国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私が宝になった日   ミント

「わあ、これ何だろう?」
と、開いてみると、私が赤ちゃんの時の写真がずらりとならんでいるアルバム。
「すごーい、かわいい!」
とさけぶと、となりの部屋にいたお母さんが来て、
「まあ、まあ、ミントの赤ちゃんの時の写真じゃない。かわいいわねえ。」
とにっこり笑った。心の中で、(赤ちゃんの時って、こんなにかわいいんだ、でも本当に私はなの?)と思った。思い切って、
「お母さん、本当に私のなんですか?」
と言うと、あたりまえでしょ、というようにウインクされ、私はほっと安心して胸をなでおろした。
 その年一番暑い日のことだった。お母さんはお医者さんに、
「そろそろ生まれそうなので、入院してもらいましょう。」
と言われて、病院に入っていたそうだ。でも、なかなか生まれなかったので、お医者さんが、
「明日の朝、てい王切開をしましょう。」
と言ったので、お母さんは眠れない夜を過ごしたそうだ。次の日…。無事に生まれた私を見て、お母さんは心のそこからうれしいと思ったそうだ。
 おばあちゃんは病院で、今か、今かと生まれるのをまっていてくれたし、お父さんは仕事が終わると病院に飛んで来てくれて、私に
「我が家の姫!」
と呼びかけてくれたそうだ。
 私の名前は生まれる前から決まっていた。おばあちゃんが、有名な姓名判断の人にたのんでくれたからだ。みんなが、私が幸せになるように、と願いをこめて選んでくれたらしい!その話を聞いて、いっそう自分の名前が好きになった。また、この名前は「良い智恵が永遠に続く」という意味だそうで、きっとこの名前は、とてもいいと思うな。
 赤ちゃんというのは、家族の宝物のようだ。
 お父さんは、未だに私と妹を「宝一号、宝二号」と呼ぶ。私はとても大切にされているんだなあ、としみじみ思った。私は生まれた時から宝なのだ!
 この間、ひな祭りのためにひな人形を出した。ひな人形は女の子の身代わりになって、良くないことをひきうけてくれるらしい。
 私が生まれてから、両親は気に入った顔のひな人形を探すために、何けんも、何けんも人形店を回り、やっと私の顔ににたひな人形を見つけた時、二人とも、「これだ!」と思ったそうだ。おじいちゃんも、おばあちゃんも総出で人形店に行き、おじいちゃんとおばあちゃんが買ってくれた。なるほど、よく見ると、少し私に似ているみたい。
 ひな飾りの中に、オルゴールつきの写真立てがある。赤ちゃんの時の私が、プニプニのほっぺで笑っている!生まれて初めて笑った時の写真で、お父さんがとても気に入っている写真だ。
 その時写真の中の私が、私の方を向いて、ほほえんでいるように見えた。私もなんだかうれしくなってほほえみ返し、オルゴールのねじをそっとまいた。

   講評   kaki

何度読んでも、心にジーンとくる作文です。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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