- ● 日本復活の道筋 (490字) 森川林 nane 2024年04月17日 04時03分
15986 森川林日記より
工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。
世界の工場は、アメリカから日本へ、日本から中国へと移ったが、今はどこでも工場を作れるようになった。
だから、需要よりも供給が大きくなっている。(その例のひとつが百円ショップ)
宇宙開発とか海洋開発とかいうのは、期待はされているが、需要も雇用も大して生み出さない。
日本の特質は、大衆に創造性と勤勉性があることだ。
FacebookでもYouTubeでもXでも、見る人より作る人の方が多い。
日本で新しく生まれる経済は、創造的な文化の経済だ。
江戸時代に生まれたさまざまな文化的創造と同じものが、これから生まれる。
文化には、価格がない。
千利休の作った茶杓には、数万円のものがある。
価格は、利便性で決まるのではなく、文化的価値で決まる。
日本のこれからの道筋は、文化的経済を大衆的に発展させることだ。
そのために必要なのが、子供時代から創造の教育をすること。
あとは、思考力と共感力。
創造教育の要は、読書と暗唱と作文と、日常的な創造発表の機会。
探究学習はChatGPTでもできるから、大事なのは創造発表の学習だ。
- ● 言葉の森新聞2024年4月3週号 通算第1799号 (2899字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月15日 16時22分
15978 言葉の森オンライン新聞より
言葉の森新聞2024年4月3週号 通算第1799号
文責 中根克明(森川林)
■■総合選抜のゴールを大学入試だと思わないこと。大事なものはもっと先にある。その基礎になるものは読書と作文と人との交流
大学の総合選抜入試が、次第に一般的になってきました。
そこで共通しているのは、当然ですが、大学入試がゴールになっていることです。
高校生にとっても、保護者にとっても、大学入試は当面のゴールです。
しかし、その先を考えている人はあまりいません。
確かに、いい大学に入れば、いい就職ができます。
就職試験では、大学のブランドが影響します。
場合によっては、その前の高校のブランドも影響します。
しかし、大学名や高校名で採用を決める企業は、今がピークになっている古い企業です。
入ってよかったと思うのは、最初のうちだけです。
人間は、会社の肩に乗って仕事をするのではなく、自分の力で仕事をするべきです。
総合選抜で大学に入ったあとは、その自分の個性を生かして、学問に励むことです。
その学問を、自分の仕事にするように工夫していくことです。
そういう自分の人生を歩むために大事なことは、読書と作文と人との交流です。
■■次回の「森からゆうびん」に読書記録を載せます。読書力は学力の土台。学力のもとになるのは理解力と思考力。思考力のある子は、自然に難しい本を読みたくなる
読書は、何を読んでもいいのです。
小学校低学年であれば、漫画でも読む力をつけます。
しかし、小学校中学年になって学習まんがだけを読んでいると読書力が低下します。
学習まんがは、もちろん知識を身につけるので、読んでいいのですが、それ以外に字の多い本を読む必要があります。
読書力は、学力の土台です。
読書をしていない子は、勉強だけを一生懸命にしているように見えても成績はなかなか上がりません。
それは、理解する力と思考する力がついていないからです。
この読書力による学力の伸びの差は、中学生、高校生と学年が上がるごとに明らかになってきます。
本をよく読んでいると言っても、それが物語文中心であれば、中高生以上の学力は伸びません。
頭のいい子は、物語文だけの読書に物足りなさを感じるようになってきます。
もっと考える文章を読みたいと思うようになるのです。
それが、説明文や意見文の読書です。
説明文や意見文の読書を読みたいと思わないのは、まだ考える力が育っていないからです。
では、考える力を育てるためには、どうしたらいいかというと、それは説明文や意見文の本を読み慣れるしかないのです。
今の社会では、学校の成績だけが表面に出てきます。
だから、親も子も、成績には敏感です。
しかし、社会に出てから実力として生きてくるのは、学校時代の成績ではありません。
その子が、どれくらい自分で考えて、ものごとを理解して、自分で行動できるかということです。
その土台になるのが、読書と作文です。
勉強は、やる気になれば、すぐにできるようになります。
もちろん、すぐにとは言っても、科目によって数ヶ月かかることもあります。
しかし、理解する力と思考する力があれば、勉強の成績を上げるのは、短期間でできるのです。
理解力と思考力は、短期間では育ちません。
読書記録のそれぞれの生徒の冊数を見ても、毎日50ページ以上読んでいる子もいれば、1か月で1冊をやっと読む子もいます。
この読書の質と量の差は、今の教育の中では出てきません。
だから、多くの子供が、読書を後回しにしてしまうのです。
そこで、次回の「森からゆうびん」で、生徒ごとに最近読んだ本を表示します。
この読書記録を見て、これから有意義な読書に取り組むようにしていってください。
■■自分が知能テストだけは学年で1番だったわけ(その1)
これは、自慢話ではなく、今、小学校の特に低学年の子供さんを育てている方の参考になる話だと思うので書くことにしました。
というのは、小学校低学年の子の子育てで、考え違いをしている人が多いように思ったからです。
私は、学校で行われる知能テストは、6のときに3クラスある学年の中でいつも1番でした。
あるときは、点数が高すぎるから、やり直しをさせられたこともあります。
知能テストは1番でしたが、勉強はあまりせずに教科書に落書きばかり書いていたので、成績はクラスで10番ぐらいでした。
それは、小学校のときだけでなく、中学生になってからも同じでした。
しかし、中3になって、夏ごろから高校入試の勉強を始めると、見る見る成績が上がり、最後の学校の全体テストでは、学年で1番になりました。
だから、入った高校では、選抜クラスというところに入れられ、そのまま高3まで理科系の選抜クラスで勉強しました。
大学入試でどこを受けるかを決めるときに、自分の好きなものは何かと考えて、花が好きだと思いました。
近所の藪に咲いていた紫の野菊の花がきれいだったからです。
当時、国立大学で園芸学部があったのは千葉大と鳥取大だけだったので、横浜から通える千葉大を受けることにしました。
高校の先生との面談で、ほかの大学を勧められましたが、園芸学部と決めていたので、そのまま園芸学部を受験しました。
入試の本番では、当時読んでいた本の影響で、テストはいちばん早く終わらせていちばん早く出るのが格好いいと思っていたので、いちばん早く答案を提出して出てきました。
こういう経験から考えると、子供時代に大事なことは成績を上げることではなく、頭をよくすることだと思うのです。
成績などは、やる気になれば、すぐに上がります。
逆に、成績だけを上げていると、学年が上がるにつれて、成績が落ちてきます。
それは、成績の土台になる頭が育っていないからです。
わたしのうちの子供たちが保育園時代、友達はみんな、公文などでいろいろな勉強をしていました。
幼児ですから、遊びの中で、みんなが自分のできることを自慢することがあります。
うちの子だけは、その話についていけず、みんなの自慢を感心して聞いているだけでした。
あるとき、小学1年生に上がるかその前の小さい子供たちが、みんな、私の家に集まって暇そうにしていたので、ゲームをしたことがあります。
「だれが、いつどこで、何をしたら、どうなって、どうなった」という短文を書いて組み合わせるゲームです。
そういうゲームをすぐに喜んでする子と、なかなか思いつかずにいつまでも書けない子がいました。
私は、ふと、そのとき、算数の計算を仕方を知っているとか、難しい漢字を書けるとか、いろいろな知識を知っているとかいうことよりも、こういう短文作りのゲームを楽しめる子が、本当に頭のいい子ではないかと思いました。
実際に、小学校低中学年のころによくできていた子供たちが、意外と中学、高校で伸び悩み、平凡な成績になっていったのです。
だから、今、小学校低中学年の子育てをしているお母さん方は、成績を上げるようなことではなく、頭をよくすることに力を入れていくことだと思うのです。
(つづく)
- ● 言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号 (4123字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月08日 17時45分
15959 言葉の森オンライン新聞より
言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号
文責 中根克明(森川林)
■■算数数学の苦手な子は、夏休み中に1冊の問題集の解答を完璧に覚える勉強を――しかし、もっと大事なのは読書によって自分の考えを広げること
算数数学の苦手な子がいます。
苦手な原因は、前の学年でやるべき基礎ができていないことです。
また、できない子の多くは、勉強の仕方でも、できる問題だけを作業的にやっています。
だから、できない問題は、いつまでもできません。
どうしたら、できない問題ができるようになるかというと、それは、できなかった問題の解法を丸ごと覚えることです。
だから、解答をいつも横に置いて勉強を進めていくといいのです。
ところで、今の受験のための算数数学には、ただ生徒に点数の差をつけるだけの問題もあります。
テストの目的が、生徒の実力をつけるためではなく、生徒の間に点数の差をつけるためになっているのです。
教える先生の多くが、そういうテストをくぐり抜けてきた人なので、そういう勉強を教えることがいいことだと思って授業をしています。
算数数学を得意にするためには、今の学年、又は、その前の学年の問題集を1冊、夏休み中に完璧に仕上げることです。
しかし、算数数学ができるようになっても、受験には役立ちますが、人生にはあまり役立ちません。
例えば、因数分解には、いろいろなパターンがありますが、そういうパターンをいくら知っていても、それが勉強以外の何かの役に立つということはありません。
因数分解で解を見つけるかわりに、根の公式を使えば、答えは計算で求めることができます。
この公式を作った人は偉いと思いますが、普通の人は、必要に応じてこういう公式を利用すればいいのです。
同じような公式として、誰でも利用しているのが、三角形の面積、台形の面積、円の面積、球の体積などです。
もし、球の体積を忘れたとしても、それは調べればいいだけです。
なぜ忘れたかというと、日常生活で使う必要がなかったからです。
では、どういう勉強が役に立つかというと、それは幅広い読書です。
子供たちは、家庭と学校と友達という狭い枠の中で生活しています。
社会は無限と言っていいほど広いのに、子供たちの住む世界は、狭い与えられた枠に限定されています。
この枠を超えるものが、読書です。
枠を超える読書は、物語文の読書よりも、主に説明文の読書です。
中学生や高校生が読む本は、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書などにたくさんあります。
大学生や社会人になったら、もっと読書の幅を広げることができます。
自分らしい人生を見つけるためには、勉強に力を入れる以上に、読書に力を入れていくことなのです。
■■作文を上手に書くためのわかりやすい目標は、小学生は字数、中学生高校生は森リン点。しかし、大事なのは、作文を通して考える力を深めること、長文読解を通して読む力をつけること
子供の書いた作文を見ると、お母さんやお父さんは、その作文に対してアドバイスをしたくなると思います。
しかし、そのアドバイスは、多くの場合、子供のやる気をなくさせる結果になります。
学校教育でも、作文指導に熱心な先生に教えられると、クラスの多くの子が作文嫌いになるという結果が出ています。
作文は、教えたくなるものですが、教えるものではなく、いいところを認めてあげるものなのです。
では、そのいいところは何かというと、基本は事前の項目指導ですが、作文指導の経歴の長い先生は、すぐに生徒の作文のいいところを見つけることができます。
作文指導の経験の少ない人ほど、子供に、いろいろな注意をします。
それらの注意は、どれもまともな注意ですが、大半の子はそれで作文が嫌いになります。
作文を上達させるための基本は、まず読書の量を増やすことです。
次に、字数を、学年の100~200倍まで書けるようにすることです。
例えば、小学6年生であれば、いつも600~1200字の作文を書けるようになるということです。
中高生の場合、字数1200字以上ということができれば、それからは森リン点の上昇を目指すことです。
ただし、森リン点は、1年間に2ポイント程度しか上がりません。
作文の上達には、時間がかかるのです。
ところで、作文を教えている教室は、言葉の森以外にもあると思います。
しかし、それらの教室のほとんどは、何のために作文を教えているのかという目標がありません。
例えば、最近の作文通信教育講座ぶんぶんドリムのキャッチフレーズは、「伝えたいこと、言葉にできますか?」でした。
作文でも、会話でも、誰でも、自分の言葉で自分の考えを伝えています。
例えば、お腹が空いていれば、誰でも、「おなかがすいた」といいます。
伝えたいことがあれば、誰でもそれを伝えます。
こういう条件反射的な言葉を使えることが、作文教育の目標なのではありません。
小学校高学年になると、「人間にとって食事とは、何か」と考えるような主題が作文の中心になります。
食事は、栄養であるとともに、文化であり、また回りの人との交流の機会でもあります。
そういうことを考えることが、作文を通して考えるということです。
では、そういう考えを深めるためには、どうしたらいいのかというと、それは作文の表現を工夫するより前に、読書と対話に力を入れることなのです。
4月2日に、「森からゆうびん」で、全生徒の作文字数の推移と、読解検定の推移のグラフを送りました。
これが、これからの作文の勉強の出発点です。
まず、字数が学年の200倍以上になることを目指していきましょう。
字数が書けるようになった人は、森リン点が86点以上になることを目指していきましょう。
読解検定については、平均点を60点前後と考えて、いつでも60点以上取ること目指していきましょう。
■■これからの勉強の中心は、創造と発表。知識を詰め込むだけの勉強や、点数の差をつけることを目的にした勉強で高得点を取れるようになることは時代遅れに
勉強の目的は、実力をつけることです。
そして、その実力の土台の上に、創造性を生かし、社会に貢献できるようになることです。
しかし、今の日本の教育では、実力をつける勉強よりも、競争に勝つことが勉強の目的になっています。
例えば、先日、中学生の数学の問題集につぎのような例題が載っていました。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/4061525270.jpg
(そんなに面白い問題ではないので、考えなくていいです。)
人間の頭脳は、立体をそのまま把握することに慣れていません。
だから、難問には、立体が使われることが多いのです。
しかし、そういう問題が出されるのは、その問題を解けるようになることが、人生にとって必要だからではなく、点数の差をつける競争に勝つために必要だからです。
確かに、こういう問題は、解法の手順に沿って考えれば理解できます。
しかし、それは、数学の問題というよりも、読解の問題です。
読解力をつけることは大事ですが、この問題を解くこと自体には意味がありません。
それなのに、なぜこういう問題が出されるかというと、それはただ○と×の差をつけるためなのです。
このような必要以上の難問が出されることによる弊害は2つあります。
ひとつは、勉強のよくできる子は、無意味な勉強に時間を取られることです。
もうひとつは、勉強のふつうにできる子は、勉強が嫌いになることです。
勉強の先にあるものは、入試に合格することではなく、社会に出て活躍することです。
社会に出て仕事をするために必要だから勉強をするのであって、競争に勝つために勉強をするのではありません。
しかし、今は、ほとんどの子は、競争に勝つための勉強に追われています。
昔の教育では、できない子がいると、先生はその子ができるようになるまで教えました。
例えば、寺子屋時代の教育は、全員ができるようになるための教育でした。
だから、勉強の中心は、素読や暗唱や算盤(そろばん)でした。
その先の勉強をしたい子は、更に高度な本を読む勉強に進みました。
今の教育は、子供たちに差をつけるための教育になっています。
だから、先生も、その差をあきらめているのです。
勉強を本来の目的に戻すためには、2つのことが考えられます。
ひとつは、実力をつけるための勉強は、能率よく行うことです。
そのためには、勉強の中心は家庭での自主学習とすることです。
家庭での自主学習は、ChatGPTなどの利用で現実的なものになってきています。
そして、今の基準で言えば、どの教科も80点以上、5段階の成績でオール4以上が取れることを目標にすればいいのです。
100点を目指したり、オール5を目指したりする勉強は、競争時代の勉強です。
もうひとつは、創造と発表の勉強に力を入れることです。
昔は、創造と発表の勉強というのは、遊びのように見なされていました。
それは、創造力や発表力は、受験のためには必要がなかったからです。
創造を生かすのではなく決められたとおりにやること、発表ではなく言われたことを素直に吸収することが、かつての勉強の中心でした。
しかし、近年の大学入試における総合選抜の広がりに見られるように、時代は変わっています。
社会全体が、創造と発表を求めるようになってきているのです。
高校における探究学習も、この流れのひとつです。
しかし、探究学習も、これからは時代遅れになります。
読書感想文コンクールが時代遅れになったように、探究学習もわざわざ学習と呼べるようなものではなくなっています。
ChatGPTを利用すれば、必要な探求学習は数時間でできます。
これから大事になるのは、その探求の結果をもとに、自分がどういう問題意識を持ち、何を創造するかということです。
この創造とセットになっているものが発表です。
これからの勉強は、実力をつけるための勉強と、創造と発表の勉強になっていくのです。
