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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ゴミがキラリ   ハーマイオニー

 先日、春休みを利用して祖母の家に遊びに行ったとき、町の様子が様変わりしていることに気付いた。祖母の家があるF市では、常時大きなゴミ箱が置いてあり、住民は24時間いつでもゴミ出しが出来るようになっていた。しかしこの前、行った時には、その箱は見当たらず、祖母の家の中には細かく分別されたゴミ袋がいくつもあった。祖母は、分別したプラゴミを洗ってさらに細かくはさみで切って袋に入れていた。そのほかなるべく、ゴミを出さない工夫を自然とするようになって、ゴミの量が随分減ったという。しかし本来、ゴミはゴミであり、増えたり減ったりするものではないはずだ。減らせたゴミは、そもそもゴミではなかったのだろう。分別し出されたゴミも、資源としてリサイクルされるその時点で、家の中でゴミだったものがゴミではなくなるのだ。
 このように、私はゴミと見えるものの中にも、役立つもの、生かせるものを見つけられるような人間になりたいと思う。そのためにはどうしたらいいだろうか。二つの方法が考えられる。 
 第一に、物事の良い面を考えることだ。『のだめカンタービレ』で、有名な指揮者シュトレーゼマンは、主人公ののだめを初め、大学の落ちこぼれと思われている学生たちを集め、オーケストラを作る。他の教授や学生達からは、冷やかな目で見られるが、このオーケストラが最終的には大成功を収める。シュトレーゼマンは、彼らの潜在能力、隠れた才能といったものを見抜いていたのである。
 第二に、今の教育に見られる減点主義のような、マイナス面を直すことを中心にした社会風土を変えていくことである。坂本竜馬は子供のころ、泣き虫で弱虫だったらしい。両親が年をとってから出来た末っ子で、甘えん坊だったという話もある。同じ土佐藩の下級武士で、親友だった武智半平太のような秀才ではなかった。しかし、竜馬は竜馬の優しく、大らかな性質を認めてくれる両親や師に恵まれ、その本来の力を開花させることが出来た。時代の変革期に生まれたということもあるが、竜馬がもし「真面目に勉強するように」とばかり注意されて、長所を認められずに育ったとしたら、薩長同盟もならず、日本の歴史は変わっていたかもしれない。
 確かに、短所を直す努力をすることは大事である。しかし、「雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである。」という名言がある。ゴミと見えるもの、役に立たないと思われているものも、その良さが見出されていないだけなのかもしれない。だから私は、ゴミのようなものの中にもキラリと光る宝物を見つけられる人間になりたい。

   講評   nara

 空に輝くよキラリ〜、ではなくて、『ゴミがキラリ』なのね。光がなければ、その本質が見えてこないということは、さまざまなところにある。他者に対して光を当てられる存在でありたいし、自らの中に眠るゴミ(的なもの)がキラリと光ることを信じる強さも持ちたいね。
【構成・題材】いつもながら導入がうまい。「減らせたゴミは、そもそもゴミではなかったのだろう。」という鋭い指摘が、次段落以降の主張をうまく導いている。結局、ゴミを作るのは人、ということなのだな。のだめに竜馬、今回はテレビからのネタ満載だね。第一方法:潜在能力を引き出す、ということは、その対象をよく見なければできないことだね。よく見るということは、関心がなくてはできないこと。少々気恥ずかしいけれど、そこに愛があるかどうか、ということだろうな。第二方法:マイナスと思われていた面がプラスに転じることはよくあるし、その反対も同様。「時代の変革期」という説明も加えてあるように、塞翁が馬・禍福はあざなえる縄が如しというように、状況によって評価が一転することははるか昔から言われてきたことだね。しかしながら、短いスパンで物事の結果を出し過ぎるというところにも、問題がありそうだな。
【表現・主題】まさに、この作文のためのような名言。ゴミ(的なもの)を突き付けられたときに、それは、私たちのものの見方や発想力を試されているのだ、ということなのだろうな。お宝ザクザク!?

★ちょんまげぷりん、読んでないよ。映画にもなるのだね。読んでみようかな。

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