創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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ザ・イタズラ武勇伝 かひれ
「おいっ、もうちょっと上だって。」
「ええ〜、無理だよ、届かないよ!」
これは四年二学期の終わりごろのこと。ちょうどそのころ私のクラスでいたずらがはやり始めた。クラスの悪ガキが、教室の後ろのとびらに黒板消しを仕かけていた。ターゲットはもちろんK先生だろう。それにしても、なんて古典的なイタズラなんだろう。
私はこの先が気になって仕方ないので、しばらく観察することにした。するとなぜか、どこからともなく副校長先生がやってこられて、後ろのとびらをじろじろと…。
「あっ、あぶない。」と感じたのはカンじゃない、本能だ。
「ちょっと、これ誰だあ?」
「…。」
「オレ、知らない。」
「ぼくも。」
「オレも。」
「ぼくちゃんも。」
「は? お前だろ。」
男子たちは、答えるのに手間取っていたが、他人のせいにしようともめ始めた。
「ふん、ま、いつものことだ。ムシしよう。まるで何もなかったかのように。」と私は心の中でつぶやいた。しかし、このころの私は、このイタズラが中心となって物語りができるとは知りもしなかった。
黒板消し事件の後、クラスでのイタズラはどんどん増えていった。授業中に鳴るようにタイマーをセットしたり、先生のイスにブーブークッションを9置いたり、とイタズラのレベルもエスカレートしていった。
そして、これは私がした小さなイタズラ。そのころ前の席にM君という男子が座っていた。私はなぜだかM君をからかいたくなった。授業中に、先生にばれないようにかくし持っていたシールを彼のジャンパーにはった。次の日、彼のジャンパーを見るとまだシールが付いていたので、私はにやにやした。
私は、このようなイタズラの経験上、思ったことがある。それは、「イタズラ」は悪くはない、ということだ。イタズラとは、少し変わった甘えの一種だと思う。あまり相手にされないから、一つ大きなことをして、みんなをおどろかせよう、ということだ。だからもし、友だちや小さな子がイタズラをしてきたら、それは「構ってほしい」の合図である。決して怒ってはいけないのである。
講評 ouma
エリザベスさん、こんにちは。
今回は特に、最後のまとめがすごい!
イタズラというものの「本質」を深く掘り下げて「考察」できていて、先生は感心してしまいました。
「ターゲットはもちろん加藤先生だろう。それにしても、なんて古典的なイタズラなんだろう。」のところは、説明や描写の現在形を上手に入れることができています。
「『あっ、あぶない。』と感じたのはカンじゃない、本能だ。」のところは、すごくいい書き方ができています。
「〜まるで何もなかったかのように。」のところは、たとえがきちんと使えています。
「そして、これは私がした小さなイタズラ。そのころ前の席にM君という男子が座っていた。」のところは、自分がしたこと、前のことを分かりやすく的確な形で書けています。
最後のまとめは、理解したことというより分析や考察という言葉がふさわしく、深い洞察力が感じられます。すばらしい!
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