が、日曜日に働いてはならないというキリストの教えに従って2/2からと試験日をずらしてしまうことによって、その年の志望者の意向が例年に比べて大幅に変わってしまう現象。7年ごとに起こる)であったために、上方志向の人が多かったのか、それとも毎年このような状態なのかは私には皆目分からないが、この感じを、とにかくすごい…と全身に受け止めていた。狂気があることによって凄まじい集中につながり、また、その集中は、自分の実力や自信へとつながっていくものである。何も中学受験のような特殊なケースだけでなく、夏休みの大量の宿題を、徹夜で済ませることも(あまり良くないことではあるが)同じだ。要するに、狂気をプラスの方向に持っていければ良いのだ。酒に酔っ払って横行を行う人よりも、仕事や勉強に対して熱心な人の方が好まれることについては、言うまでもなく周知の事実である。結局は自分の狂気をどれだけ上手くコントロールできるか。それが、実力であり、才能なのだ、と私は思う。
 第二の理由としては、平凡な日々では退屈してしまうことが挙げられる。最近、私の友人に勧められて読み始めている本で、「涼宮ハルヒの憂鬱」という本がある。友人曰く、アニメや漫画化も行われていて、今度は映画にもなる、とのことだった。絵のクオリティを重視している私にとって、その挿絵は結構参考になる、ということで読み始めたのだが、すぐに虜となってしまった。キョン(あだ名・本名不明)という男子生徒の視点から、涼宮ハルヒという女子生徒とその周辺について描いたものである。ハルヒは普通の女の子とはちょっと違う。平凡な日々に飽き飽きしていて、宇宙人とか未来人とか超能力者とか、そういった人たちに会う、普通じゃないことを、渇望しているのだ。ここでネタバレとなってしまい、申し訳ないが、実はハルヒには、全てを思い通りにさせてしまう力が備わっており、本人はそれを、知らず知らずのうちに使っているのである。SOS団という部活を勝手に作り、(部員内には宇宙人も未来人も超能力者もいるのに)超人探しをしたり、学園祭の出し物という名目で映画を作ったり…。ハルヒは楽しんでいるようだが、通常の十代の女性のストレス解消法(ユニカ・一九九六年)は、一位カラオケ二位食べる、三位長電話となっていた。私は女子校に通っているが、一つ上の学年の先輩が、休みの日におひとりさまカラオケに行ったと話していたので、今とは時間の離れた統計だが誤差はあまりないと思われる。どのような解決法を採るにしても、ハルヒの言う通り、平凡な毎日では退屈してしまうことは、火を見るより明らかなことだ。そのように考えていくと、ハルヒの行動が、かならずしも良い事と一概には言えないが、それも一種の狂気の使い道な様な気がする。
 確かに、時には冷静さが必要になってくる事もある。けれども、「行動するためには、多くのことに無知でなければならない」という名言にあるように、事を成し遂げるには、狂気も使い方次第では大切なものになってくると思う。

   講評   onopi

 書き出しはお電話でお話しした感じとはまた違ったものになっていますが、これもいいですね。よく考えられています。
 

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