- ● 言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号 (4123字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月08日 17時45分
15958 言葉の森オンライン新聞より
言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号
文責 中根克明(森川林)
■■算数数学の苦手な子は、夏休み中に1冊の問題集の解答を完璧に覚える勉強を――しかし、もっと大事なのは読書によって自分の考えを広げること
算数数学の苦手な子がいます。
苦手な原因は、前の学年でやるべき基礎ができていないことです。
また、できない子の多くは、勉強の仕方でも、できる問題だけを作業的にやっています。
だから、できない問題は、いつまでもできません。
どうしたら、できない問題ができるようになるかというと、それは、できなかった問題の解法を丸ごと覚えることです。
だから、解答をいつも横に置いて勉強を進めていくといいのです。
ところで、今の受験のための算数数学には、ただ生徒に点数の差をつけるだけの問題もあります。
テストの目的が、生徒の実力をつけるためではなく、生徒の間に点数の差をつけるためになっているのです。
教える先生の多くが、そういうテストをくぐり抜けてきた人なので、そういう勉強を教えることがいいことだと思って授業をしています。
算数数学を得意にするためには、今の学年、又は、その前の学年の問題集を1冊、夏休み中に完璧に仕上げることです。
しかし、算数数学ができるようになっても、受験には役立ちますが、人生にはあまり役立ちません。
例えば、因数分解には、いろいろなパターンがありますが、そういうパターンをいくら知っていても、それが勉強以外の何かの役に立つということはありません。
因数分解で解を見つけるかわりに、根の公式を使えば、答えは計算で求めることができます。
この公式を作った人は偉いと思いますが、普通の人は、必要に応じてこういう公式を利用すればいいのです。
同じような公式として、誰でも利用しているのが、三角形の面積、台形の面積、円の面積、球の体積などです。
もし、球の体積を忘れたとしても、それは調べればいいだけです。
なぜ忘れたかというと、日常生活で使う必要がなかったからです。
では、どういう勉強が役に立つかというと、それは幅広い読書です。
子供たちは、家庭と学校と友達という狭い枠の中で生活しています。
社会は無限と言っていいほど広いのに、子供たちの住む世界は、狭い与えられた枠に限定されています。
この枠を超えるものが、読書です。
枠を超える読書は、物語文の読書よりも、主に説明文の読書です。
中学生や高校生が読む本は、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書などにたくさんあります。
大学生や社会人になったら、もっと読書の幅を広げることができます。
自分らしい人生を見つけるためには、勉強に力を入れる以上に、読書に力を入れていくことなのです。
■■作文を上手に書くためのわかりやすい目標は、小学生は字数、中学生高校生は森リン点。しかし、大事なのは、作文を通して考える力を深めること、長文読解を通して読む力をつけること
子供の書いた作文を見ると、お母さんやお父さんは、その作文に対してアドバイスをしたくなると思います。
しかし、そのアドバイスは、多くの場合、子供のやる気をなくさせる結果になります。
学校教育でも、作文指導に熱心な先生に教えられると、クラスの多くの子が作文嫌いになるという結果が出ています。
作文は、教えたくなるものですが、教えるものではなく、いいところを認めてあげるものなのです。
では、そのいいところは何かというと、基本は事前の項目指導ですが、作文指導の経歴の長い先生は、すぐに生徒の作文のいいところを見つけることができます。
作文指導の経験の少ない人ほど、子供に、いろいろな注意をします。
それらの注意は、どれもまともな注意ですが、大半の子はそれで作文が嫌いになります。
作文を上達させるための基本は、まず読書の量を増やすことです。
次に、字数を、学年の100~200倍まで書けるようにすることです。
例えば、小学6年生であれば、いつも600~1200字の作文を書けるようになるということです。
中高生の場合、字数1200字以上ということができれば、それからは森リン点の上昇を目指すことです。
ただし、森リン点は、1年間に2ポイント程度しか上がりません。
作文の上達には、時間がかかるのです。
ところで、作文を教えている教室は、言葉の森以外にもあると思います。
しかし、それらの教室のほとんどは、何のために作文を教えているのかという目標がありません。
例えば、最近の作文通信教育講座ぶんぶんドリムのキャッチフレーズは、「伝えたいこと、言葉にできますか?」でした。
作文でも、会話でも、誰でも、自分の言葉で自分の考えを伝えています。
例えば、お腹が空いていれば、誰でも、「おなかがすいた」といいます。
伝えたいことがあれば、誰でもそれを伝えます。
こういう条件反射的な言葉を使えることが、作文教育の目標なのではありません。
小学校高学年になると、「人間にとって食事とは、何か」と考えるような主題が作文の中心になります。
食事は、栄養であるとともに、文化であり、また回りの人との交流の機会でもあります。
そういうことを考えることが、作文を通して考えるということです。
では、そういう考えを深めるためには、どうしたらいいのかというと、それは作文の表現を工夫するより前に、読書と対話に力を入れることなのです。
4月2日に、「森からゆうびん」で、全生徒の作文字数の推移と、読解検定の推移のグラフを送りました。
これが、これからの作文の勉強の出発点です。
まず、字数が学年の200倍以上になることを目指していきましょう。
字数が書けるようになった人は、森リン点が86点以上になることを目指していきましょう。
読解検定については、平均点を60点前後と考えて、いつでも60点以上取ること目指していきましょう。
■■これからの勉強の中心は、創造と発表。知識を詰め込むだけの勉強や、点数の差をつけることを目的にした勉強で高得点を取れるようになることは時代遅れに
勉強の目的は、実力をつけることです。
そして、その実力の土台の上に、創造性を生かし、社会に貢献できるようになることです。
しかし、今の日本の教育では、実力をつける勉強よりも、競争に勝つことが勉強の目的になっています。
例えば、先日、中学生の数学の問題集につぎのような例題が載っていました。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/4061525270.jpg
(そんなに面白い問題ではないので、考えなくていいです。)
人間の頭脳は、立体をそのまま把握することに慣れていません。
だから、難問には、立体が使われることが多いのです。
しかし、そういう問題が出されるのは、その問題を解けるようになることが、人生にとって必要だからではなく、点数の差をつける競争に勝つために必要だからです。
確かに、こういう問題は、解法の手順に沿って考えれば理解できます。
しかし、それは、数学の問題というよりも、読解の問題です。
読解力をつけることは大事ですが、この問題を解くこと自体には意味がありません。
それなのに、なぜこういう問題が出されるかというと、それはただ○と×の差をつけるためなのです。
このような必要以上の難問が出されることによる弊害は2つあります。
ひとつは、勉強のよくできる子は、無意味な勉強に時間を取られることです。
もうひとつは、勉強のふつうにできる子は、勉強が嫌いになることです。
勉強の先にあるものは、入試に合格することではなく、社会に出て活躍することです。
社会に出て仕事をするために必要だから勉強をするのであって、競争に勝つために勉強をするのではありません。
しかし、今は、ほとんどの子は、競争に勝つための勉強に追われています。
昔の教育では、できない子がいると、先生はその子ができるようになるまで教えました。
例えば、寺子屋時代の教育は、全員ができるようになるための教育でした。
だから、勉強の中心は、素読や暗唱や算盤(そろばん)でした。
その先の勉強をしたい子は、更に高度な本を読む勉強に進みました。
今の教育は、子供たちに差をつけるための教育になっています。
だから、先生も、その差をあきらめているのです。
勉強を本来の目的に戻すためには、2つのことが考えられます。
ひとつは、実力をつけるための勉強は、能率よく行うことです。
そのためには、勉強の中心は家庭での自主学習とすることです。
家庭での自主学習は、ChatGPTなどの利用で現実的なものになってきています。
そして、今の基準で言えば、どの教科も80点以上、5段階の成績でオール4以上が取れることを目標にすればいいのです。
100点を目指したり、オール5を目指したりする勉強は、競争時代の勉強です。
もうひとつは、創造と発表の勉強に力を入れることです。
昔は、創造と発表の勉強というのは、遊びのように見なされていました。
それは、創造力や発表力は、受験のためには必要がなかったからです。
創造を生かすのではなく決められたとおりにやること、発表ではなく言われたことを素直に吸収することが、かつての勉強の中心でした。
しかし、近年の大学入試における総合選抜の広がりに見られるように、時代は変わっています。
社会全体が、創造と発表を求めるようになってきているのです。
高校における探究学習も、この流れのひとつです。
しかし、探究学習も、これからは時代遅れになります。
読書感想文コンクールが時代遅れになったように、探究学習もわざわざ学習と呼べるようなものではなくなっています。
ChatGPTを利用すれば、必要な探求学習は数時間でできます。
これから大事になるのは、その探求の結果をもとに、自分がどういう問題意識を持ち、何を創造するかということです。
この創造とセットになっているものが発表です。
これからの勉強は、実力をつけるための勉強と、創造と発表の勉強になっていくのです。
- ● 単なる作業 (139字) 森川林 nane 2024年04月08日 08時12分
15956 森川林日記より
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞書を借りることにしてそれを書き写した。
1冊を全部書き写したあと、生活の足しにするため、書き終えた辞書を売り、もう1冊を改めて書き写した。
人生には、こういうことが多い。
それを、
シモーヌ・ヴェイユの言った恩寵だと思うこと。
- ● 勉強は、人に教えてもらうのではなく (104字) 森川林 nane 2024年04月07日 02時29分
15955 森川林日記より
勉強は、人に教えてもらうのではなく、
自分で学べばよい。
たまに、どうしてもわからないことがあるときだけ、
人に聞けばよい。
受験勉強は、答えのある勉強だから、考える必要はない。
考えるのは、もっと創造的なことだけだ。
- ● 言葉の森新聞2024年4月1週号 通算第1797号 (8138字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月03日 09時55分
15954 言葉の森オンライン新聞より
言葉の森新聞2024年4月1週号 通算第1797号
文責 中根克明(森川林)
■■「森からゆうびん」というA4葉書をお送りしました。作文字数グラフ、読検得点グラフが表示されています
4月2日に「森からゆうびん」というA4葉書を生徒のみなさんにお送りしました。
海外の方には、郵送はできませんので、ウェブ上で見られる場所を作ります。
内容は、作文の字数の推移、読解検定の得点の推移、そして最近のホームページの記事の冒頭部分です。
それぞれの記事には、QRコードがついているので、ウェブで見ることもできます。
これまで、生徒ごとの字数や得点の推移というデータはありましたが、それを表示しているページは見つけにくかったと思います。
そこで、これからは、定期的に、学習状況の結果をアナログの媒体でお送りすることにしました。
今後は、作文字数、読解検定得点のほかに、国語・算数数学・英語の問題集の学習状況、確認テストの得点推移なども送る予定です。
さて、これらのグラフをどう見るかということですが、作文の字数については、それぞれの生徒の作文の実力を表しています。
字数が、学年の200倍以上(小1は200字以上、……、小6以上は1200字以上)書けていれば、実力的には十分です。
字数がそこまで達していない場合でも、1年間の字数の推移のグラフが、わずかでも右肩上がりになっていれば、作文力が上達していると考えられます。
読解検定の得点については、平均点と比較して、平均点よりも高い得点であれば、よくできていると考えてください。
月によって、問題の難易度が違うので、グラフが上に行ったり下に行ったりすることがありますが、平均点と比較して自分の得点を見てください。
読解検定が88点以上の人は、読解検定ランキングというページに表示されています。
https://www.mori7.com/dokken/dk_rank.php
作文の字数グラフは、作文クラスの人に表示されています。
読解検定の得点グラフは、読解検定を受けた人に表示されています。
グラフを見て、これからの勉強の目標にしていってください。
▼サンプル
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/3311235300.jpg
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/3311235090.jpg
■■共感力とは何か――思考力、創造力、共感力を育てることが勉強の目的。あともうひとつ科学力もあるが。
「虹の戦士」の話の中で、老婆が語る最後の言葉は、こうです。
「愛と喜びをみんなの間に広げることだけが、この世界の憎しみを、理解とやさしさに変えることができる。この世界から、いっさいの戦争と破壊をなくするために、残された道はもはやそれひとつしかない」
共感力とは、こういう考え方を表す概念です。
塩谷さんは、同じことを、「大和(だいわ)の御代(みよ)」という言葉で言い表しました。
大和とは、自分の平和、家族の平和、日本の平和、世界の平和を超えて、あらゆるものが平和に生きることです。
人間に対してだけでなく、すべての生き物に対して、鳥でも、虫でも、木々でも、また、生き物を超えて、空でも、風でも、太陽でも、そこにそう存在しているものすべてを温かい目で見る感性が共感力です。
では、共感力は、どのようにして育つのでしょうか。
それは、決心です。
あらゆるものを愛そうとする決心によって、人間は共感的な人間になるのです。
■■今日は読書3冊。世の中は、いい方向に変わっている
目白駅に行かなければならない用事があったので、本を3冊カバンに入れて、行き帰りで読むことにした。
行きに1時間半、帰りに1時間半ぐらいだから、たっぷり読めた。
本棚から急いで取り出したので、かなりランダムだが、
「日本転生」(苫米地英人)
「ChatGPTプログラミング1年生」(森巧尚)
「シリウス宇宙連合アシュター司令官VS保江邦夫緊急指令対談」(保江邦夫・江國まゆ)
もうすでに読んでいたものもあったが、繰り返し読んでもいいと思ったので持っていった。
3冊の読後感をまとめてひとことで言えば、世の中はいい方向に変わっているということだ。
特に、苫米地さんの話は、一昔前だったら言えなかっただろうことが書かれている。
保江さんも、そう。
ChatGPTは、これから中学生以上の生徒全員がアカウントを取得するといいと思う。
野口悠紀雄さんの「ChatGPT超勉強法」にも書いてあったが、もう、先生という仕事は要らなくなると思う。
そのときの新しい教育の方向はわかっている。
それは、ひとつは作文と創造発表とプログラミングだ。
しかし、もうひとつ、国数英理社の教科の勉強をひととおりしておく必要がある。
それは、基礎学力、総合学力、全科学力でまとめて短時間でやればいい。
勉強を短時間で済ませて、空いた時間は、自分の好きなことと難読に力を入れることだ。
苫米地さんの本で、共感したところが、学生は難しい本をしっかり読めということだった。
考える力のある人は、すべて読書の大切さを知っている。
とりとめのない話になってしまったが、今日は充実した一日だった。
■■なぜ新しいことと学ぶのか――パソコン、ChatGPT、3Dプリンタ、仮想通貨、クラウドファンディング、その他
総合学力クラスの小学4年生の生徒が、創造発表の週の授業のとき、自分の作ったキャラクタを紹介して、「いつか、このキャラクタを売れるようにしたい」と言っていました。
大物(笑)。
昔ながらの国算英理社を勉強していただけでは、こういう発想は生まれません。
昔の勉強は、仕事をさせられる人になることが目標で、仕事をする人になることではなかったからです。
経済が発展しているときは、仕事をするためのハードルは低いものでした。
勉強は、そこそこできれば、自分で新しい仕事を始めることができました。
松下幸之助、本田宗一郎、井深大(まさる)は、学校の勉強は、普通にそこそこできていただけだと思います。
少なくとも、超エリートと呼ばれるような学歴では全くありませんでした。
しかし、日本が戦後の復興に向けて、新しい社会を作ろうとしているときに、高学歴は必要なかったのです。
必要なことがあれば、必要なときに学べばいいので、学ぶ力と意志があれば、学ぶことはあとからいくらでも身につけることができたのです。
しかし、その後、日本の経済は停滞しました。
量的には発展していましたが、質的には停滞していきました。
できあがったものを改良して増やしていくだけの経済になったのです。
今も、その時代は続いています。
だから、今の若者の多くは、大学入試のゴールを達成したあと、大企業に入社することをゴールにしています。(一部は、違いますが)
もちろん、それは、悪いことではありません。
企業の大きな肩の上に乗って、自分の個性を更に大きく伸ばすことはできます。
しかし、それは沈んでゆく豪華客船の上で、よりよい上の階に移ることでしかないように思うのです。
新しい時代は、新しい小船に乗って始めることです。
今はまだ、そういう選択は無謀のことのように思えます。
しかし、世の中の変化が迫っているときには、早めに無謀なことに挑戦していくのがいいのです。
明治時代に入る前の福沢諭吉の選択に賛同する人は、家族でも友人でも知人でも誰ひとりいませんでした。
