創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   いつから世の中が矛盾を   きれあ

 最近の世の中には矛盾を頭から悪いものと決め付けてかかる人が多い。矛盾にも良いものと悪いものがあるのだ。悪い矛盾というのは正反対の物事がぶつかり合い相殺されてしまった、無為無能の状態だ。こういう矛盾や対立がつまらないものであるということははっきりとわかるだろう。だが一度こうした矛盾が不毛だとわかると、人は論理性が良いとそちらに走ってしまうのである。論理というのは一貫した意見のつながりで、飛躍やテーマの錯乱をしてはいけないものだ。きちんと一筋に繋がった論理は純粋で美しく、対立や撞着の入り込む余地もない。しかし、それだけではなんとも味気ないものである。そう考えると味気のない論理だけではなく、矛盾も良いものだと思える。
そう思える理由は二つある。一つは、矛盾からはいろいろな発展が生まれるということだ。正しくて論理に基づいただけの意見を言っているだけでは、そこから会話は発展しない。矛盾したことを言えば、その矛盾について話し合い、新しい発見をすることができるかもしれない。小さな矛盾に気づいて自分の意見が全く変わるかもしれない。そういった可能性を秘めているのが矛盾なのだ。
二つ目の理由は、矛盾のない世界などつまらないからだ。理にかなったことばかり言ってマンネリ化したような世界より、矛盾という新鮮な刺激があった方が楽しいだろう。代表的な娯楽のひとつであるお笑いも、一人が矛盾したことを言い、もう一人がそれを否定するという形式で笑いを取っていることは多い。正論しかない世界ではすべてのことが当たり前すぎてつまらないものになってしまうだろう。矛盾を楽しめることはとても重要なのだ。
ここまで矛盾の良さ、必要性を書いてきたが、もちろん理にかなった意見も大切で必要なものだ。教師や医者が矛盾したことを言えばやはり信用を無くすし、人を本気で説得しようとするときなどは論理的な話し方をしなければならないなど、矛盾があっては困ることも多い。だが、だからといって最初から矛盾は悪いものだと決め付け、すべてを排除してしまうのは間違っている。何事もしないものだけが失敗もしないという名言があるように、すべてを排除してしまえば矛盾を時と場合によって使い分ける必要もないだろう。しかしそれでは面白みが全くなくなった世界になってしまう。私たちはそれに耐えることなどできないはずだ。やはり矛盾はこの世界に必要なものなのである。

   講評   kira

 きれあさん、こんにちは。論旨をとらえ咀嚼した要約になっています。読む人にわかりやすく書けるのは、実力がある証拠です。
 「矛盾」とはつじつまがあわないことで、普通に考えれば良くない事です。しかし、物事がすべて水が流れるごとくにすんなり通ってしまったら、何の進歩も発見もないでしょう。矛盾は「可能性を秘めた」ものですね。
 「矛盾という新鮮な刺激」という指摘もいいですね。さとこさんは、こういう言い替えが上手です。お笑い芸人さんとは、矛盾を操ることに関して、非常に回転の速い頭脳の持ち主ですね。
 たしかに理にかなっていなくてはならない場面もたくさんあります。しかし、何かを見出す矛盾は大事ですね。
★まとめの、名言を引用したあとの部分。「すべてを排除してしまえば矛盾を時と場合によって使い分ける必要もないだろう。しかしそれでは面白みが全くなくなった世界になってしまう。」は、丁寧に名言を言い替えて説明しています。しかし、名言に含みをもたせる意味で、あえて説明を省略するほうが効果的な気もしますね。


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