国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   時間   PINK

魏志倭人伝によると、海を渡って中国と交通する際に、必ず持哀と呼ばれる男を1人伴っていたという。航海中に一定の禁忌を守れば船が目的地に安着するというのは、流れない時、時間をこえた時のシンボルであったのだろう。時について考えるには、時の原初の意味においてとらえなおす必要がある。時はそれ自体が生きた一つの『もの』なのだ。現代の時間と古代の時間は違うし、私の時とあなたの時は違い、時間は決して一つにはならないのだ。決まりきった時間の枠に囚われている現代社会は問題だ。
 その原因として第一に、世の中が効率を求める方向に変化していったからだ。学校でも仕事でも、効率よく要領よく行える者が優位であり、時間を無駄にしないことが一番であるかのように考えられてきた。
 第二の原因としては、今現在のことに忙しく、せっかちな人間が増えたことだ。時の流れを楽しもうとはせず、決められた時間に沿って物事をこなすことが文明人として認められる条件なのだ。例えすばらしい景色に出会っても、時刻表ぴったりに運行することが優先であり、流れていく時を楽しむ要素は排除されている。特に日本は電車もほぼぴったりの時刻にホームへ滑り込み、次の駅へと消えていく。時間は生きたものではないと思っている人が少なくないのだ。
 確かに、社会に生きる人間としては、時間という共通の座標は必要だ。時間が決まっていなければ、友達と待ち合わせをすることも授業を定刻通りに始めることもできない。しかし、時間は人間が入るための枠組みではなく、有意義に生きるための目安なのだ。時間に縛られる現代社会は問題である。

   講評   kira

 PINKさん、こんにちは。太陽暦が採り入れられ、一日二十四時間になり、その一日が365日でひとつ歳をとると決められてからの私たちは、ずっと時間に追われているようですね。自分の時間はいったいどこへ行ってしまったのでしょう。
 その原因はまず、効率主義ですね。経済発展を可能にした大量生産大量消費のひとつの側面は、無駄を省くことでした。節約とは、もともと贅沢をするためのちょっとの我慢だったと思うのですが、節約自体が目標になって、全くゆとりのない社会となってしまいました。
 もうひとつは、今現在が全てであると考えるようになったことです。つまり、未来のための時間がなくなったことでした。実例が少し「効率化」とだぶってしまった感がありますね。ゆっくりあたため熟成させるゆとりを取り戻したいといった例を考えるとよさそうです。女の子が生まれたら庭に桐の木を植えるというのも、今は失せた時間感覚でしょうね。
 枠組みではなくあくまでも目安であると考えました。自分が主体となってはじめて、私たちは時間の深層にふれることができるでしょう。


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