みんなから認められるようなことは、時代の変革期には時代遅れのことなのです。
ところが、新しい時代に挑戦するためのベースは、松下幸之助、本田宗一郎、井深大が生きていた時代とは違っています。
その違いを理解することが大事です。
第一は、現代の新しいテクノロジーを前提にすることです。
それが、パソコン、ChatGPT、3Dプリンタ、仮想通貨、クラウドファンディングなどです。
しかし、新しいテクノロジーをそのまま使うようなものは、すぐに競争過多になります。
中国のシェアサイクルは、一時は広まりましたが、今残っているの会社はわずかです。
結局、競争が過多になるものは、工夫を続けるところしか生き残ることができません。
だから、必要なことの第二は、読書によって自分の考えを深めることです。
単に新しいものに着手するだけではなく、そこに自分なりの哲学を作っていくことです。
新しい技術と古い読書、これが、これからの子供たちの学ぶべきものの基本です。
しかし、子供たちの保護者である、お父さんやお母さんの多くが、どちらも苦手であることが多いのです(笑)。
大人の人が今から読書をがんばるのは難しいので、とりあえず、子供と一緒に新しい技術に接していくことが大事になると思います。
■■国語読解問題の解き方のコツ――理詰めに解く方法を理解するためには、保護者の協力が必要
国語というのは、日本語のことですから、普段誰でも日常的に使っている言葉です。
その言葉で国語の読解問題を出すのですから、問題を出す人は工夫をします。
工夫のひとつは、難しい文章を問題を出すことです。
これは、誰でも考えつきます。
だから、国語の問題文には、悪文が多いのです(笑)。
悪文の例は、「前者」とか「後者」とかいう言葉を使うことと、「それ」とか「その」とかの指示代名詞を使うことです。
だから、作文には、こういう言葉を使わずに、できるだけ具体的に書いていく方がいいのです。
さて、国語の問題を作る人のもうひとつの工夫は、合っていそうなものを正解にするのではなく、間違っていないものを正解にするような選択肢を作ることです。
読解検定をやっていて、なかなか点数が上がらないという人は、この解き方のコツを理解してください。
そして、もうひとつは、問題集読書で、難しい文章を読み慣れておくことです。
読解問題の解き方は、次の記事を参考にしてください。
▼国語の勉強法
https://www.mori7.com/bennkyou.html
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……
実際の問題文は、ここに載せた文章の6、7倍あります。普通の高校生でこういう文章を読むと、大体最後の方には意識が朦朧(もうろう)としてきます。設問を見て、問題文を読み直す気力が失せた状態で選択問題を解くので、合っていそうなものに○をつけてしまうのです。
設問を一つずつ見ていきましょう。
1は、「哲学の場合、対象へのアプローチの仕方を説得できることが重要」などとどこにも書いていないので×です。
2は、特に間違っているところはないので保留です。
3は、「学問は自分とのかかわり方をより望ましい方向へ持っていくために知識を得る」などとどこにも書いていないので×です。むしろ、その反対のことが書かれています。
4は、「学問は、自分とのかわわりを知るために考える」などとどこにも書いていないので×です。これも、その反対のことが書かれています。
5は、「哲学は、自分自身を知ることを目的として問いを立てる」などとどこにも書いていないので×です。これは、この設問自体について言えば、合っているとも合っていないとも言えませんが、問題文との関連で当てはまらないということです。
したがって、正解は、特に間違ったことを言っていない2ということになります。
国語の選択問題はすべてこのような発想で解いていきます。ですから、難しいことは何もありません。ただし、大量の文章をこのように読みこなしていくためには、まず問題文自体をすらすらと読める力が必要です。そのためにも、問題文を繰り返し読む勉強法が有効なのです。
====
こういう理詰めの読み方は、子供だけではなかなかできません。
しかし、先生が授業の中で、こういう読み方を説明することもできません。
一斉指導で説明することはできますが、一斉指導で理解する子はほとんどいません。
一人ひとりのそれぞれの選択肢について、本人が納得するまで説明する必要があるからです。
だから、国語の読解問題は、結果が返却されたあと、お母さんが一緒に見てあげることが必要になります。
問題の中には、お母さんが見てもうまく説明できないものがあると思います。
そのときは、国語読解掲示板に書いてください。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=45
そのときに、ただ「わかりません」と書くのではなく、「こう思ったのですが、なぜ……ですか」と本人の考えも書いておくといいです。
こういう質問のできる子は、みんな国語が得意教科になります。
■■小学生の作文は、小学5年生から急に難しくなり、中学1年生から新しい書き方の意見文になり、中2、中3と意見文が発展し、高校生で更に難しい小論文になる
言葉の森のほかにも、いろいろな作文講座や作文教室があります。
そういうところの指導のほとんどは、小学生どまりです。
小学生の作文の勉強では、小学4年生までは、生活作文という事実中心の作文です。
この事実中心の作文を表現豊かに書くことが、小学生の作文のひとつの目標です。
しかし、小学5年生からは、事実文ではなく説明文の課題になります。
説明文の場合も、作文の中身は事実が中心ですが、大事なことは、その事実を通してより抽象的な主題があることです。
例えば、小学3、4年生の子が、友達のことを作文に書く場合、友達との出来事だけで作文を書くことができます。
「友達とあんなことをした。こんなことをした。」という作文です。
しかし、小学5、6年生になると、友達との出来事だけでなく、「人間にとって友達とは何か」という抽象的な主題が出てきます。
その「人間にとって友達とは」という主題に合わせた出来事を見つけて書くというかたちになってくるのです。
これが、中学生になると、更に主題中心の展開になります。
自分の意見という主題に合わせて、その主題に合う事実を構成するという書き方になります。
作文の学習には、こういう発想の進歩があるのです。
作文は、小学5年生から本格的に難しくなります。
小学校の高学年まで作文の勉強を続けなければ、低学年から作文の勉強を始めた意味がありません。
言葉の森のほかの作文講座の中には、「小学1年生から6年生まで」とうたっているところもあります。
こういう作文講座では、小学5、6年生の作文指導も十分にはできません。
作文の勉強では、中学生、高校生までの作文指導があるのが当然で、その流れの中で、小学校高学年の作文指導もあります。
ということで、新しく小学5年生になるみなさんは、新学年になると、作文の課題が急に難しくなったと感じると思いますが、それが自分を成長させるのだと思ってがんばってやっていってください。
小学5年生の字数の目標は1000字、小学6年生の字数の目標は1200字です。
こういう字数も平気で書けるように、作文と読書に力を入れていってください。
■■探究学習ではなく、創造発表学習
高校で探究学習が始まっています。
これは、いいことですが、私はその先の学習があると思います。
探究学習は、自分の興味関心のあるものを探求していくことです。
しかし、現在、探求学習のための手段は、参考書よりもネット検索、ネット検索よりもChatGPTの時代になっています。
探求は、昔のように時間のかかる学習ではなく、誰でも数時間でできる学習になっているのです。
探求は、出発点です。
探求のあとに、本当の学習が始まります。
それが、創造と発表の学習です。
しかし、創造と発表の学習のカリキュラムはまだできていません。
昔、言葉の森が、作文の学習を始めたときも、作文のカリキュラムはありませんでした。
言葉の森が、小1から高3までの作文のカリキュラムを作りました。
今は、創造発表の学習が始まろうとしている時代です。
このカリキュラムを作り、誰もが創造発表の学習に取り組めるようにすることがこれからの教育の課題です。
■■デジタルからアナログへ
「デジタルからアナログへ」というと、時代遅れのようなタイトルですが、今の世の中でデジタルはもうほぼ完成しつつあるので、これからはアナログの時代になるということです。
今の社会の特徴は、デジタル情報の過剰です。
例えば、ChatGPTを使えば、ブログの記事などはいくらでも作ることができます。
Google検索でも、最初に出てくるのは、SEO対策をやっているサイトの記事ばかりです。
しかも、Googleも、Facebookも、YouTubeも、根拠不明の情報コントロールをしています。
だから、みんな、もうそういう情報には飽き飽きしています。
ひとことで言えば、デジタル情報は、あてにならないと多くの人が思っているのです。
昔、新聞の折り込み広告が盛んだったころは、折り込み広告自体が、貴重な情報源でした。
しかし、いま、折り込み広告を情報源として見る人はいません。
それよりも、新聞自体をとる人がいなくなっています。
新聞やテレビの情報はあてにならないと、多くの人が感じているのです。
では、あてになる情報とは、何でしょうか。
それは、自分が信頼している特定の人が言っている情報です。
それが、アナログの情報なのです。
言葉の森には、講師が個々に発信する「個別れんらく」や「発表室連絡」という媒体があります。
また、保護者懇談会や個人面談という媒体もあります。
こういうリアルな情報のやりとりができるのが、アナログのコミュニケーションです。
今回、「森からのてがみ」というタイトルで、A4葉書を郵送で送ることにしました。
アナログですから、載せる情報の量は限られていますが、それはQRコードでカバーしています。
こういう手に触れることのできるコミュニケーションに力を入れていくのが、言葉の森の今後の方針です。
ところで、アナログの情報のもとになるものは、デジタルのデータです。
コミュニケーションはアナログであっても、データはデジタルをもとにしたものであることが必要です。
だから、言葉の森の今後の方向は、アナログのデジタルです。
デジタルのアナログと言ってもいいです。
略して、アナデジです。
略して言わなくてもいいですが。
■■【合格速報】
●北海道立札幌北高校 Y.K.さん
<担当講師より>
(プログラミングクラス)
何ごとにおいても自ら考え行動できる文武両道のKくん、受験直前にもプログラミングクラスで楽しく学び続けてくれていました(よい気分転換になっていたかな?)。
テキスト通りに進めたあとは試行錯誤しながら様々なアレンジを加え、いつも自分らしい作品に仕上げてくれるところが印象的でした。
陸上部の活動でも上位大会に出られる実力者で勉強もがんばっているのに、いつも飄々と爽やかな笑顔で参加してくれるスマートなKくん、年の離れた体験・振替の友だちに対しても分け隔てなく優しいコメントを伝えてくれるところもとても素敵だなあといつも思っていました。
新しく始まる高校生活も、その先の生活もぜひKくんらしくエンジョイされてくださいね!
第一志望合格おめでとうございます!!
●慶應義塾大学理工学部 H.S.さん
<保護者様より><担当講師より>
K高校在学中も三年間連続で成績優秀者としてたゆまぬ努力をされていました。自分の適性を鑑み、理工学部への進学を決定されたそうです。
私は、小学三年生からHさんを担当させていただいたのですが、
お母様から言葉の森について嬉しいお言葉をいただきました。
「言葉の森で積み重ねてきたことがこの子の力になっている。書いた文章を認め、指導の中でも思ったことを認めていただきありがとうございました。
言葉の森で暗唱を続けたことで言語への関心が湧き、この子が言語を学びたいという学習意欲を高めさせてくれました。」
- ● タイマー勉強法 (515字) 森川林 nane 2024年04月02日 16時10分
15953 森川林日記より
勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがたくさんあります。
10分ぐらいでできるようなことがいくつもあります。
いずれも、面白くないことばかりです。
普通は、先延ばしにします。私もそうです(笑)。
しかし、そこで、使えるのがタイマーです。
「よし、これを10分以内で仕上げよう」
そう思ってタイマーをセットすると、俄然やる気が出てきます。
単純(笑)。
もうひとつは、もっと高度な技術ですが、そこに占いを使うのです。
面倒なことがあった場合、それが何分以内でできるか占います。
10分でできるか、15分か、あるいは20分ぐらいかかるかと占うと、結果が出ます。
占いは、なぜか結構当たります。
占いの方法は、何でもいいのです。
ユングは、易を使いました。
私は、六爻占術を使っています。(自作オリジナルプログラミング)
最近は、アナログのタロットも使っています。
大事なことは、いい結果が出なかったら、占い直すことです。
いいのか(笑)。
運命よりも力があるのは、人間の根性です。
自分の意に反する結果が出たら、自分の望む結果が出るまで占い続けます。
だから、結局、いい結果になるのです。
これが、幸せに生きるコツ。
- ● 人間の役割 (690字) 森川林 nane 2024年04月02日 15時38分
15952 森川林日記より
うちの子が1歳か2際のとき、
車で30分ほどの三浦海岸につれていきました。
砂浜で、打ち寄せる波とたわむれながら遊んでいる子供を見ているときに、
ふと思いました。
暗黒の宇宙の中を、超高速で公転しながら、※1、
自らも超高速で自転をする地球、※2、
その地球の上で、裸ん坊の子供が、波打ち際で遊んでいること、
それが、奇跡だと思ったのです。
数ヶ月前、庭の餌代に、小鳥の餌を置いておいたら、
しばらくして、スズメ、メジロ、ヒヨドリ、ムクドリたちがやってきました。
スズメたちが押し合いへし合いしながら餌を食べているのを見ると、
小さい子供たちと同じだと思いました。
人間は、地球の生き物たちすべての父と母です。
いい子もいるし、たまに悪い子もいるが、みんな同じ家族の一員です。
すべての生き物がそれぞれの生活場所で
幸せに生きられるようにするのが人間の役割です。
ゴキブリにも、ゴキブリなりの幸福、
ナマケモノにも、ナマケモノなりの幸福、
イカやタコやエピやカニにも、それぞれの幸福。
ウシやクマやブタやシカにも、それぞれの幸福。
できの悪い子も、できのいい子も、みんなが幸福に生きることができる、
その仕組みを作るのが、人間です。
神様は、そういう複雑なことはできません。(笑)
現実をよくするのは、現実に生きる存在である人間なのです。
※1.地球の公転速度は、時速約10万7000km。これはマッハ88という超高速で、ジェット機の約100倍の速さ。
※2.地球の自転速度は、赤道上で時速約1700キロメートル。これは、飛行機の約1.9倍、新幹線の約6~8倍、高速道路を走る車の17~27倍の速さ。
(GoogleのAI情報より)
- ● 批判と創造 (82字) 森川林 nane 2024年03月27日 09時45分
15938 森川林日記より
人を批判することはたやすい。
大事なことは、批判ではなく創造だ。
レベルの低いものを批判しても、世の中はよくならない。
まだないものを創造することだけが世の中をよくする。
- ● 卒業する君たちに (410字) 森川林 nane 2024年03月27日 06時59分
15936 森川林日記より
ある季節が終わると、次の季節が始まる。
春が近づくと、スイセンが咲き、ウメが咲き、ユキヤナギが咲き、モクレンが咲き、レンギョウが咲く(←今ここ)。
そして、夏と秋と冬が来て、また春が来る。
人もまた、小さかった子供たちが、小学生、中学生、高校生、大学生になり、そして社会に巣立つ。
この循環の中で、世の中は一回りずつよくなっていく。
時に、逆風が吹くことがあっても、どんなときも、前に進む意思を持ち続けること。
卒業という新しい出発点から、遠くにある未来を目指し続けること。
これから来る激動の時代のあとに、明るい世界が来る。
そのひとつのピースを作ることが、この時代を生きる一人ひとりの使命だ。
大学生活で大事なことは、学問を深めること、それは本物の本を読むことだ。
そして、卒業後、どういう会社を作るかを考え、実行を始めること。
その後、いろいろな紆余曲折があっても、最初に考えついたことを忘れないこと。
レンギョウ
- ● 虹の戦士 (181字) 森川林 nane 2024年03月23日 07時23分
15933 森川林日記より
虹の戦士
~地球が病んで 動物たちが姿を
消しはじめるとき まさにそのとき
みんなを救うために 虹の戦士たちが
あらわれる~
虹の戦士
この話の最後に、老婆は語ります。
「愛と喜びをみんなの間に広げることだけが、この世界の憎しみを、理解とやさしさに変えることができる。この世界から、いっさいの戦争と破壊をなくするために、残された道はもはやそれひとつしかない」と。
- ● 【重要】海外在住の方のための掲示板を作りました【送信指定】 (338字) 森川林 nane 2024年03月22日 14時27分
15931 言葉の森オンライン新聞より
この連絡は、海外在住の方にお送りしています。
海外在住の方は、時差の関係などで勉強がしにくい面があったと思います。
そこで、海外掲示板を作り、情報交換ができるようにしました。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=kaigai
作文クラスなどで、時間帯が合えば、他の生徒と一緒に勉強する方が励みになります。
この掲示板で、他の生徒の方、又は、言葉の森事務局と自由に情報交換をしてください。
また、勉強の仕方に関する質問なども自由にお寄せください。
この海外掲示板は、投稿記事をメールで受信することもできます。
メール受信を希望される方は、掲示板の「メールの受信登録」にご登録ください。
登録は必要なくなれば、いつでも削除することができます。
- ● 海外生徒の一覧表 (1182字) 森川林 nane 2024年03月22日 14時15分
15930 海外掲示板より
・講座の略称は、sb作文クラス、sk作文個別、kd国語読解など。
・曜日の略称は、ni日、ge月、ka火、su水、mo木、ki金、do土。
