低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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矛盾は嫌なヤツ? ことのは
私は、矛盾というものはよいと思う。
第一の理由は、新しい発見や創造が生まれるからである。正確な、悪く言ってしまえばありきたりな視点で見ていても、容易には見つからない物事が見えるようになるのだ。斬新な発想、といったところだろうか。以前、あるテレビ番組で芸能人が
「アイスクリームにバルサミコ酢をかけるとおいしいんですよ。以外に相性がいいみたい。」
と紹介していた。アイスクリームにバルサミコ酢!? と、私は目を丸くして驚いた。もちろん開場も同じような反応を示した。「えーっ、まずそう」、「何だそれは」といった反応だ。アイスクリームにバルサミコ酢、である。常識で考えたらありえない組み合わせだ。いかにもまずそうとしか言えない。バルサミコ酢は、普通にスーパーで売られている酢とは違う。第一、透明な黄色をしていない。しかし、甘いアイスクリームに酸味の強い酢を混ぜたら、理科の実験のようなことになってしまうだろうと思ったのだ。私はそんな組み合わせは食べたくはなかった。そんな中、私の予想に反してスタジオでは評判であった。嫌悪をむきだしにしていた芸能人も、人が変わったように笑顔で食べていた。甘いものに酢。つまり矛盾しているのに美味だという。この他にも矛盾しているのにおいしいという組み合わせがある。料理は常に矛盾だらけ。裏を返せば新しい発見に満ちている。それらの発見は、私達人間をおおいに楽しませてくれるのだ。
第二の理由は、正しすぎるとつまらないからである。いかにも「良い子はマネをしてはいけません」と言われてしまいそうな意見だが、人間は基本的に不真面目だ。正しい行動をし続けていると疲れてしまう。たまにはハメを外して、いつもと違うとっぴな行動に出たくなるのである。例えば、言ったことを全て完璧に実行し、なおかつ普段も真面目一筋の人と、言ったことは適当にこなし、少しハメを外してみせる人がいるとする。どちらが親しみやすいかと聞かれれば、当然後者を選ぶだろう。ハメを外しすぎて、いつも遊んでばかりいるような人では迷惑で困るものの、真面目すぎる人もつまらない。一見堅苦しそうな学校の先生も「真面目にやりなさい」と注意しておきながら、内心ではふざけたいと思っている人も多いはずなのである。理にかなったことばかりでは束縛されているようで息苦しく、刺激がない。矛盾は生活に彩りを与える。
確かに、理にかなっていることは大切である。矛盾がこの世にあまりにもありすぎると、言っていることと現実があべこべになってしまう。全てがパラドックスのように歪み、捻じれ曲がって先が見えなくなる。それで矛盾を嫌う人も多いだろう。しかし、「悪いことそのものがあるのではない。時と場合によって悪いことがあるのである。」という名言があるように、矛盾も時と場合によっては必要となる。時と場合をわきまえれば、踊ろうが歌おうが関係ないのではないか。真面目にコツコツ取り組みつつ、時々ハメを外して、最低ラインの所で止め、再び真面目モードに戻る。世の中には料理のように矛盾だらけ、つまり矛盾を必要としているものもあるのである。だから私は矛盾はよいものだと思う。
講評 kaki
内容を見直して、清書ができたね。一段とレベルアップした感想文になりました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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