国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   論より五感   まかじろう

「桜前線」という言葉があるが,季節感は微少感覚のものであり,日本列島全体を見下ろすスケールは,どうにも花見のさまではないと思う。桜の散り始めのある日,江田を離れた花びらを見ていて,これが地面に達するまでのあいだの状態を,ピタリと言い表す言葉がないのに気付き,どの動詞を入れてもピタリとゆかないのである。私のまだ知らないところに,あの美しさを表す言葉があるかもしれないが,もし日本語にそれがなければ,それは日本語の語彙の貧弱さを意味すると同時に,日本語になくてはならない言葉のように思えるのだが。僕は,この長文を読んで,日本語にも,ピタリと言い表すことのできない言葉もあるのだと分かった。
 僕は,今年のゴールデンウィーク五月一日から五月四日まで,家族で関西へ行った。兵庫,奈良,京都の一府二県でリフレッシュした。奈良と京都では,史跡めぐりでそれぞれ薬師寺,唐招提寺,平城宮跡,銀閣寺,北野天満宮に行ってきた。今から,その時の出来事を言い表してみる。思い出した言葉で,刻々と鮮明に表したい。光村図書の国語教科書五年上にも登場した薬師寺は,色の明暗がはっきりしていて……。早速言い表せなくなった。しかし,教科書にも見た資料,そして秋の改修工事の前に見物できて良かった。唐招提寺は,うっそうと茂った森の中に点在していた建造物が清らかだった。また,森の中の精霊を満喫しながら,鑑真の墓などを巡った。さすが,渡来人の技術だと感嘆した。平城宮跡は,とにかく広くて足が棒になった。唐招提寺のあとで,疲れがとれたと思っていたのに,いきなり負担がのしかかってきて,へとへとになった。昔の人は,この広い場所をよく歩いていたものだと,その持久力に驚いた。また,実際には建物がズラリと並んでいただろうから,きっと復元されていたら迷子になるはずだ。実態を把握できないのだから,無理難題だと思う。最後に残った銀閣寺。これも金閣とは一味も二味も違う物静かな雰囲気で,庭園には,野鳥も一羽。雄壮な森林に圧倒されながらも,森林浴が楽しめ,前日までの疲労感が遠い彼方へ吹き飛んでいった。ほとんどの場所を自分の言葉で言い表せたが,唯一薬師寺を論で巧みに表すことが出来なかった。どっちにしろ,言葉での説明ではどこか物足りない。最後の切り札,「百聞は一見に如かず」というから,自分の五感で体験した方がよいと思う。
 長文にあった,「自分の重みだけで,木を離れ,○○○てゆく」の○○○印に当てはまる言葉についてだが,僕はその部分に「舞い降りる」「舞ってゆく」と当てはめた。理由はとっさに脳裏をかすめ,また,落ちるでもこぼれるのでもないのなら,舞うしか選択肢がないからだ。日本語の語彙力は未だおとろえていないと思う。
 言葉とは,考えを伝える上で大切な手段である。どうしてかというと,言葉がなければ人類同士のコミュニケーションの大部分,そして意図を伝える手段を失ってしまうからである。しかし,最重要なことは,体験または経験することだ。大変なこと以外は。

   講評   arare


 題名をことわざを加工したものに変えて、とてもよくなりました。

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