・学年の1は小1、2は小2、……、7は中1、……10は高1、……。
・表を見やすくするためには、エクセルなどに貼り付けて、学年や国名や時刻などで並べ替えをしてください。
ペンネーム | コード | 学年(24年3月) | 国 | 性別 | 講座 | 曜日 | 講師 | 時刻 |
あけれの | akereno | 1 | シンガポール | 男 | sb | ni | yokoko | 1000 |
なな | akasona | 2 | アメリカ | 女 | sb | ni | sasami | 0900 |
りょうたろう | aehoyo | 2 | アメリカ | 男 | sb | ni | sasami | 0900 |
あかきな | akakina | 3 | アメリカ | 女 | sb | mo | aokani | 0900 |
あおひは | aohiha | 3 | シンガポール | 男 | sk | ka | mae | 1920 |
さや | akanoyo | 3 | 中国 | 女 | sb | ka | mae | 1800 |
ありや | aruaru | 3 | オーストラリア | 男 | kg | ka | touko | 1700 |
あやねこ | ayaneko | 3 | オーストラリア | 女 | sb | ka | mae | 1800 |
みかまめ | mikamame | 3 | アメリカ | 女 | sb | do | hoemi | 1000 |
あえたし | aetasi | 3 | 台湾 | 男 | sb | ki | hirari | 1900 |
みみ | mimi | 4 | アメリカ | 女 | sb | su | hutu | 2000 |
ときと | aewara | 4 | インドネシア | 男 | sb | ge | kira | 1900 |
あきくゆ | akikuyu | 4 | フランス | 男 | sb | su | okaki | 1800 |
けいたい | keitai | 4 | アメリカ | 男 | sb | do | hoemi | 1000 |
あおひつ | aohitu | 5 | オーストラリア | 女 | sb | mo | touko | 1600 |
あかりん | akarin | 5 | イギリス | 女 | sb | mo | mae | 1400 |
momoka | akawaso | 5 | インドネシア | 女 | sb | ki | harako | 1800 |
あうすと | ausuto | 6 | オーストラリア | 女 | kd | mo | yuta | 1700 |
マムアン | mamuan | 6 | タイ | 女 | sb | su | sasami | 1900 |
あおまい | aomai | 6 | アメリカ | 男 | sk | ni | sasami | 1000 |
あおれせ | aorese | 7 | アメリカ | 男 | sk | su | aokani | 0600 |
あきはる | akiharu | 7 | アメリカ | 男 | sb | do | nane | 0900 |
あきはる | akiharu | 7 | アメリカ | 男 | kd | do | hoemi | 0800 |
あささえ | asasae | 7 | イギリス | 女 | sb | ni | hoemi | 0700 |
あささえ | asasae | 7 | イギリス | 女 | kd | do | hoemi | 0800 |
あおにま | aonima | 8 | 台湾 | 男 | sb | do | yuta | 1100 |
Toe | akisaka | 8 | ニュージーランド | 男 | sb | ka | okaki | 1700 |
あきいの | akiino | 8 | 東ティモール | 男 | sb | ge | tarako | 1900 |
あきしお | akisio | 8 | アメリカ | 男 | sb | do | miwa | 1300 |
わのき | wanoki | 9 | カナダ | 女 | sk | do | hoemi | 0910 |
ばにら | tokunaga | 9 | フランス | 女 | sk | su | touko | 2150 |
あえはた | aehata | 9 | アメリカ | 男 | sk | su | aokani | 1050 |
らよろ | rayoro | 12 | カナダ | 女 | sk | do | hoemi | 0920 |
わえへ | waehe | 13 | アメリカ | 女 | sk | do | sasami | 1000 |
- ● はじめに (198字) 森川林 nane 2024年03月22日 13時31分
15929 海外掲示板より
海外在住の方のための掲示板を作りました。
海外の方は、時差の関係で、ご希望のクラスがなかなか見つからないことがあると思います。
特に、ヨーロッパ在住の方は、日本の担当講師の時間と合わないことが多いようです。
そこで、海外在住の方どうしが相互にご希望の時間を調整できるように掲示板で情報交換をできるようにしました。
この掲示板の投稿をメールで受信するために、「メールの受信登録」にご登録ください。
- ● 3月保護者懇談会資料 (2940字) 森川林 nane 2024年03月22日 08時17分
15927 森の掲示板より
明け方、えさを待つスズメたち
3月4週は、オンラインクラスのそれぞれの授業の後半に保護者懇談会があります。
ご質問などがありましたら、ご自由に担当の先生にお聞きください。
担当の先生が短時間で答えにくいご質問の場合は、言葉の森事務局からお返事を差し上げます。
●中学生以上の生徒は、Gmailのメールアドレスを取得し、ChatGPTとZOOMのアカウントを取ることをおすすめします
13歳以上は、Gmailのアカウントが取得できます。
プロバイダのメールアドレスでは、将来変更する可能性があります。クラウド上のアドレスを取得しておく方が継続できます。
スマホのアドレスではなく、PCでのアドレスを取得しておけば、応用範囲が広くなります。
●ChatGPTのアカウントをどう使うか
ChatGPTは、学習に利用できます。(無料)
特に、英語の学習には使えます。
数学については、あまり使えません。論理で説明するのではなく、確率で説明しているからです。
国語、理科、社会の知識を深めるには役立ちます。
同じ理由で、創造発表の研究を進める際には、かなり利用できます。
子供が個性的な質問をした場合、親が一緒にChatGPTで聞いてみることをすれば、親子の楽しい知的な対話ができます。
作文を書くときの調べたデータなどにも利用できます。
パソコンで書いた作文の修正を頼むこともできます。
プログラミングがうまく動かない場合など、原因を見つけてくれることができます。
これから、IT技術は更に進化します。早めに新しい技術に慣れておくことが大事です。
●ZOOMはどう使うか
これからの学習は、知識の吸収と再現的なものよりも、創造と思考と表現的なものに重点が移っていきます。
ZOOMのレコーディング機能を使えば、自分の学習の発表を動画でできるようになります。(無料)
自分で作った動画(10分以内)を発表室に入れることができます。
将来、総合選抜入試などで、自分の実績をアピールする場合、それまでに作った動画を紹介することができます。
プレゼンテーションに慣れ、プレゼンテーション力が身につきます。
●作文学習の上達度は、字数と森リン点を目安に、
作文の勉強が進んでいるかどうかは、字数の推移を見るとわかります。
https://www.mori7.com/oka/sk_tenn.php
学年の200倍が目標です。
小1は200字、小2は400字、……、小6以上は1200字が書けていれば、実力は十分にあると考えてください。
字数が目標を達成している場合は、森リン点を目安にしてください。
https://mori7.com/moririn/moririn_rank.php
森リンベスト
https://www.mori7.com/moririn/mori_best.php
小学5年生以上は、できるだけパソコンで作文を入力してください。
受験作文がある場合は、半年前から手書きに戻せば間に合います。
●知識の詰め込みの時代から、個性と思考力と創造力の時代へ
大学入試が、大きく変わりつつあります。
知識中心の入試から、総合選抜型の入試に移行しているからです。
中学入試、高校入試は、まだ遅れているので、知識中心の入試が主流ですが、大学入試以降は、かなり変わります。
総合選抜は全大学の50%以上、東北大学では次年度から100%総合選抜入試に。
高校生時代に、自分の得意分野を伸ばすために、高校では、科学部、生物部、地学部など知的なサークル活動に所属して好きな研究を深めるということも考えていいと思います。
●小学校低学年の子供は勉強よりも、読書と対話と遊び。親がコントールしすぎないことが大事
言葉の森に小学校低学年で参加する子は、優秀な子が多いです。
そういう子を見ると、親はつい勉強に力を入れたくなりますが、低学年の時期は勉強よりも、読書と対話と遊びに力を入れることが大事です。
その理由は、勉強は成績はよくするが頭をよくしないからです。
頭をよくするのは、読書と親子の知的な対話と自由な遊びです。
また、小学2年生までに、親がコントロールしすぎた子は、小学4年生ごろから親の言うことに反発するようになります。
低学年のころは、親の言うことを素直に聞きますが、そのころからできるだけ子供の自主性を尊重するようにしていくことが大事です。
●中学生の学校の成績は、勉強時間に比例する
中学生の勉強は、難しいものではありません。
学校の先生によっては、わざと難しい問題を出す人もいますが、教科書に載っている基本を全部マスターしておけば、学力面では何も心配は要りません。
中学生の成績を左右するのは、単に勉強時間が長いかどうかだけです。
平日の勉強時間1.5時間、土日の勉強時間2.5時間。定期テストの2週間前からは、平日3.5時間、土日8時間と目標にして、全教科少なくとも80点以上取ることを目指してください。
しかし、頭をよくするのは勉強ではなく、読書です。
将来のことを考えて、テスト対策期間以外は、説明文の読書を中心に毎日50ページ以上を目標に読書を続けていきましょう。
●高校生は、総合選抜入試を念頭に置き、自分の個性を学問的に伸ばす時間を
これからの大学入試は、総合選抜が主流になります。
成績を上げるだけでなく、自分の個性を学問的に伸ばす時間を作っていきましょう。
個性を学問的に伸ばすのは、ひとりでは難しいので、サークル活動に入るか、ChatGPTを利用するかしていきましょう。
ネットをフルに活用すれば、海外のサイトとも交流できるようになります。
そして、大学入学を勉強のゴールにするのではなく、そのあと社会でどう活躍するか、自分なりのベンチャービジネスをどう立ち上げるかなどを考えながら、勉強を進めていきましょう。
●勉強の基本は家庭学習
勉強は、塾に行くとか、誰かに教えてもらうとかではなく、家庭でしっかりやっていくことが基本です。
今は、いい参考書も問題週もそろっています。人に教えてもらう必要はありません。
ただし、たまに質問をしたいことがあったり、ひとりではやる気を持続しにくいことがあったりすることを考え、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスを作りました。
また、作文については、ひとりでは自分自身の評価がわからないので、人に教えてもらう必要があります。
ほとんどの勉強は、他人に頼るのではなく、自分の力でやれると考えておくことが大事です。
そして、空いた時間を自分の個性を伸ばすために使うのです。
●これからの世界は激動の時代に
これからの世界は大きく変わります。
テレビや新聞を見ているだけでは、世の中の本質的な変化はわかりません。
最もあてになるのは、書籍です。
自分の関心のあるテーマについて、アマゾンなどで検索し、関連する本を読んでいくことが大事です。
YouTubeやSNSは、自分のそれまでの閲覧履歴に合わせて情報が表示されるので、かえって考えが偏る可能性があります。
本を読んで、信頼できると思った人のYouTubeやSNSを見ることが、役に立つと思います。
- ● 言葉の森新聞2024年3月4週号 通算第1796号 (7700字) 言葉の森事務局 jun 2024年03月21日 09時07分
15925 言葉の森オンライン新聞より
言葉の森新聞2024年3月4週号 通算第1796号
文責 中根克明(森川林)
■■3月29日(金)・30日(土)・31日(日)は休み
3月29日(金)・30日(土)・31日(日)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。事務局もお休みです。
■■作文クラスの新学期教材
3月19日、国内の生徒さんに新学期の教材を発送しました。
25日になっても届かない場合はご連絡ください。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■ 清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■野口悠紀雄さんの記事「頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの」を読んで考えたこと(その1)――勉強法の本質は実にシンプル。あとは実行するだけ
野口悠紀雄さんが、ChatGPTと勉強法の記事を書いていました。
ChatGPT「超」勉強法
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頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの
https://president.jp/articles/-/79393?page=1
====
この記事の前半部の話ですが、野口さんの提唱する勉強法はみんなの参考になると思うので、紹介します。
1.基礎から積み上げるのではなく、早めに全体を捉えて、そのあと部分を理解する。
言葉の森の課題の長文からの引用ですが、アインシュタインは、バイオリンの練習が嫌でたまりませんでした。
教える先生が厳しかったからです。
しかし、自己流で自分の好きな曲を弾くことにしてから、どんどん上達しました。
(「アインシュタイン―科学の巨人」より)
基礎からの積み上げは退屈です。
しかし、全体から取り組めば、その過程で基礎も学ぶようになります。
プログラミングクラスは、Scratchなどのビジュアルプログラミングから、JavaScriptなどのコードプログラミングに移るときに、急にハードルが高くなります。
JavaScriptの最初の勉強は、足し算をしたり引き算をしたりループの練習をしたりするだけで退屈なのです。
だから、今度からHTMLで簡単に全体が作れるプログラミングを始めることにしました。
全体ができてから、細部に移っていけばいいという考えです。
これが、HTMLエネルギー運動というものの本質です。
====
「昔のインターネット」の精神を取り戻す、HTMLエネルギー運動
https://www.technologyreview.jp/s/325142/recapturing-early-internet-whimsy-with-html/
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基礎から積み上げるというのは誰でも考えつくことです。
しかし、それは、山登りで言えば、長いアプローチです。
明るい尾根にたどりつくまでに飽きてしまうことも多いのです。
だから、まず明るい尾根という先の展望に接してみることが大事です。
2.数学の問題は自分で考えて解くのでなく、解き方を暗記して、様々な問題に当てはめればよい。
数学の勉強法に限らず、あらゆる勉強法の基本が、この答えを理解する勉強です。
私(森川林)は、高校生時代、数学の難しい問題をずっと考えながら夜の街を何時間も歩いたことがよくありました。
昔は、それがいい勉強法だと思われていたのです。
しかし、それは、実は、最も能率の悪い勉強法でした^^;。
受験勉強のような答えのある勉強は、すぐに解法を見て理解することが大事だったのです。
人間が本当に考えるべき勉強は、答えのない勉強です。
岡潔さんは、数学の問題を考えるときに、何時間どころではなく、何か月も同じ問題を考えて続けていたそうです。
古くは、釈迦が考えていた問題も、答えのない問題でした。
釈迦は、人間が幸福に生きるためには何が必要かという答えのない問題を考えていたのです。
時間をかけて考えるのは、こういう答えのない問題です。
答えのある問題は、考えるのではなく、答えを理解すればいいのです。
3.何が重要かを把握し、努力をそこに集中すべき。
あらゆることを漠然とやるのではなく、重点を決めてやることです。
受験勉強でいちばん大事なのは、受験する志望校の過去問をまず解いてみることです。
過去問は、答えを見ながら解いていけばいいのです。
しかし、ほとんどの生徒は、過去問を解く勉強を秋の終わりごろになってから始めます。
学習塾や予備校でも、そうさせているところがあります。
私は、作文を教えている高校生に、いつも、過去問を早めにやるようにと言っていました。
しかし、これまで、それを実践した子は、ほぼ0パーセントでした(笑)。
なぜ志望校の過去問が大事かというと、勉強の重点がおのずからわかるようになるからです。
合格するために平均点が70点必要だとすると、80点の科目を90点にするよりも50点の科目を60点にする方がずっと楽です。
同じ10点の差であれば、楽なものから先にやることが作戦になります。
勉強を始める前の作戦が大事なのであって、勉強が一段落した秋になってから過去問をやっても、気休めにしかなりません。
勉強は、中身が大事です。
勉強している外見を気にする必要はありません。
まず自分にとっていちばん大事だと思うところを重点にしていくことです。
■■野口悠紀雄さんの記事「頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの」を読んで考えたこと(その2)――未来の勉強は、ChatGPTとZOOMで
