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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   普段の小さな〝ありがとう〟   なみり

 三月十九日金曜日。学校の冷たく寒々とした静かな体育館で、いつも優しくけがや病気のとき手当てしてくださった保健の先生とお別れした。別れるとき私は悲しくて、胸が張り裂けんばかりだった。その先生は、私が時々足をくじいたり、転んですりむいたりすると、                       「ここが痛いのね。」
とおっしゃり丁寧に手当てしてくださった。
 私が一度、体育館で綱という上から垂れた綱の結び目に座り、揺らして遊ぶものから落下し保健室に行ったときは、落ちたときにぐにゃりとつぶれてひどく痛む足に、柔らかな手で湿布をはってくださった。貼った後の爽快さといったら、まるで四十度のお湯に長々とつかった後、いきなり冷たい氷水に飛び込んだような涼しさだった。こんな涼しさを体験したことのない人は大げさだと思うかもしれないが、絶対に大げさではない。私の足の痛みは、嘘のようにひいていった。
 私はそんな体験を思い出し、また一年前の、面白かった図書の授業担当の先生との別れも思い出した。いつも、
「先生もうすぐ定年だからな、先生を辞めちゃうんだぞ。」
と笑っていた先生も、お別れの話をなさるときは涙をぽろぽろ流して、声を詰まらせていた。それに二年前、アメリカに行ってしまったともだちとのわかれも思い出した。その子との別れは突然だったし、まだ学校に行く日も残っているときの別れだった。その友達からもらった手紙は、大切に保管してある。
 三月には、春になったという喜びもあり、好きな人との別れ、という悲しみもある。他の月には、お正月・クリスマス・運動会等目立つ行事がたくさんある。卒業式は、クリスマスのようにとても目立つわけではないと思う。しかし、人の存在の大切さが一番よく分かる行事だと思う。私は別れをとおして、初めてその人の本当の大切さが分かった。普段は何気に接している人でも、別れのときはいつものように接することはできないだろう。それは別れという事実をつきつけられて、その人が自分にとってどんなに大切な存在だったかを思い知らされるからだろう。ありがとうを言う間もないほどの別れの後に、それに気付く。言えなかったのは、〝ありがとう〟とたったの一言である。でも、言おうと思ったときにはすでに遅い。だから人は、普段の些細な相手の気遣いに、〝ありがとう〟を伝えるのではないか。いつかいつかと思っていると、時は待ってくれない。だから、別れの時以外にも、〝ありがとう〟を相手に伝える必要性について、私達はもっと考えた方がいいのではないだろうか。

   講評   komiko

 なみりちゃん、こんにちは! 初めての清書は、ここを直すといいですよ、とお話していたところをしっかりと直して、ていねいに入力してくれました。分せき結果もいいものになっています。よくがんばっていますね!

 次の五月七日(金)は、「大笑いをしたこと」「家族でスポーツをしたこと」のどちらかで書くことを決めておいてください。「暗しょうチェック」は、五月の暗唱長文1.2.3の三百字の暗唱にチャレンジしてくださいね!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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