国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「たびをする草や木のみ」を読んで   のんちゃん

 私がこの話を読んでいちばん共感を覚えたところは、植物のたねのたびは、たのしいハイキングや、遠足ではなくて、めをだすばしょをさがしてあるく、ひっこしなのだというところです。生活する場所を探すひっこしなのだから、浮かれていくハイキングの余裕とは違い真剣勝負なのだなあと思いました。どの植物にも必死さが窺がえます。
 私も子供の頃、遊んでかえるとハギのような草の実がセーターについて、なかなかとれないで困った経験があります。運んでもらうために必死にしがみついていたのでしょうね。そう思うと健気ですね。でも、運送料が無料というのは羨ましいですね。私達が引っ越しする時は、コストが随分かかりますもの。
 ほうせんかもパチンパチンと皮がはじけるのが面白くて、子供の頃、随分触った経験があります。ほうせんかの側からすれば、同じところにたくさんのたねが落ちないようにする工夫だったのですね。生き残るために必死なわけですね。
 自分の力で旅行できない柿の実やなんてんの実は美しく色づいて鳥を惹きつけるのですね。いじらしいですね。ここにも必死さが感じられます。鳥ではないですが、私の弟は幼少の頃、ビワが好きで食べては種をせっせと庭に埋めていました。そうしたら、ある日、本当に芽が出てビワは育ちました。弟は鳥の代わりをしたわけですね。
 海を旅するやしの実にはロマンが感じられます。どこに流れていくのだろう、南国の島に行くのかなあと思いを馳せます。一度、母や叔母たちを伴ってハワイに行ったことがあります。やしの木をみて、一人の叔母が、
「まあ、素敵ねえ。まるでハワイに来たみたい!
と、言ったので皆で大笑いをしたことがあります。実際にハワイに来ているのですから、何を勘違いしたのでしょうね。私から見れば、やしの実にはロマンを感じますが、やしの実自身は必死でしょうね。海にはどんな危険が待ち受けているのかわからないのですから。雨の日も嵐の日もあるでしょう。生き抜くために、本当に必死なのですね。
 旅をする植物と言われると、このお話の文頭にもあるたんぽぽをやはり真っ先に思い出しますね。私も、たんぽぽのわた毛をふいて良く飛ばしましたよ。面白かったです。私は少し易も勉強したことがあるのですが、その中に風を二つ並べた「巽為風」という卦があります。この卦はまさに「風に吹かれるタンポポ」というものです。少し、本に書かれた解説をご紹介しますね。「この卦は『風』が二つ重なっている形です。風が、軽やかにそよそよと吹きめぐるかたちです。あるときは東から、あるときは西から。稲の穂が風によって実を結び、松の実が種を遠くまで運んでもらい、タンポポの種が白い落下傘のように飛び、植物が風により繁殖していくように、あなたも努力し、周囲のものを利用していけば、あなたの運も目に見えて増えていくときです。・・・・・・・ある大新聞の若手記者を占って出たのが、この卦でした。これは風が吹きめぐりながら物をあちこちへ運んでいく卦ですから、ニュースの運び手である新聞記者には、とてもよい卦です。」とのことです。どうです?易経も面白いものでしょう?もし、私がこの新聞記者だったら、風に吹かれるタンポポのように、全国各地にニュースを運んでまわることを考えるかもしれません。古本屋である主人にこの卦がでたら、本を遠くまで運ぶことを考えた方がいいと言うかもしれません。
 それはさておき、私はこの話を読んで、植物の種の旅は本当に真剣勝負の引っ越しなのだと思いました。私たち人間も、この必死さを学んで懸命に生きなくてはと思いました。不況だと泣き言ばかり言っていてはいけませんね。生き残るために工夫と努力をしていかなくてはいけないと思いました。

   講評   tama

 のんちゃん、「言葉の森」で初めての感想文は、いかがでしたか? 植物の種についての思い出から易のことにまで話題を広げつつ、中心がぶれていないところはさすがでした。私は易についての知識は皆無ですので、自分が占ってもらっているかのような気持ちで大変楽しく読ませていただきました。
 
≪構成≫ 感想文の中心が決まりました。

≪題材≫ 人の手(?)も借りつつ引っ越しをする植物のタネを擬人化しているところが愉快ですね。セーターに着いたハギの実、弟さんの手によって運ばれたビワのタネ、海を漂うヤシの実、楽しく懐かしい思い出を書き綴っていいただきました。「もし…」は、考えるほどに楽しみが増しますね。

≪表現≫ 叔母さまの一言に、和みました(笑)。

≪主題≫ 運送料無料で引っ越し可能な植物たちは、決して自由なのではなく、膨大なリスクを背負いながらも、不況にも負けないたくましさで命をつなぐ旅を続けているということですね。私たちも負けずに頑張らなければなりませんね。


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