野口悠紀雄さんが、ChatGPTと勉強法の記事を書いていました。
ChatGPT「超」勉強法
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頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの
https://president.jp/articles/-/79393?page=1
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好奇心が満たされるのは楽しいことだ。勉強の楽しさは、まさにこの点にある。それまで知らなかったことや疑問に思っていたこと、あるいは、あやふやにしか理解していなかったことが分かるのは、とても楽しい。
ところが、これまでの勉強は、必ずしも好奇心を満たすものではなかった。教科書によって勉強すべき内容が与えられ、それを理解したり覚えたりすることを強制されるからだ。このため勉強が苦痛になる。
多くの子供たちが、学校の勉強を「つまらない」と感じているが、その理由は、学校で教えられていることが、自分の関心事や好奇心に関係のないことだからだ。だから、興味を持てず、勉強はつまらないもので、辛いものになってしまう。
ところが、ChatGPTを用いれば、勉強が本来楽しいものであることが実感できる。
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答えのある勉強は、どんなにがんばっても100点しか取れません。
そして、100点を取る人は、たくさんではないにしても何人もいます。
100点を取るということで、自分の個性は発揮することはできません。
個性は、点数を超えたところで発揮するものです。
これは、勉強の成績に限りません。
スポーツの勝敗にしても、音楽のコンクールにしても、優勝したらおしまいです。
そして、1位になるのはたった1人で、のこりの何十人か、何百人かは、その他大勢です(笑)。
もちろん、その過程で、さまざまな努力があったり、成長があったり、出会いがあったり、感動があったりすることは当然ですが、その結果自体に個性が出ることはありません。
大事なことは、結果にも個性を出すことです。
これからは、多様な個性を持つ人が、それぞれに多様な個性を結果として表現する時代になります。
その身近な例が、YouTubeやクックパッドやSNSやブログや5ちゃんねるのような参加型のメディアです。
これからの勉強に必要なのは、従来どおりの基礎学力を積み重ねる勉強だけでなく、自分の個性を生かす勉強です。
しかし、個性を生かすためには、個性を育てる方法と、個性と表現する方法が必要です。
個性を育てるツールとして活用できるのがChatGPTです。
個性表表現するツールとして活用できるのがZOOMの動画レコーディング機能です。
13歳になると、Gmailのメールアドレスが作れます。
プロバイダとの契約によって、年齢に関係なくメールアドレスを作ることはできますが、将来プロバイダを変える可能性を考えると、Gmailなどのクラウド上に自分のメールアドレスを作っておく方がいいと思います。
自分のメールアドレスがあると、ChatGPTのアカウントが取得でき、ZOOMのアカウントも取得できます。
Gmailも、ChatGPTも、ZOOMも、無料です。
ChatGPTが使える勉強は、主に創造発表クラスと作文クラスとプログラミングクラスの勉強です。
勉強のアドバイザーとして利用するのであれば、国語クラス、数学クラス、英語クラスなどでも使えます。
国語、数学、英語などの教科の勉強は、点数という目標が勉強の動機になりますが、創造発表や作文やプログラミングは、発表するのが勉強の重要な要素になります。
創造的な勉強は、発表し合うことが動機になるのです。
発表するためのツールとして使えるのが、ZOOMのレコーディング機能です。
ZOOMで録画した数分の動画を発表室にアップロードすれば、それが客観的な目に見える発表作品となります。
自分で発表するのですから、あとで削除することも編集することもできます。
そこで、突然ですが(笑)、4月から、中学生以上の生徒のみなさんは、できるだけGmailとChatGPTとZOOMのアカウントを作るようにしてください。
もちろん、小学生でも、メールアドレスさえあればChatGPTとZOOMのアカウントは作ることができます。
ChatGPTは、勉強の内容を深めるために使います。
ZOOMは、勉強の結果としての作品を発表するために使います。
それぞれのアカウントの作り方は、ネットで検索すれば出てきます。
ChatGPTにアカウントを作ったあとは、ネットで検索するよりも、ChatGPTに聞くほうがわかりやすいこともあります。
4月から新しい創造的な勉強に取り組んでいきましょう。
■■中学生高校生の創造発表クラス募集。ChatGPTとZOOMを使った創造と発表の勉強。与えられる勉強から自分で作る勉強へ。大学入試の総合選抜入試に対応。更に、大学入試の先のベンチャービジネスを目指す
与えられた勉強に飽きている人は多いと思います。
そういう勉強は、詳しい参考書と問題集を1冊完璧に仕上げれば、それで十分です。
人に教えられたり、宿題を出されたり、テストをされたりする必要はありません。
それよりも大事なのは、自分にしかできない勉強をすることです。
ただ、学校の勉強は一応やっておかなければならないので、それは全科学力クラスなどで定期的にこなしておけばいいのです。(宣伝ではないです)
自分にしかできない勉強は、ひとりではなかなか進みません。
それは、目指すべき既成の価値観がないからです。
私(森川林)は、鳥が好きで、中学3年生のころにジュウシマツをたくさん飼っていました。
そのときに、ある尊敬する人から聞いた言葉が、
「そんなことしていないで、もっと受験の勉強をしないとね」でした(笑)。
そのときに、私は、そうだろうなあと思いつつも、ふと違和感を感じたのです。
人間の生きる目的は、自分の好きなことをすることです。
他人に与えられた勉強をして、成績を上げて、褒められることは、それはそれでいいのです。
しかし、もっといいのは、褒められる人生ではなく、自分のしたいことをする人生です。
大人の人は、そういうことは生活が安定してから言いなさいと言うかもしれまぜん。
しかし、生活が安定するころには、みんな、おじいさんやおばあさんになっています(笑)。
まず、今、自分のやってみたいとことをやることです。
ただし、何も予備知識がないままに、自分のやりたいことをやろうとしても、それは夢の空回りになるだけです。
そこで活用できるのがChatGPTをはじめとするAIテクノロジーです。
ChatGPTというアドバイザーと相談しながら、自分の本当にやりたいことを探求していくのが、新しい勉強です。
世の中は、これから大きく変わります。
世の中の変わるスピードよりも速く自分を変えていくことがこれからの生き方です。
勉強に余裕のある中学生高校生の生徒のみなさんは、創造発表クラスの体験学習に参加してください。
毎週、水曜日19:00に、創造発表クラスを開催しています。
勉強に、まだあまり余裕のない人でもいいです(笑)。
話は、全然変わりますが、最近、私がいいなあと思った歌です。
みんな、心の中では自分らしく生きたいと思っています。
しかし、それを我慢しているうちに、次第に自分らしく生きることを忘れてしまうのです。
だから、若いうちに、まず自分らしい生き方を始めることです。
▽「YELL」いきものがかり
「"わたし"は今 どこに在るの」と
踏みしめた足跡を 何度も見つめ返す
枯葉を抱き 秋めく窓辺に
かじかんだ指先で 夢を描いた
翼はあるのに 飛べずにいるんだ
ひとりになるのが 恐くて つらくて
優しいひだまりに 肩寄せる日々を
越えて 僕ら 孤独な夢へと歩く
サヨナラは悲しい言葉じゃない
それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL
ともに過ごした日々を胸に抱いて
飛び立つよ 独りで未来の 空へ
僕らはなぜ 答えを焦って
宛ての無い暗がりに自己を探すのだろう
誰かをただ 想う涙も
真っ直ぐな 笑顔も ここに在るのに
"ほんとうの自分"を 誰かの台詞で
繕うことに 逃れて 迷って
ありのままの弱さと 向き合う強さを
つかみ 僕ら 初めて 明日へと 駆ける
サヨナラを誰かに告げるたびに
僕らまた変われる 強くなれるかな
たとえ違う空へ飛び立とうとも
途絶えはしない想いよ 今も胸に
永遠など無いと (気づいたときから)
笑い合ったあの日も (唄い合ったあの日も)
強く 深く 胸に 刻まれていく
だからこそあなたは (だからこそ僕らは)
他の誰でもない (誰にも負けない)
声を (挙げて) "わたし"を 生きていくよと
約束したんだ
ひとり (ひとり) ひとつ (ひとつ) 道を選んだ
サヨナラは悲しい言葉じゃない
それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL
いつかまためぐり逢う そのときまで
忘れはしない誇りよ 友よ 空へ
僕らが分かち合う言葉がある
こころからこころへ 声を繋ぐ YELL
ともに過ごした日々を胸に抱いて
飛び立つよ 独りで 未来の空へ
■■意見文の意見はどう書けばよいか。著者の意見に共感することが出発点。
小論文の書き方で、「自分独自の考えを書け」というアドバイスを見ることがあります。
しかし、中学生、高校生では、自分独自の考えなどはまだないのが普通です。
感想文の課題で、もとになる文章を読んだとき、賛成できる部分と、賛成できない部分があります。
そこで、賛成できる部分を中心に、自分の意見を展開することが考えを発展させます。
賛成できない部分を中心にしようとすると、その著者の低いところを批判するような文章になってしまうからです。
人の欠点を批判しても、何も生まれません。
人の長所を、自分なりに広げていくことが、深く考える道です。
クリティカルシンキングという言葉が流行っていますが、そういう言葉にとらわれるのではなく、あらゆるものを批判の目ではなく、共感の目で見ることです。
共感の目で見るためには、どうしたらよいかというと、ひとつは、自分なりの「似た例」を考えることです。
もうひとつは、自分なりの「反対意見への理解」を考えることです。
そして、更にもうひとつは、自分なりの「予測問題の主題」を考えることです。
■■【合格速報】
●関西外語大学国際共生学部
●立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部 H.K.さん
<担当講師より>
合格とのこと。本当におめでとうございます。
小2から高3まで表現や体験の項目を必ず入れて作文や意見文では、いつも1000字以上を書き上げています。定期試験中でも欠かさず作文を書き続け、色んなことをこつこつと継続することができる本当に努力家です。
●福岡工業高校(公立) K.H.さん
<担当講師より>
先日、福岡工業大学付属城東高校にも合格したとの連絡をしましたが、受験2校、合格2校の全勝でした。
どんなに苦手でも、この国語読解クラスでコツコツと勉強すれば、必ずできるようになる、という見本のような合格です。
本当によくがんばりました!おめでとうございます!
- ● ぼくらの七日間戦争 (72字) 森川林 nane 2024年03月21日 04時48分
15922 森川林日記より
「ぼくらの七日間戦争」
悪い人をみんなでやっつけるという発想が、時代遅れ。
こういう本を面白いと思う子供たちは、
この本の世界観を克服する必要がある。
- ● 神戸大事件 (243字) 森川林 nane 2024年03月21日 04時25分
15921 森川林日記より
全員退学でもいいと思う。
これは、教育の問題。
うちの子(次男)は、気持ちが優しくて、いつも明るく、人と争うことをしない子だった。
それで、ある日、ふと思いついて、
「友達が、みんなで『悪いことをしようぜ』と言ったときがあったら、『自分だけは、やらない』と言うんだよ。そして、『みんな、そんなことはやめようぜ』と言えればもっといい」
と話したことがあった。
悪ノリした子は、性格のいい子が多かったはず。
過失というものは、誰にもある。
その過失が、やがて勲章になるような生き方をこれからしていけばいい。
- ● 振替のお願い (85字) よしたか yositaka 2024年03月19日 17時25分
15916 富山(とみやま/touko)先生の部屋より
初めまして。本日19:00からの先生の作文クラスに、小学4年の息子を振替で参加させて頂きたいのですが、可能でしょうか?
当日のご連絡となり失礼します。よろしくお願いします。
- ● Re: 読解検定小6-2月 (443字) 森川林 nane 2024年03月18日 11時33分
15911 国語読解掲示板より
> 小6の生徒さんから、問3Aと問4Bの解答根拠が今一つよくわからないという質問がありました。
○A 竜夫たつおと英子は小学校時代からの友達であった。
○B 竜夫たつおは、英子の写真をもらったことを通して、自分の英子に対する気持ちを伝えようとした。
問3は、「中学に入って、こうやって二人きりで言葉を交わすのは初めてのことだった。」とあるので、小学校時代からの友達だったと推測できるということです。
問4は、
====
竜夫たつおはふと英子に関根のことを話したい衝動しょうどうにかられた。自分の前から永久に姿すがたを消してしまった友もまた、自分と同じように、いやひょっとしたら自分よりももっとひたむきに、英子に魅ひかれていたのであった。
====
とあるところから推測して、竜夫は自分の気持ちを伝えようとしたということです。
ただ、これがわかるのは、理屈よりも、自分がそういう経験をしたかどうかということになると思います。
国語の物語文の問題には、そういう共感の要素があると言っておくといいと思います。
- ● 言い訳 (255字) 森川林 nane 2024年03月18日 11時13分
15910 森川林日記より
いつからだったか、だいぶ前から、事務の人がリモートワークで仕事をするようになったので、自分がいろいろな事務をするようになった。
実は、自分は事務的なことがすごーく苦手で、計算は間違えるし、日付は間違えるし、しかもそれが合っていると思ってやっているから、あちこちにお詫びの連絡をする毎日(笑)。
自分でも、どうしてこういうことが苦手なのかと思う。たぶん、頭が悪いからだろう。簡単。
しかし、自分の唯一いいところは、そういうミスやクレームやさまざまなトラブルにくじけないことだと思う。
全然、自慢にならない……。
- ● 舞岡八幡宮のカラス (107字) 森川林 nane 2024年03月18日 10時52分
15909 森川林日記より
朝、ふと思いついて近所の舞岡八幡宮に行ったら、ハシボソガラスが一羽が降りてきた。
たまたま、買う予定のなかったレバーの焼き鳥を持っていたので、石畳の上に置いておいたら、嬉しそうに食べていた。
近所の人には内緒ね(笑)。
- ● 爬虫類たちは (235字) 森川林 nane 2024年03月17日 12時36分
15907 森川林日記より
爬虫類たちは、人間には、スポーツやスクリーンを見せておけばいいと考えた。
日本のアニメも、スクリーンのひとつだった。
しかし、日本のアニメが広がり、爬虫類たちもそれを見るにつれて、次第に考えが変わっていった。
人間には、自分たちにない「共感」というものがある。
もしかすると、それが人生にとって最も大切なものではないか。
そして、爬虫類たちは、次第に人間と共存することを考え始めた。
……という映画を誰か作らないかなあ。
戦って勝つ話はもういいから、戦わないで仲よく暮らす話を作ろう。
- ● 白木造り、白い服 (82字) 森川林 nane 2024年03月16日 11時55分
15905 森川林日記より
白木造り、
白い服、
刺身、野菜サラダ、素材だけの食べ物、
帽子とか、腕時計とか、眼鏡とかつけない、もとのままのスタイル。
そういうのが好きだったことが、最近わかってきた。
- ● 100点はChatGPTでも取れる (120字) 森川林 nane 2024年03月16日 02時46分
15904 森川林日記より
先生という仕事を、マイナスをゼロに戻す仕事と考えるのではなく、
ゼロをプラスにする仕事と考えること。
言い方を変えれば、100点を取れる子供に育てるのではなく、
100点を超えた個性を育てること。
100点なんて、ChatGPTでも取れるし(笑)。
- ● 言葉の森新聞2024年3月3週号 通算第1795号 (7835字) 言葉の森事務局 jun 2024年03月15日 11時18分
15902 言葉の森オンライン新聞より
言葉の森新聞2024年3月3週号 通算第1795号
文責 中根克明(森川林)
■■3月20日(水)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、3月20日(水)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■【合格速報】
●東京大学理科三類・慶應大学医学部 K.T.さん
<担当講師より>
小学校低学年から長く続けてくれた生徒です。
医学部に進学しますが、歴史にも詳しく、作文も得意で、毎回、くわしい歴史実例を入れながら素晴らしい作文を仕上げていました。
これからもますますがんばってくれることと思います。
合格おめでとうございます!
●明治大学法学部・中央大学法学部・立教大学法学部・上智大学法学部 T.K.さん
<保護者様より>
K先生、ありがとうございます。
言葉の森では、三名の先生に長くお世話になりました。今思えば、聞いた話のところで話をするのが、親としては楽しくいい時期だったなぁと思います。少し前に小学生の頃の作文を見返したところ、こんな話をしていたか…と自分でもおかしく、笑ったり泣いたりでした。読解力も書く力も言葉の森で身につけることができました。おかげ様で、進学先が決まりホッとしております。本人は、今は小中学生の頃に戻り、ハリーポッターを夢中でハイペースで読んでおります。速読力も身についたかもしれません(笑)
<担当講師より>
Kさん ずっと作文を頑張ってこられました。私が最後の担当で、受験勉強に専念されるため言葉の森を卒業されていました。
思えば、中高一貫の難関校に挑んだときも、言葉の森におられました。努力家で、強い気持ちをもつKさんの新しいスタートをお祝いします。おめでとうございます!
