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　ある人が言う。誰よりも強い猫が欲しい。犬にすら負けない、屈強な猫を。そうして育てた猫は、どんな狂犬にも勝利した。そして、自らの主すら食い殺した。そう、それは既に「首輪のない虎」だったのだ。
　人類は、常に強大な力を求め続けた。物理的な力はもちろん、権力、知力、財力と、力は大きければ大きいほど良いとされた。資本主義国家はその産物だろう。結果、物理的な面では、「核」というゆるぎない力を手に入れ、知力はとどまるところを知らず今だ大きくなりつづけている。