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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   何が必要で何が不必要か   ピッピ

 私達は、くらしは手に入れるもので作られるのだと思いがちだ。しかし、くらしの姿勢を作るのは何を手に入れるかではなくて、本当は何を手に入れないかである。そう気付いた時に初めて私達と日々を共にし親しい毎日のくらしの仲間なのに特に大切にされているとはいえないくずかごの存在を知る。
 私には、最初は必要だと思ったが、実は不必要だったという物がある。それは、「箱」だ。私は工作が大好きで工作材料としてクッキーや和菓子の空き箱やカンを祖母からもらったり、母からもらったりしていた。
「お母さん、これ持っておいて。」
「自分の物なのだから自分の部屋に置いておきなさい。」
「えー?置くところなーい。どこにおけばいいの?」
空き箱をもらう度にこのようなやり取りが行われてきた。そしてついに箱がお城のように積み重なった。一番下にある空き箱は、
「いくら待っても重ねられるだけだ。もう耐えられない!使うなら早く使ってよ!!」
と汗をたらたら流しながら悲鳴をあげていた。その汗は箱の下までたれ、下にしいてあった布にくっきりと箱のあとをつけた。箱を集め始めてからもう一年は経つだろう。ある日、片付けをしながら、もうこの箱はいらないなあと思った。ごみ箱に箱を捨てる時、私はごみ箱のありがたみを感じていなかった。それはきっとくらしは何が不必要かということで作られることを知らなくて、物を捨てるのが当たり前になっていたからだろう。
 私は他にごみ箱のように重んじられていない物はあるかなと思ってさがしてみた。あった、あった。どこの家の洗面所にも必ず一つはあるはずだが、大したものではない。身なりを整えるには絶対に必要なのに。そう、鏡。この前の図工の時間に、自分の顔を粘土で作りましょう、そして顔を塗りましょうという時、私はトイレと自分の机の間を行ったり来たりしていた。どんな形でどんな色?大きさは?厚さは?次から次へと温泉のようにわきあがってくる疑問を解決するために、歩いたのだった。この時、私は鏡がいかに重要なものであったかを肌で感じた。決してなくてもよいものではないということを。
 こうして、私達は物を買う時の感覚があやまっていたのだということがわかった。何をもっていないかが大切。そのためには何がいるのか、何がいらないのかをしっかり区別しなければならないということが私達に求められているのだということを私はよく理解できた。ひっそりとテーブルの下や引き出しの中でくらしている私の家のごみ箱のようなあって当たり前という目立たない物にも目が行く心を私は育てられた。これからはそういう心をどんどん生かしていきたい。

   講評   onopi

 物についての見方が変わったことがよくわかる感想文です。どういう生活を送るのが本当の理想なのか、よく考えられました。
 

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