●栃木県立宇都宮高校 I.T.さん
<担当講師より>
受験コースでは、自分の書きたいことを限られた字数で表現する力がつきました。受験日の3月を迎えるまで、一生懸命頑張りました。合格、おめでとうございます!
<担当講師より>
おめでとう!
受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読んでいました。
受験が終わったら、しばらくゲームで遊んで(笑)、それから高校生活の作戦を決めるといいと思います。
■■大学入試が終わり、晴れて大学生になったみなさんに。大学生時代は、学問とビジネスと出会いの時代。
早い人は、小学生時代からの長かった勉強が終わり、やっと大学というゴールに入ったことで一安心していると思います。
でも、その安心の気持ちは、1週間ぐらいで切り替えて、新しい挑戦に向かっていくことが大事です。
挑戦のひとつは、学問です。
大学生時代は、時間がたっぷりあります。
普通に勉強していれば、単位を落とすようなことはまずありません。
大学での勉強は、普通にやっておけばいいのですから、もっと大事な本当の学問をすることです。
本当の学問とは、難しい本を読むことです。
高校時代の倫理や政経や歴史の教科書に載っていた名前だけは知っている本を読んでいくことです。
私(森川林)が、大学生時代に読んで印象に残っている本は、
「ヘーゲルの精神現象学」(ヘーゲル)
(その解説書「ヘーゲル精神現象学の生成と構造」(イポリット))
「存在と無」(サルトル)
「雇用利子貨幣の一般理論」(ケインズ)
「葉隠」(山本常朝)
「成功の実現」(中村天風)
などです。
教科書に載っていない本や、難しくない本もありますが(笑)。
岩波文庫の青帯、白帯は、かなり時代が古いですが、世界の古典が載っています。
こういう本は、大学生時代以外は読めません。
社会人になったら、そんなまだるっこしい本は読んでいられないからです。
しかし、若いときに読んだ難しい本は、自分の考え方の骨格を形成します。
だから、大学生になったら、まず難しい本を読むことです。
もうひとつの挑戦は、広い意味でのビジネスです。
新しい仕事を自分で作り出していくことです。
もちろん、学生時代にやる仕事ですから、本格的なものではありません。
また、大学生のときに始めるような仕事は、たかが知れています。
誰もが考えつくようなことをやるのがせいぜいです。
しかし、物事のスタートは、みんなそうです。
その誰もが考えつくような仕事であっても、40代や50代になってから始めるのでは遅すぎます。
失敗しても、何度でも再チャレンジできる20代でやっていくのがいいのです。
そのチャレンジが、将来の仕事に結びつくことはたぶんありません。
しかし、チャレンジしたということが、必ずあとで生きてきます。
それは、チャレンジすることを恐れないようになるからです。
3つ目の挑戦は、サークル活動に参加することです。
大学生時代は、出会いの場が豊富にあります。
大学での勉強だけをするのではなく、いろいろな人と出会う場を自分で見つけていくことです。
ただし、政党や宗教と結びついたサークルには参加しないことです。
そのためには、信頼できる先輩に聞いてみることです。
ネットで調べるだけでもかなりわかります。
大学生時代は、勉強力以外に、調査力も必要になるのです。
しかし、今は、そういう政治や宗教と結びついた団体はあまりないと思います。
たとえそういうところに入ったとしても、すべていい経験だと思えばいいのです。
大学生のみなさんは、新しい環境にどう取り組んでいくかということを、入学前に考えておくといいと思います。
■■受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性
公立中高一貫校の受験作文の課題は、昔は牧歌的なものでした。
「小学校時代の思い出」というような誰もが書ける課題が出されていたのです。
しかし、こういう課題は、事前の準備ができれば、誰でも上手に書くことができます。
そのため、次第に、文章を読ませてその感想を書かせるようなかたちの作文課題になりました。
しかも、複数の文章を読ませて、その共通性の面から感想を書かせるような凝った課題を出すようところが増えてきたのです。
この理由の第一は、採点が大変だったからです(笑)。
易しい課題で合格圏内にある作文をすべて読むというのでは、採点者の負担が大きすぎます。
そこで、難しい課題で、一応時間内に規定の字数まで書けた作文に絞って、採点をするという試験の方法になったのです。
かなり昔、東大と京大が、学部によってですが、入試に小論文の課題を出した時期がありました。
それらの問題は、かなりいい問題だと評判がよかったのですが、やがてその入試はなくなりました。
理由のひとつは、問題を作るのが大変だったからです。
もうひとつの理由は、やはり採点が大変だったからです。
採点の負担を解決する方法は簡単です。
文章の自動採点を導入すればよいのです。
そうすれば、問題の作成も、それほど凝る必要はなくなります。
現在、ChatGPTは、文章を要約することも、簡単なメモを文章化することも、長い文章を短くすることも、長くすることも、日本語で書くことも、英語で書くことも、関西弁で書くことも自由にできます。
このAI技術を応用すれば、文章の採点はすぐにできます。
その方法は、こうです。
作文には、小学生の書いたものから、中学生の書いたもの、高校生の書いたもの、大学生の書いたものなどいろいろな年齢の生徒が書いたものがデータとして多数あります。
それらを読み取って、その作文が、何年生ぐらいの生徒が書いたものかを推測させればいいのです。
すると、大学入試の作文でも、中学生レベルのものから、高校生レベルのものや、とっくに大学生レベルになっているものまで幅広くあることがわかります。
ただし、こういう評価をするためには、作文の字数は1200字以上であることが必要です。
字数が短いと、誤差が大きくなるからです。
また、できれば、1本の作文ではなく、数本の作文を書かせる必要があります。
書く生徒は大変ですが(^^ゞ、採点する方はAIですから、一瞬にしてできます。
この試験を実施するためには、手書きOCRの機能はまだ不十分でしょうから、試験会場ではポメラのような端末を配備して、全員が一斉に作文のテキスト入力をする必要があります。
いずれ、大学入試では、こういうデジタル作文試験が導入されるようになると思います。
高校入試や中学入試でも、できないことはありません。
更に先のことを考えると、口頭試問もAIで評価することができます。
AIで、大体の基準以上になった人だけを、人間が実際に作文を読んだり、面接をしたりすればいいのです。
しかし、更に先のことを考えると、そのうちに、入試で生徒を採点すること自体が必要でなくなります。
それは、将来の学校は、オンライン化するからです。
現在、入試があるのは、リアルな学校に入ろうとするからで、リアルな学校には決まった数の座席しかないからです。
その座席の数に合わせて入試が行われています。
しかし、オンラインであれば、デジタルの座席の枠に制限はありません。
学生どうしの交流の場としては、時どき遠足やサマーキャンプを行えばいいのです。
これが、大学の人気を最も左右するイベントになるかもしれません。
オンライン化された学校では、国境はありません。
Zoomの授業でも、翻訳機能を使えば、どの国の人でも参加できます。
遠足やサマーキャンプのリアルな交流の場では、ポケトークのようなものを使えばいいのです。
こういう機器は、今後もっと進化してウェアラブルになり、使用している感覚がなくなります。
リアルな海外留学というのは、そのうちに死語になります。
そのかわり、リアルな海外遠足や海外合宿が普通になってくると思います。
以上、だいぶ先のことまで書きましたが、大事なことは、これからの勉強は、知識の詰め込みと再現ではなく、考える力が中心になるということです。
更に、考える力に創造力の加わったものが、本当の学力になるということです。
今、小中高生と保護者のみなさんは、そういう未来の姿を想定して、子供の教育を、考える力と創造する力を育てる方向に向けていくことが大事になっていると思います。
※意見文の書き方の記事を書こうとしましたが、その前提として受験作文の話を書いたら、それだけが長くなってしまいました。
意見文の書き方については、次回の記事に載せます。
■■中学生、高校生の意見文の書き方。小学6年生が作文指導のゴールになっていては、小学6年生も十分には教えられない。中学受験作文に対応するには、意見文を書くという先の見通しが必要
作文の学習が、本格的に考える勉強になるのは、中学1年生からです。
小学6年生でも、結びの感想の部分を一般化の主題として大きく考えるという課題はありますが、まだ本格的なものではありません。
小学生の作文は、題材(実例)が中心になるので、感想はまだ脇役なのです。
しかし、中学生や高校生の指導に進む見通しがあって初めて、小学6年生の指導も充実した教え方ができます。
近年の中学受験の作文では、入試の作文課題で、意見文を書かせるところも出てきました。
例えば、あるテーマについて自分の意見を書き、その理由を書き、その理由の裏付けとなる体験実例を書くというような書き方です。
意見の書き方は、大きく分けて3つあります。
第一は、良いか悪いかという意見の書き方です。
これは、言葉の森では、是非の主題と呼んでいます。
よいか悪いかという意見を書いたあとの構成の仕方は、その意見の理由を書くという書き方です。
初期の段階では、この理由を書くという書き方ができず、単なる実例を書いてしまう人がかなりいます。
理由を書くためには、抽象的なことを考える語彙が必要になるからです。
意見文の書き方の第二は、「べき」という書き方です。
これは、言葉の森では、当為の主題と呼んでいます。
「どうするべきか」という意見を書いたあとの構成の仕方は、その方法を書くという書き方になることが多いです。
方法を書くときに大事なことは、方法の幅を広げることです。
中学生や高校生が書く方法の多くは、個人の心構えのような人間的な方法だけになりがちです。
心構えのような方法だけでは、方法の幅が広くなるので、社会的な方法も必要になります。
中学生や高校生が最も身近に感じる社会的な方法は、学校教育のあり方です。
日常的に学校教育に接しているので、そのよい面も悪い面も具体的にわかるからです。
社会的な方法は、背伸びをせずに、自分のよく知っている社会の分野から始めていくことが大事です。
意見文の書き方の第三は、「問題」という書き方です。
今の世の中で、何が問題かという問題提起をする書き方です。
言葉の森では、これを社会問題の主題と呼んでいます。
「○○が問題だ」と書いたあとの構成の仕方は、その原因や対策を書くという書き方になります。
原因には、大きく分けて、社会的空間的な原因と、歴史的時間的な原因とがあります。
社会における問題の種類は多様ですが、原因の種類はかなり限られています。
しかし、同じような原因を書いたとしても、その裏付けとなる実例を多様なものにしていけばいいのです。
社会問題の主題の発展したものが予測問題の主題です。
これは、今の問題を書くだけでなく、その問題が解決された先に生まれるであろう新しい問題を予測する書き方です。
これを、言葉の森では、予測問題の主題と呼んでいます。
予測問題の主題に対する構成の仕方は、対策を書くということです。
しかし、具体的な対策を書くためには、予備知識が必要です。
だから、対策は、対策の方向として考えていけば十分です。
対策の方向は、大きく分けて、自主、民主、公開、発明というところで考えられます。
社会的な問題の対策は、社会的に考えられがちですが、実は社会問題の解決の多くは、新しい発明によってなされました。
だから、発明という方向も、社会問題の対策のひとつとして考えていく必要があるのです。
意見文の書き方は、小学6年生では、まだ練習しません。
しかし、教える先生が、そういうことも教えられる見通しで作文指導をしていることが大事です。
■■学校の算数数学と受験の算数数学の乖離。学校の算数数学の問題集では力がつかない。自分で独自に問題集を用意して1冊の問題集を夏休みなどに完璧に仕上げることが大事。算数数学の勉強は、解法を見て繰り返し理解すること
昔は、学校の算数数学ができれば、受験にもそのまま対応できました。
しかし、今はそうではありません。
特に算数数学に関しては、易しい普通の問題と難しい受験用の問題の差が激しいのです。
だから、学校の算数数学がよくできても、受験の算数数学はできないということが起こってきます。
私は、子供たちの本当の学力は、読む力と書く力だと思います。
難しい大量の文章を読み取る力と、自分なりに考えてそれを文章に書く力があれば、それで十分です。
しかし、算数数学に関してはそうではありません。
意外なことに、読む力も書く力もある子が、算数数学があまり得意ではないことがあるのです。
それは、受験用の算数数学を勉強していなかったからです。
だから、時間をかければ、必ずできるようになりますが、算数数学は、上達に時間がかかります。
同じように、英語も上達に時間がかかります。
だから、算数数学と英語は、苦手意識を持つとそのまま苦手が定着してしまうことがあるのです。
これを解決するためにはどうしたらいいかというと、ひとつは、入試で算数数学のクイズを解くような難問を出さないことです(笑)。
どんな難問も、解法を理解して、その解き方に慣れればできるようになります。
しかし、そういう難問を解く訓練をしても、頭がよくなるわけではありません。
ただ時間を費やしたというだけのことです。
そうは言っても、入試の算数数学には対応しなければなりません。
個人でできる勉強法は、夏休みなどの長期間の休みのときに、算数数学や英語だけを集中して勉強することです。
1か月の集中学習で、成績は驚くほど上がります。
つまり、算数数学や英語は、そういうレベルの勉強なのです。
時間をかければ、誰でもできるようになるということです。
算数数学の勉強法は、ただ問題を解くだけではなく、1冊の問題集のできない問題が1問もなくなるまで繰り返し解くことです。
そのためには、問題を解こうとするのではなく、すぐに答えを見て、解法を理解することです。
易しい問題を何問解いても力はつきません。
しかし、子供も親も、勉強している雰囲気にとらわれるので、できる問題を繰り返し解くことを勉強のように考えてしまうことがよくあります。
できる問題を解く方が、子供にとっても楽しいので、力のつかない算数数学の勉強をしている子がかなりいます。
ほとんどの子がそうだと言ってもいいかもしれません。
小学校の低中学年のころは、親が解き方を教えることができます。
しかし、小学校高学年になると、親でも、解法を見ながらでなければ解けない問題が出てきます。
そこで、勉強を子供本人や学習塾に任せてしまうと、子供はできる問題だけを解き、できない問題はそのまま放置してしまうようになります。
今の問題集のほとんどは、解法が充実しています。
難しい問題でも、解法を見れば理解できるようになります。
子供に答えや解法を渡さない塾や学校もありますが、それは論外です。
そのできなかった問題に印をつけておき、それを何度も繰り返し解くことが勉強です。
中高生の問題になると、1回目にできなかった問題は、2回目もできないことが多いです。
3回目も、4回目もできないことがあります。
しかし、ほとんどの問題は、4回目か5回目になればできるようになります。
ところで、親が子供に勉強を教える場合、言ってはいけない言葉は、「こんなこともわからないの」です。
それは、親の自慢になるだけで、子供のやる気にはつながりません。
子供のできない問題は、いつも笑顔で何度も同じように繰り返し教えることです。
その繰り返しには、日を置くことが大切です。
その日のうちに理解させようと思うと無理が出てきます。
最初の日は軽く教えるだけで、子供が理解できなくてもいいのです。
次の日も軽く教えるだけで、また子供が理解できなくてもいいのです。
次の日も、次の日も、軽く教えていると、子供はいつか当然のように理解できるようになります。
理解には、繰り返しの時間が必要なのです。
- ● 主権を譲り渡すな。 (212字) 森川林 nane 2024年03月15日 10時01分
15901 森川林日記より
パンデミック条約が論議されている。
腐敗したWHOが、すべての国に、マスクやワクチンや消毒を強制できる条約だ。
日本は、自国の主権を譲るな。
自分の国のことは、自分の国が判断すればよい。
それは、個人も同じ。
先生の言うこと、医者の言うこと、偉い人の言うことは、
一応は聞いてもいいが、
決定するのは自分だ。
どうせ人間は一度はあの世へ行く。
早いか遅いかの違いだけだ。
他人のコントロールに従うのではなく、
自分は自分でコントロールすることだ。
- ● 読解検定小6-2月 (94字) よここ yokoko 2024年03月14日 11時05分
15895 国語読解掲示板より
小6の生徒さんから、問3Aと問4Bの解答根拠が今一つよくわからないという質問がありましたので解説をお願いできますでしょうか。
次回から直接この掲示板に質問を入れてもらうようにお伝えしました。
- ● Re: 小一2月読解検定 (483字) 森川林 nane 2024年03月14日 09時24分
15894 国語読解掲示板より
なるほど。
かずや君、よく考えたね。
こういふうに、自分の考えをもとにして問題を解く人は、みんなすごく頭がよくなる。
