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　　　矛盾はいいことか　　　くくれ

　世の中には、矛盾がある。それも二種類。いいものとわるいもの。悪い方は、互いに相殺しあうもの。だが、論理の一貫性を求めると自己撞着に陥る。また、芸術は、平面論理を嫌う。そして僕は、矛盾の存在には賛成である。その理由は二つある。
　まず一つは、矛盾によって面白くなるということ。例えば、僕が見た中では「練習不足でも２０００m泳げる本」というものがあった。また、「〜するだけで１０キロ痩せる」と紹介する雑誌もあった。ダイエットも（僕には関係ないけど）、水泳も、続けなければ意味がないではないか。とはいっても、やはりそういうものの方が注意を引くのだろうか。確かに、「水泳上達」のようなタイトルであったなら帯にもあった「５０万部突破」ということがあったろうか。しかし、本当に「〜するだけ」で痩せられたら世の中太った人はいないよ。

　二つ目は、矛盾によって新たな発見があるかもしれないこと。友達との会話でも、多少はズレがある。それに、そうした方が話題も面白い。
　しかし、すべての矛盾を認めると、世の中が混乱する。だが、「悪いことがあるのではない。時と場合によってあるものである」というものもあるように、矛盾も必要だと思う。

　　　講評　　　kira

　くくれくん、こんにちは。的確な要約と主題の提示ができました。要約もふくめて全体的に短い文で構成されていますが、作文の練習としては、もう少し長めの文を重ねることを推奨します。
　まず、矛盾の面白味に注目しました。みんなが飛びつくキャッチコピーのなかにある矛盾です。わらにもすがりたいメタボ族にとっては、「○○だけで」は甘美な響きなのでしょうね。そうやって甘いものに惹かれるからまた太る。（笑）過剰広告になりそうな事例もお笑いねたのようにとらえると許せる感じになりますね。
　また、物事がすべて水が流れるごとくにすんなり通ってしまったら、何の進歩も発見もないでしょう。話の中でズレがあっておもしろくなったのは、どんな時のどんな話でしょう。
　たしかに理にかなっていなくてはならない場面もたくさんあります。しかし、何かを見出す矛盾は大事ですね。