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　　　狂気と正気　　　ひよこ

　私は人間が生きて行く上で狂気は必要だと思う。
　その理由の一つは、狂気があることで次のステップにつながるからだ。先日、バンクーバーオリンピックが終わった。メダルを取った選手も、メダルにとどかなかった選手も、いろいろな思いでバンクーバーオリンピックを終えたと思う。フィギアスケートで出場した、浅田真央選手は、銀メダルに決まったとき悔しさのあまり涙をながしていた。けれどもインタビューではこう答えていた。銀メダルは悔しいが、これを次のソチオリンピックでのステップにしたい、と。あの悔し涙も、心にしまうことができなかった気持ちも、ある意味狂気なのだ。狂気を表に出してもそれを次ぎにどう生かすかが大切だと思う。
　また、私には定期テストで頑張ったのにあまり納得のいく結果が出なかったことがある。そのときは悔しくて、いい結果を出した人が恨めしかった。その反面、今度はその順位よりも絶対に上回ってみせる、というやる気も出た。同時に努力の行動が起こり次のテストの自信にもつながった。狂気の行動をとるだけであれば、ただの狂気だが、その狂気を乗り越えると次にすばらしい結果が待っているのだ。
　また二つ目の理由は、狂気があると感情が豊かになり、人生も豊かになるからだ。ずっと前からほしかったものが手に入らなくて、我慢できず、ついつい母に文句を言ったり心の底にある気持ちを抑えきれず、キレてしまったりもする。あるいは反対に、旅行に行く準備をしたり、前の日の夜など、旅行に行くまでの時間は興奮して寝付けなかったりはしゃいだりして怒られるときもある。けれどもそうした、テンションがあがったり、下がったりするのは刺激的で充実した人生で良いと思う。
　また、人間はつい狂気を行動に出すとすぐにそのイライラなどを解消しようとする。10代男女のストレス解消法のデータを見てみると男女とも、カラオケが1位だった。人間は狂気におかされると、お腹のそこからいっぱい声を出せるカラオケをしたいという衝動に駆られるのだろう。人生には様々な心の動きがあった方が一日一日が密度の濃い毎日になる。
　確かに、感情をコントロールし、常に平常心を保つことも大切だ。しかし「寒さにふるえた者ほど、太陽の暖かさを感じる。」という名言もあるように、苦しいことや、悲しいことがあっても、そのような狂気を今後の人生に上手く使うかが問題なのだ。上手に活用できた者だけが、自分の目標を達成でき、自分を成長させることができ進歩して行くのだ。

　　　講評　　　koni