これからも、がんばって、自分なりに考えて答えを見つけいこう。
これは、昔のエジプトでは、発見された石の板にあるような別の言葉が使われていた可能性もなくはないけれど、それは、「絵文字が使われていなかった」ということではないから、「絵文字がつかわれていた」が○になります。
でも、よく考えたのはえらい。
考えた内容的には100点だね。
> e-02-4 問題3:
>
> 「B 古代エジプトでは、絵文字が使われていた。」
> をぼくは??としましたが正解は○でした。
>
> なぜ??だと思ったかというと、
> 「むかしのエジプト語、そしてピラミッドに書かれている絵の文字であるヒエログリフということばです」という文はあったものの(ピラミッドの中に絵文字があったというような意味の文はあるものの)、エジプトで絵文字が使われていたという文はどこにもなかったからです。
>
> どうしてまちがえたのか、どういう方法で解けば良いのかわからなかったので教えてください。
- ● 小一2月読解検定 (239字) あおしまかずや akikaya 2024年03月13日 21時18分
15889 国語読解掲示板より
e-02-4 問題3:
「B 古代エジプトでは、絵文字が使われていた。」
をぼくは✖️としましたが正解は○でした。
なぜ✖️だと思ったかというと、
「むかしのエジプト語、そしてピラミッドに書かれている絵の文字であるヒエログリフということばです」という文はあったものの(ピラミッドの中に絵文字があったというような意味の文はあるものの)、エジプトで絵文字が使われていたという文はどこにもなかったからです。
どうしてまちがえたのか、どういう方法で解けば良いのかわからなかったので教えてください。
- ● 毎日新聞社から取材に (65字) 森川林 nane 2024年03月13日 11時45分
15885 森川林日記より
毎日新聞社から取材に来るそう。
でも、わざわざこの日限山の辺鄙な教室に来るのは大変だから(笑)、ZOOMで話していただくことにした。
- ● 言葉の森新聞2024年3月2週号 通算第1794号 (12782字) 言葉の森事務局 jun 2024年03月08日 16時21分
15869 言葉の森オンライン新聞より
言葉の森新聞2024年3月2週号 通算第1794号
文責 中根克明(森川林)
■■作文における書き出しの工夫、結びの工夫。表現の工夫は、生活作文の事実文だけでなく、説明文、意見文でも生かせる。文章力に自信のある人は、情景の書き出しと書き出しの結びにも挑戦しよう
小学4年生までの生活作文(事実文)では、書き出しの工夫と結びの工夫ができます。
高学年や中学生、高校生でも、書き出しの工夫と結びの工夫をすることができます。
書き出しの工夫がなぜ必要かというと、読み手を引き付ける効果があるからです。
YouTubeのタイトルやウェブニュースのタイトルなどを見ると、オーバーな表現が目立ちます。
引用するのが面倒だから、あえて書きませんが(笑)。
作文は、読んでもらう人を想定して書きますから、読み手の入口になる題名と書き出しは意味があるのです。
書き出しの工夫の方法はいくつかあります。
会話の書き出し、情景の書き出し、動作の書き出し、名言の書き出しなどです。
いちばんきれいに書けるのは、情景や動作の書き出しです。
私(森川林)が担当している小4の子の書き出しです。
====
ささっと私はキャベツをお肉で巻きます。弟はぐつぐつしているなべの中のじゃがいもがやわらかくなってきたか、フォークでつついています。弟が
「もっとほしい。」
と言ってくれました。
(このあと、料理を作った話が出てきます。)
====
もみじを抜こうとしたら、くきは固くて根もしっかりはっていました。公園を通った時に、もみじの木の下で五cmくらいのもみじを見つけました。お母さんが
「さくらは植えきばちで育てるとずっとぼんさいの大きさだよ」
と言っていたので、もみじでもできるかなと思って持って帰ってきました。
(このあと植物の話が続きます。)
====
書き出しが直接の情景描写になっているので、読む人はすぐに作文の中身に入ることができます。
この短い情景描写のあとに、「いつ、どこで何がどうした」という説明を入れればいいのです。
書き出しの工夫と対応するのが結びの工夫です。
1200字の作文では、書くのには1時間ぐらいかかりますが、読む人は数分で読みます。
だから、読み手には、最後まで読んでも、最初の書き出しの印象が残っています。
そこで、書き出しの工夫に対応したキーワードが結びにもあると、読み手はなぜか心地よさを感じるのです。
これは、小説などでも同じです。
長い小説で、最初の方のページにさりげなく書いてあった何かが、後半に重要な意味を持つことになったという伏線のあるストーリーを読むと、読み手は、そこに気持ちよさを感じるのです。
しかし、小さくまとまっているものは、面白くありません。
書き出しと結びの間に、途中の広がりがあり、どうなるかわからないように見えながら最後にまとまるというところに快感を感じるということです。
結びの工夫をするためには、感想や意見のあとに、書き出しのキーワードを生かした文を書くことです。
先ほどの引用の書き出しの「もみじ」の作文の結びです。
===
今もみじは葉が全部無くて、芽がふくらんできています。もうすぐ春です。
====
「もみじ」という言葉がキーワードになって、書き出しとつながっています。
中学生や高校生は、意見文の課題になるので、書き出しや結びの工夫は関係ないと思うかもしれませんが、実はあるのです。
硬い意見文の書き出しに柔らかい情景の書き出しがあり、中身の題材と意見が充実していて、しかも、結びに、書き出しのキーワードに対応した工夫があると、その作文の内容以上に、読み手は、その構成のセンスに感動するのです。
中学生、高校生で、文章力に自信のある人は、そういう書き出しを結びの工夫を作文に生かしていってください。
■■朝の10分間読書の効果。中学、高校でも朝の読書をしている学校がある。そういう生徒は考える力がついている。勉強は成績をよくするだけだが、読書は頭をよくする。
朝の10分間読書という運動があります。
わずか10分の読書時間で、自分の好きな本を自由に選んで読むだけなのですが、この時間によって、どの子も本を読書をする習慣がつきます。
しかし、朝の10分間読書が主に行われているのは小学校までで、中学や高校で行われているところはあまりありませんでした。
それが、ここに来て、中学や高校でも、朝の10分間読書を行っている学校があることを知りました。
そういう読書時間のある学校の生徒は、考える力がつきます。
すると、結局、勉強にもその効果が出るのです。
すでにそういう調査結果があります。
読書をしている子は、短時間の勉強でも成績が上がるが、読書をしていない子は成績を上げるのに長い時間がかかるというのです。
(東北大学教授川島隆太氏による調査)
言葉の森でも、これまで教えてきた生徒で、本をよく読んでいる子は、学年が上がるごとに成績が上がっていきました。
逆に、本を読んでいない子は、学年が上がるごとに成績が低下していったのです。
例えば、こういう子がいました。
小学2年生のころに教室に来た子で、私立の小学校に通っていて、勉強も習い事もよくできる子でした。
しかし、保護者の方が、「勉強が忙しいから本を読んでいる暇はない、本を読むなら行き帰りの電車の中だけにしなさい」という人でした。
家庭で、毎日勉強を詰め込むので、小学2年生のころはとてもいい成績でした。
しかし、そういういい成績が続いたのは、小学校の中学年まででした。
小学5年生になると、いくら勉強しても成績が伸びなくなったのです。
そして、成績はかえって低下していきました。
成績をよくするための勉強では、成績はよくなりますが、頭はよくなりません。
頭をよくするのは、読書と対話と挑戦です。
だから、勉強よりも読書を優先するぐらいの子の方が、学年が上がると成績がよくなります。
時どき、「勉強が忙しくて本を読んでいる暇がない」という子がいます。
そういう子は、勉強が忙しくなくなっても、あまり本を読みません。
そして、結局、いくら勉強しても、成績が思ったほど伸びなくなるのです。
では、なぜ読書によって頭がよくなるのでしょうか。
これは、私の仮説ですが、頭の良さというのは、日本語を駆使する力だと思います。
今は、誰でも文章は読めます。
読書も、読もうと思えば読めるので、読書自体に何か効果があると思えないと思います。
しかし、人間がものごとを考えるのは日本語で考えるのですから、同じ「読める」ことでも、字面を読めるだけの読み方と、内容を深く心に刻みむような読み方では質が違います。
読書の好きな子は、本を読むときに感動して読むことができます。
言葉が、表面的な意味だけでなく、自分の心に響いてくるような読み方ができます。
本をあまり読まない子は、表面上の知識として読むだけで、心に響くようなところまで深く読むことがないのです。
この深い読み方ができることが頭をよくします。
頭のいい子は、勉強面で、算数数学や英語や理科や社会の勉強をするときも、教科書に書かれている内容を深く心に刻みつけて読み取ることができます。
だから、読書力のある子は、自然に成績がよくなるのです。
■■低学年の作文の題材の選びで気をつけることは、見た話、未来の話より、した話、過去の話を書くこと。また物語を書くよりも実際の経験を書くことが大事
小学校低学年の作文は、自由な題名課題です。
なぜ自由なのかというと、題名を指定すると書けないことが多いからです。
例えば、小学1、2年生の子に、「わたしのおかあさん」という題名で書いてごらんと言ったら、「わたしのおかあさんは、こんな人です。」と書くだけで終わってしまいます。
絵をかくのと文章を書くのとでは違うのです。
低学年のころは、事実を通して説明を書くということができないので、説明をそのまま書いて、それ以上は書けないのです。
だから、「私の○○」とか「ぼくの○○」とかいう題名課題は、もっと高学年になってからの課題になります。
低学年の課題は、実際にあった出来事が中心です。
しかし、ここで注意しなければいけないことは、子供にとって書きたい話題が、必ずしも書きやすい課題ではないということです。
子供が書きたがる話のひとつに、「○○をみたこと」というものがあります。
映画を見たとか、テレビを見たとかいう話がそうです。
ゲームをしたという話も、見た話と同じです。
こういう「見た話」には、自分自身の行動がありません。
映画を見て、どんなに面白かったにしても、それは映画の画面の中での話です。
本人は、ただ座って見ていただけですから、自分らしいことが作文の中に出てきません。
だから、「見た話」を書く場合は、それを見ていたとき、見る前、見たあとに自分がどんなことをしたかということを書くのが大事になるのです。
もうひとつ、子供が書きたがる話で、書きにくい話が未来の話です。
例えば、「明日は遠足」とか、「もうすぐ誕生日」とかいう話は、子供にとっていくら関心があったとしても、書くための材料がありません。
こういう未来の話を書く場合は、「この前の似た話」や「去年の同じ話」などを続けて書いていくといいのです。
もうひとつ、本好きな子で、実際にあった話よりも、自分で作った話を書きたがる子がいます。
本人が書きたがるのであれば、しばらくは書かせてもいいですが、実際にあった話でなければ、表現力は伸びません。
たとえを書くにしても、実際にあったことをたとえで表現するところに工夫があります。
題材選びの前に、読書生活以外の楽しい実生活をすることが大事です。
楽しいことがあれば、子供はそれを書きたがるからです。
■■未来の子育て、未来の学力(その1)――成績と実力は一致しなくなってきている。これから変わる大学入試にどう対応するか
日本人は、教育熱心です。
中国も、韓国も、教育には熱心です。
それは、科挙の伝統があるからという面もあります。
いい成績を収めれば、成功のエスカレーターに乗れるという考えがあるからです。
それは、これまでの社会である程度は実現していました。
しかし、今は、成績と成功が結びつかないことがだんだんと明らかになってきました。
それを身近に感じているのは、受験生を受け入れる大学や、学生を受け入れる企業の側です。
成績と実力は、ある程度までは一致していますが、ある程度を超えると、反比例することさえあるのだということがわかってきたのです。
例えば、オール4までの学力なら必要な学力です。
しかし、オール5になる学力は、必要を超えていることがあります。
そういう学力の学生は、学力以外の面で見劣りすることがあるのです。
そこで、大学では、総合選抜という入試を始めました。
成績は、普通にできていればいいから、成績以外の意欲や個性を見ようという入試です。
この考えは、社会の変化にも対応しています。
今の資本主義は、フロンティアがなくなっています。
IT分野でわずかのフロンティアがあるように見えますが、その狭いフロンティアに参加しようとする人が多すぎます。
今、大企業と言われるところも、新しい分野の開拓に苦労しています。
これまでの実績だけでやっていける時代ではなくなってきたからです。
世の中の枠組みの前提が大きくかわりつつある今、子育ても大きく方針を見直す必要があります。
そこで、これからの子供たちに必要な未来の学力と未来の子育てを考えてみました。
私(森川林)の基本的な考えは、「明日の日本を支える、思考力、創造力、共感力のある子供たちを育てる」教育を目指すことです。
今の受験競争の社会の中で、どういう子育てを目指すかということを、このあと書いていきたいと思います。
■■未来の子育て、未来の学力(その2)――幼児期の過ごし方、小学123年生の過ごし方
子育ては、幼児期から始まります。
この時期に大切なことは、愛情と対話と自然です。
今は、使いやすいデジタル機器が豊富ですが、幼児期に接するものは、できるだけ自然にもとづいたものであることが必要です。
例えば、PCモニターの色数が1677万色あり、見た目にはほとんど自然の色と変わらないように見えても、自然の色の無限さに比べれば、やはり限界があります。
縦縞の環境で育てられた子猫は、横縞を認識しにくいという実験があります。
幼児期には、限界のある人工の環境をできるだけ避け、自然に近い環境で育てていくことが大切です。
これは、音については、特に重要です。
自然の環境では、音は事実に結びついています。
例えば、母親の優しい声は、そのときの母親の笑顔と結びついています。
しかし、テレビやビデオから流れてくる音声は、事実と結びついていません。
感情を伴わない音声を聞き続けることによって、音声と感情との結びつきが弱くなることが考えられるのです。
小学123年生は、母語が形成される時期です。
外国人の子でも、小学123年生の時期に日本にいると、日本語が母語になります。
日本語が母語になると、例えば、虫の声や鳥の声を、左脳で認識するようになるのです。
反対に、日本人の子供でも、小学123年生の時期に海外で暮らすと、その現地の言葉が母語になります。
これは、東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信さんが、多くの調査結果で明らかにしています。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E8%A7%92%E7%94%B0%E5%BF%A0%E4%BF%A1
しかし、外国語の習得は、中学生からだと遅い面があります。
音声をそのまま吸収できるのは、小学4年生ごろからです。
中学生になってから外国語を学ぼうとすると、音声よりも文法的な知識の習得が先に来るようになるからです。
小学123年生で、大切なのは、勉強よりも読書です。
勉強の多くは、知識の習得です。
確かに、この時期は、知識の力が伸びる時期で、ゲームのキャラクターの名前を覚えるようなことに喜びを感じるものです。
しかし、それを勉強にあてはめて知識の習得を先行させると、確かに成績はよくなりますが、その分考えることが後回しになります。
考える力の基本は、日本語で考える力です。
もちろん、図形で考えたり、数字で考えたりすることもありますが、日常生活のほとんどは日本語の力で考えています。
その考える力である日本語力のもとになるものが、読書と対話です。
小学123年生で、学校の成績は同じぐらいであっても、読書力が違うことがあります。
学年が上がるにつれて学力が伸びるのは、読書力のある子です。
だから、ひとことで言えば、小学123年生の時期は、勉強よりも読書を優先するぐらいでいいのです。
読書のほかには、お父さんお母さんとの知的な対話、暗唱の練習、生き物を飼うことなどが、子供の成長に役立ちます。
特に、犬や小鳥など、人間とコミュニケーションのとれる生き物が家族の一員になると、子供の幸福感が育ちます。
ただし、生き物を飼うときは、親がその生き物の買い方をよく研究しておくことが大切です。
犬はかわいい動物ですが、幼児期のしつけがうまくできないと、かえって困ることがあります。
住宅環境によって、生き物が飼えないときは、自然の生き物と接する機会を作ることです。
ベランダに、ミカンを輪切りにしておいておけば、やがてメジロがやってきます。
パンくずやご飯の残りを置いておけば、すぐにスズメが来るようになります。
カラスやハトが一緒に来る場合は、スズメだけが入れる大きさの金網を上に置いておけば、スズメだけがのんびり餌を食べることができます。
