国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
適応力 かせり
小さい頃、夜に祖母と折り紙でしおりをつくったことがある。いつも祖母が私に手作りのしおりを送ってくれるので、祖母が遊びにきたときに教えてもらおうとしたのだ。その夜はなぜか私以外の家族は家にいなく、祖母と私二人だけだった。二人で黙々と折り紙を折り、完成したものをしおりとなる紙に貼ろうとしたとき、のりがないことに気づいた。私は家のどこにのりが置いてあるか知らず、聞こうとしても、聞く人がいなかった。私がしょうがないね、と言って諦めたとき、祖母はにっこり笑って「大丈夫よ」といった。祖母はそのままキッチンに向い、私の食べ残した米粒を手につけたままそれを紙の上にのばし、魔法のように折り紙を貼付けてしまった。このような適応力を私はもっと高く評価すべきだと思う。
そのためにはまず第一に小さい頃から外で遊ぶことだ。自然は人間がつくった道具ではないため、なにをするにも工夫して遊ばなければいけないからだ。小さい頃、遠足で森林公園に遊びにいった。そこには遊具もなにもなく、ただただ森がひろがっていた。いつもは登り望や滑り台で遊んでいたが、森にはなにもないため、代わりに木に登り、斜めになっている幹の部分を使い滑り台のようにして遊んだのを覚えている。このように、小さい頃からおもちゃやゲーム機ばかりで遊ぶのではなく、外に出て何にでもないが何にでもなる自然で遊ぶことで臨機応変に考えことを学ばせるのが大切だ。
また、学校教育でも、ペーパーテストだけでなく、実習や実験など応用力が試されるものを重視すべきだ。私が八年生の頃、理科の先生が授業に「本だけで勉強した医者と実際に生の体を目で見て触れて勉強した医者、どっちに診てもらいたい?」と尋ねたことがある。そのとき、クラス全員が即「体を目で見て触れて勉強した医者!」と答えた。すると先生が「そうですね。だから今度の授業で本物の豚の心臓を解剖します」と続けた。それまでは教科書を見てプリントに書き込む、という方法で勉強していたため、「心臓の構造を全て見つけ名前を書きなさい」と指示されたときには簡単なことだと思った。しかし、実際の心臓は写真のように色で分類されていなく、形も整っていなかったため、全ての構造を探すのに思ったよりもずっと時間がかかった。ペーパーだけで勉強しても応用力は身に付かない。適応力を育むためには学校での実習や実が必要なのだ。
確かに、体系的な知識を身につけることは大切だ。しかし、体系的な知識は応用力を兼ね備えていなければ役に立たない。本だけで勉強した医者が始めての心臓の手術で私のように「写真と全然違うから分かんない〜」と言っているようでは患者の命がなくなってしまう。体系的な知識をフル活用するには小さい頃に自然と触れ合い、学校の実習や実験で培った応用力が必要なのである。
講評 tama
第1段落: 知識は持っているだけでは意味がなく、使えてこそ本物だということですね。おばあさまの知識は「生活の知恵」であり、その場で最適な行動に結びつきました。このように、知識を生かすためには、生活や社会の現場での適応力が必要なのですね。
第2段落: 子どもの頃の外遊びは、体を鍛えるだけでなく、頭を鍛えるためのものなのだと気づくことができました。自然の中では、知識やマニュアルで対応できないことの方が多いですものね。
第3段落: 学校教育の取り組みについても、知識の有無を問う問題ではなく、現場で生かせるための実習・実験を重視することで、得点のための知識から使える知識になるということですね。よい実例を挙げて説明することができました。
第4段落: うまくまとまりました。非常に分かりやすいです。できれば自作名言を入れておくといいでしょう。
▲ 登り望 → 登り棒
▲ 実習や実 → 実習や実験(?)
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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