1年たって、子スズメの世代になれば、スズメたちは人間が近くに来ても逃げないようになります。
スズメ用の巣箱を作ってやれば、ほとんどペットと同じ感じになります。
家庭生活は、できるだけ笑顔で過ごすことです。
その役割の大きな部分は、やはりお母さんです。
人間の生きる目的のひとつは、幸福に生きることです。
そのためには、お母さんが怖いお母さんにならないことが最も大切なのです(笑)。
■■未来の子育て、未来の学力(その3)――小学3、4年生は多読と遊びの時期。小学5、6年生は中学受験という選択肢もあるが、その先のどういう大学に入り、どういう社会生活を送るかまで考えておく必要がある
小学3、4年生は、多読と遊びの時期です。
遊びは、多くの子にとって、冒険的な遊びも意味します。
スポーツに参加するようなことも含めて、新しい冒険を通して、子供たちは生きるたくましさを身につけていくのです。
この遊びによって、困難や競争に負けない力が育ちます。
人間社会には、さまざまな摩擦があります。
その摩擦をはねのける力がたくましさです。
言葉はよくないかもしれませんが、「やられたらやり返す」というような生きる姿勢は、人生にはある程度必要です。
その姿勢は、不正なことに参加しないとか、弱い者を助けるとかいうたくましさにつながります。
そのためには、子供に自由裁量の余地を持たせることが必要です。
小学3、4年生の時期の子供は、秘密基地を作るような遊びを好みます。
それは、それまでの親の指示から離れて、自立して生きてみたいという意識の表れです。
小学2年生まで、親や先生の言うことを素直に聞いていた子が、小学4年生のころから、自分の意見を主張するようになります。
自立心を持つようになった子と新しい親子の関係を築くためには、小学1、2年生のころから、できるだけ子供の自主性を尊重する習慣をつけておくことが必要です。
小学1、2年生のころは、どうしても親がコントロールする面が多くなりますが、できるだけコントロールしないことを心がけていく必要があります。
小学5、6年生になると、子供に向上心が出てきます。
友達が、中学受験をすると聞くと、自分も負けずに受験に挑戦したくなります。
苦しくてもがんばるということに生きがいを感じられる年齢になるのです。
ここで難しいのは、今の中学受験にどう対応するかということです。
中高一貫校に入ることには、大学入試に有利になるという利点があります。
それは、勉強の先取りができるので、公立高校の生徒より1年早く受験勉強に取り組むことができるからです。
もちろん、今は、書籍でもネットでも、学習の材料は容易に手に入りますから、公立高校であっても本人が自覚して1年間先取りの勉強をすることはできます。
しかし、若い時期は周囲の雰囲気に左右されるので、実際にはなかなかひとりだけ勉強の先取りをすることはできません。
だから、中高一貫校、受験勉強の先取りという点で有利なのです。
ところが、最近の大学入試は、総合選抜が主流になりつつあります。
これまでのような知識の成績だけで1点差を競うような入試ではなく、個性と創造性を問うような入試が増えています。
すると、高校時代にどういうことをしたかということが大事になるので、勉強の1年間先取りは、今後あまり意味を持たないようになります。
一方、公立中学は、地域によっては荒れている学校もあります。
小6から中2のころは、年齢的にいじめやさぼりなどが多くなる時期です。
中学3年生になれば、ほとんどの子はもっと人間的に成長しますが、それまではいろいろな問題が残るのです。
そのため、学校では、管理を厳しくすることによって生徒を従わせようとする面が出てきます。
こういう息苦しさが、今の不登校の増加を生み出している面があります。
こういう問題に対しては、次のように考えていけばいいと思います。
周囲がどういう環境であっても、勉強は自分でするものだから、勉強面は、家庭学習をしっかりやっていけばいいということです。
また逆に、公立中学は、今の社会の縮図とも言えますから、そういう環境で生活することは、将来自分が仕事をして人の上に立つときにプラスになるということです。
不登校になっても、毎日の生活習慣をきちんとして起床時間を守るようにすれば、かえって学校に通うよりも充実した生活が送れます。
友達関係は、ネットでも、地域でも、自分の趣味に応じて自由に探すことができます。
だから、不登校という選択肢も、今はおおらかに考えていけばいいのです。
さて、中学受験をする小学5、6年生と、受験を選択しない小学5、6年生では、日々の生活が大きく変わります。
受験勉強で成績を上げるためには、時間をかける必要があります。
受験勉強は、結局知識を詰め込む勉強ですから、時間と成績は比例しています。
しかし、そのために、読書の時間が減ったり、自由な趣味の時間が減ったりするのは、子供の成長を歪めます。
1年間だけの集中した受験勉強であれば、むしろ集中力が育ち、弊害はありません。
しかし、今は小学3、4年生からの先取りの受験勉強で、しかも集団一斉指導で一律の宿題やテストに追われる勉強ですから、子供の生活に偏りが出てきます。
また、夜遅くまで通塾する受験勉強で、家庭での親子の団欒の時間がなくなるという面もあります。
小学5、6年生の時期は、親子が最もよく対話のできる時期です。
この時期の作文の課題で、子供が両親に似た例を取材する機会があることは、子供の成長に大きなプラスになります。
中学生になると、親子の対話はだんだん少なくなりますから、小学5、6年生の時期こそ、親子が自由に話のできる時間を確保しておく必要があるのです。
ところが、中学受験をしない小学5、6年生は、どういう生活になるかというと、学校で仲のいい友達の多くが受験の塾に通っているとなると、放課後に遊ぶ相手がいなくなります。
すると、ゲームをしたり、YouTubeを見たりして時間を潰すしかなくなるような生活になることがあるのです。
だから、家庭によっては、子供の生活時間を規律あるものにするために塾に通わせるというところもあります。
確かに、子供が家庭で暇を持て余しているよりも、塾で勉強している方がいいとは思いますが、その時間は中途半端な時間とも言えます。
では、どうしたらよいかというと、本人の趣味の分野を極めるような生活に切り替えていくのです。
その趣味の分野は、スポーツや音楽のようなものよりも、学問的なものがいいと思います。
スポーツや音楽の分野は、いくつかのメジャーな枠組みがあるので、その分野で何かを創造するよりも、枠組みの中で競争したり上を目指したりする方向に向かいます。
スポーツや音楽の競争の過程で、さまざまな努力や出会いや交流があることは確かですが、その分野で将来プロになる子はいません。
学問の分野は、多様性に富んでいるので、メジャーな枠組みというものはありません。あるとしたら、受験勉強ぐらいです。
さかなクンの趣味は、魚でしたが、魚を研究してどうなるかという見通しがなかったから自由に魚について調べることができました。
だから、その分野で日本一になったのです。
小学5、6年生は、向上心がわく時期なので、その向上心を生かして、子供の個性を生かす学問的な分野を探していくことができます。
男の子の場合は、電車オタクという子がよくいます。
そういう子は、不思議なことに、勉強もよくできるし、意欲もあるという子が多いのです。
そのほかに、料理やファッションに興味があったり、生き物を飼うことが好きだったり、昆虫の採集や、化石や鉱物の収集に興味があったり、プログラミングが好きだったりする子もいます。
そういう熱中する趣味を持つ子は、みんな勉強がよくでき、いい大学に進んでいます。
大事なことは、熱中するものがあることで、それが大学入試の場合も勉強に熱中する力として生きてくるのです。
子供の興味は、さまざまに変化しますが、小学5、6年生から、自分の好きな分野に取り組む生活をしていると、それは、中学生になっても、高校生になっても継続させることができます。
その趣味の学問の延長で、大学入試の総合選抜に進むということが、これからの子供の教育設計として考えられます。
趣味の学問の分野が突出していれば、学校の成績はオール4でよく、そのかわり東大でも、京大でも、東北大でも、早稲田でも、慶應でも、どこでも自由に受けられるようになります。
東北大は、2024年度から、総合選抜入試100%になりました。
しかし、大事なのは、その先です。
これまでは、子供たちの進路は、大学入試がゴールでした。
それは、大学入試に合格するための勉強してしてこなかったからです。
大学に入ったあとは、することがないから、大学生活を楽しむことしかありません。
そして、卒業するときは、大学入試と同じように、企業の偏差値を見て、偏差値の高いところに就職するようになります。
偏差値の高い企業は、給与もよく、厚生施設も充実して、それなりにやりがいもあります。
しかし、本当のやりがいは、自分が好きだったことを社会生活の中で実現することです。
これからは、人生100年時代です。ほんとか(笑)。
大学卒業後、又は大学院卒業後の20代で方向が見えてしまう人生ではなく、その後の自分の努力と工夫次第でどうにでもなる人生を歩むことが、これからの子供たちの未来になってきます。
そういう長い展望を意識しながら、今の小学生や中学生の勉強を考えていく必要があるのです。
■■未来の子育て、未来の学力(その4)――人から与えられた目標で生きるのではなく、自分の目標で生きる子供を育てるための教育
子育てで、親がいちばん迷うのは、小学3、4、5、6年生でどういう選択をするかということです。
それは、親の選択によって、子供の今後の生活が左右されるからです。
中学生になれば、勉強の方向はほとんど決まってきます。
高校受験をする子は、受験を目指せばいいし、受験をしない子は、そのまましっかり中学校生活を送っていけばいいからです。
高校生になると、選択肢は多様になりますが、基本の方向は変わりません。
自分の個性と実力を見て、進学先を決めればいいからです。
しかし、小学3~6年生は、親の考え次第でどういう選択も可能です。
中学受験をすると決めれば、それはそれで一貫した教育方針になります。
ところが、今の中学受験のための勉強は、かなり不自然なところがあります。
小学5、6年生は、自分の意思があるように見えて、本当はまだ勉強や人生に対する自覚のない時期ですから、環境に左右される度合いが強いのです。
中学受験のマイナス面を言えば、勉強のしすぎによって、たとえ合格してもしなくても、その後、勉強に飽きてしまうことがあります。
また、勉強を自分自身の向上のために行うというよりも、点数のために行うという発想になりがちなところがあります。
この発想は、大学生になっても、社会人になっても続くので、就職も、よりよい偏差値のところを目指すということになることがあります。
よりよい偏差値のところへという圧力は、本人よりも親の方が強いことがあります。
「せっかくいい大学を卒業したのだから、その経歴がもったいなくないような選択をしなければ」という発想になるのです。
大学入学までがゴールで、その先を考えていなかったので、自然にそういう世間的に通用する選択になってしまうのです。
これからの世の中は、大企業で安定しているから一生困らないというようなことはなくなります。
その一方で、何をしても生活するには困らないだけの社会基盤ができるようになります。
だから、若者には、冒険できる余地が多い社会になっています。
子育ての方向は、子供が社会人になるときに、自分らしい冒険を目指すような子に育てることです。
もちろん、結果として、別に冒険はしなくてもいいのです。
既成の枠組みに入ることだけが選択肢ではないという生き方を目指していけばいいのです。
そのために、小学生からどういう教育をしていくかということです。
ここからは、言葉の森の紹介になりますが、私は、小学生からの教育で大事なものは、読書、作文、親子の対話、そして創造発表の学習になると思っています。
創造発表の学習の目標は、「個性を学問に、学問を創造に」です。
学校や塾で、先生から与えられた目標を目指して努力するだけでなく、自分の好きなことを目標にして努力するような生き方をするのです。
与えられた目標というのは、勉強に限りません。
スポーツでも、音楽でも、ほかの人から与えられた目標があり、そこに競争や勝敗が加わると、人間は自分が本当に何をしたいのかということよりも、その目標を達成することが自分自身の目標になります。
もちろん、そういう面はあっていいのです。
しかし、それとは別に、自分の本当にしたいことを目標とするような生き方もしていく必要があります。
ところが、自分の本当にしたいことは、多くの場合、誰からも認められません。
特に、お父さんやお母さんや学校の先生は、「そんなことして、どうなる」という見方をしがちです。
そういう周囲の無視や無理解に負けずに、自分のしたいことを追求するには、同じような個性のある仲間との出会いと交流が必要です。
その個性ある子供たちの出会いと交流の場が、創造発表クラスの学習です。
創造発表クラスの学習は、小学1、2年生では、まだ無理があります。
小学1、2年生は、自分のことしか関心がないので、他の生徒の発表に共感したり感動したりする交流がまだないからです。
創造発表クラスの学習が交流に結びつくのは、もっと学年が上になってからです。
しかし、学年が上がり、それぞれの子供たちの個性が際立ってくると、逆に話が合わなくなる面も出てきます。
だから、大勢の子供たちが、自分の興味関心に応じて、いくつもある多様な創造発表クラスを選択できるようできればいいのです。
いずれ、この創造発表的な学習が、教育の主要な教科になる時代がきます。
その端緒はすでに、高校の探究学習や、大学入試の総合選抜などに表れています。
小学5、6年生は、受験勉強に取り組まない場合、その生徒の持っている意欲や能力を学校の勉強だけでは十分に発揮できません。
その余っている力を、スポーツや音楽やゲームという与えられた枠組みに費やすのではなく、創造発表的な学習に生かすようにすることが、これからの子育ての重要な柱になるのです。
■■【合格速報】
●鹿児島県立甲南高校 E.M.さん
<担当講師より>
受験コースではありませんでしたが、作文を通して自分自身と向き合ってきたことが、面接での自己アピールにも活かせたようです。
伸び伸びとした校風の学校だと聞いています。持ち前の明るさで高校でも活躍してくれると思います。
作文も継続してくださるとのこと。さらなる成長を期待しています。
●広尾学園高校 医進・サイエンスコース Y.Yさん
<担当講師より>
中1からコツコツと努力されてきました。どの科目も手を抜かず、決めたことは絶対にやり抜く芯の強い生徒さんでした。
高校生になっても 自分の目標を次々と達成し、前進されるのだろうと思います。
合格おめでとうございます。
- ● H.O.Nというところから出版レーベルという話が来たけど (146字) 森川林 nane 2024年03月08日 06時26分
15868 森川林日記より
H.O.Nというところから出版レーベルという話が来たけど、費用負担が必要という話なので、即ことわっておいた(笑)。
昔、「ガッツ石松が取材に行きます」という話が何度かあった。
商売を工夫するのはいいことだから、こういう仕事をする人は応援したいが、自分は乗らない。(普通、みんな乗らないか。)
- ● 私が作文教室を始めたのは (311字) 森川林 nane 2024年03月07日 07時06分
15862 森川林日記より
私が作文教室を始めたのは、作文の需要があったからではなく、作文教育が必要だと思ったからです。
だから、最初は生徒が2人しかいませんでした(笑)。
そのあと、言葉の森の作文教室の話を見て、ベネッセやZ会が作文指導を始めましたが、まもなく撤退したようです。(まだやっているかもしれませんが)
最近、ぶんぶんドリムが、作文指導の宣伝をしていますが、監修者の齋藤孝さんには作文教育に関する理念も指導論もありません。
それは、斎藤さんの「こども文章力」という本を見ると、よくわかります。
それなのに、毎週、朝小にカラーの全面広告を出しているのは、不思議と言えば不思議です。
半ば、意地になってやっている気もしなくはないです(笑)。
- ● ぶんぶんドリムが今日も朝小に全面広告(笑) (268字) 森川林 nane 2024年03月05日 16時21分
15855 森川林日記より
週に何回も全面広告というのは、よくやるなあ。
こういう広告につられて、ありきたりの作文の勉強を始めてしまう人もいるのだろうなあ。
ただ書くだけただ添削されるだけの作文の勉強では、もともと実力のある子以外は、書くことに飽きてくる。
だから、ぶんぶんドリムは、小学生までの指導しかない。
むかーし、齋藤孝さんがぶんぶんドリムの作文のことを本に書いていたので、読んでみたことがある。
なかなかいいことが書いてあると思ったら、全部、自分が昔書いたことと同じようなことだった(笑)。
コピー以外の独創的なものは何もなかったからわかりやすかった。
- ● 宇宙人は意識と知識だけの存在 (150字) 森川林 nane 2024年03月03日 10時15分
15850 森川林日記より
最後まで読んで理由がわかった。
宇宙人(アシュター)というのは、意識と知識だけの存在で、身体や感情がないのだそうだ。
本人が言っている。
だから、葛藤のような微妙なことがわからないのだろう。
芸術とか笑いとか感動とかダジャレとかいうことも縁がなさそう(笑)。
それで、深みがないと感じたのだった。